悪役令嬢の心変わり

ナナスケ

文字の大きさ
28 / 127
アストルム騎士団創立編

第24話 騎士見習い

しおりを挟む
剣術、乗馬の才能を認められ父上から馬と領地を与えられた。

父上のセンスも大したものだ。

美しいまでの黒い毛並みの美人を私に与えるのだから。

嬉しさのあまりにこの美人を乗り回していた。

騎士団創設など考えていたがちゃんと処刑エンド回避についても考えないとな。

騎士団とは程遠いが父上に与えられた領地を守る守備隊としてフォンティーヌ伯爵の娘、リアーナ・フォンティーヌを始め伯爵家の騎士見習いを募った。

公爵の騎士見習いというのは表向きであることは着任式で既に伝えてある。

まぁ全て大人からは子供のママゴトだと思われているらしいがそれでいい。

我々が本気ならば問題は無い。

そのためにカリム王子のパーティーに出向き、色んな伯爵に声を掛けてきた。子供を中心にね。

さて、処刑に繋がる絶対的な分岐地点などはわからない。
何せストーリーを知らないのだから。
だが、攻略対象達によって処刑されてしまうことくらいは分かっている。
だが気をつけなければいけないのはなにも男性キャラだけではないな。
主人公であり絶対的なヒロイン、クリスティーヌ。
彼女に敵対してしまっては攻略対象たちに恨まれてしまう。

それに公爵令嬢として聖女候補を辞退するなんて両親が許さないだろうなぁ。

「どうしたらならずに済むんだろう。」

「お嬢様~」

ロラン?彼が慌てるような用事なんかあったかな?

「母上に見つかったら品がないと怒鳴られてしまうよ。どうしたんだい?」

「お、お嬢様こそ、、お、忘れですかっ。」

息を整えながら必死に何かを伝えようとしているが何も分からない。

「本日はヒナお嬢様とその母君レーナ様がこの屋敷に来られる日です。」

「ただでさえ肩身が狭い思いをするんだ。なにも威圧することは無いだろう。それに、父上が出向いているんだろう?」

「そ、、それが。」

また母上か?少しは公爵夫人としての、、、

「誰も出迎えておられないようでして。」

私の眉がピクリと動く。

「使用人は。せめて使用人は出迎えているのだろう?」

「いえ、、、、」

こういうことは珍しいことでは無い。

没落貴族の妾が魔法持ちの子供を産んでしまった場合、親戚がその子供を養わなければならない。
この世界ではよくあることらしい。
子供がまだ小さいと母親も共に引き取られる。今回がそのパターンだ。

使用人からしたらただの使用人が貴族の子供、ましてや魔法持ちの子供を産んでしまい。
更には公爵家の側室として迎えられているのだ。

妬みや嫌悪感を感じるものもいるのだろう。
身ごもらなかったマーサですら関係を持っただけで蔑まれる世の中だ。

「2人はどこに?」

「門の外におります。」

こんな大きい屋敷勝手に入っていいか分からないよな。しかも、門から本館の玄関まで何キロあると思ってるんだ。
バカ広いんだぞ。この屋敷。

「まず父上に挨拶をさせないと、か。ロラン、馬車を出せ。私も馬で向かう。」

もちろんレーナ殿については調べてある。

レーナ殿を身篭らせた伯爵は女に見境なく、美しいレーナ殿を何回も犯していたらしい。
部屋からは嫌がるレーナ殿の声が響いていたが誰も助けなかった、、、

こういうのが当たり前な社会ってなんだ?

騎士団に早く名前をつけよう。呼ぶ時に困る。

「メアリー、リアーナに部隊を編成して正門に集まるように伝えてくれ。ロラン、馬車の用意をしてレーナ殿の元へ行き荷物を積んで我々が到着するのを待て。マーサ、支度を整える。来い。」

庶民だったとはいえクロウリー家の側室と娘だ。
扱い方によっては我が門に泥を塗ることになる。

「お嬢様、騎士見習いの方々の準備ができましてございます。」

「わかった、マーサこの部屋にレーナ殿と娘を連れてくる。父上に会う前に身なりを整えてやれ。」

「かしこまりました、こちらでご用意してお待ちしております。」

玄関を出ると騎士見習いの伯爵の公子、公女が私に膝まづいて待っていた。

我々を甘く見ているもの達に見せてやりたいものだ。

彼らは全員剣の訓練も受けてある程度戦える上に馬を走らせることだってできる。

ただの10歳の子供の集まりだと思ったら痛い目を見るからな。




𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は間違えない

スノウ
恋愛
 王太子の婚約者候補として横暴に振る舞ってきた公爵令嬢のジゼット。  その行動はだんだんエスカレートしていき、ついには癒しの聖女であるリリーという少女を害したことで王太子から断罪され、公開処刑を言い渡される。  処刑までの牢獄での暮らしは劣悪なもので、ジゼットのプライドはズタズタにされ、彼女は生きる希望を失ってしまう。  処刑当日、ジゼットの従者だったダリルが助けに来てくれたものの、看守に見つかり、脱獄は叶わなかった。  しかし、ジゼットは唯一自分を助けようとしてくれたダリルの行動に涙を流し、彼への感謝を胸に断頭台に上がった。  そして、ジゼットの処刑は執行された……はずだった。  ジゼットが気がつくと、彼女が9歳だった時まで時間が巻き戻っていた。  ジゼットは決意する。  次は絶対に間違えない。  処刑なんかされずに、寿命をまっとうしてみせる。  そして、唯一自分を助けようとしてくれたダリルを大切にする、と。   ────────────    毎日20時頃に投稿します。  お気に入り登録をしてくださった方、いいねをくださった方、エールをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。  

死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について

えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。 しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。 その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。 死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。 戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

悪役皇女は二度目の人生死にたくない〜義弟と婚約者にはもう放っておいて欲しい〜

abang
恋愛
皇女シエラ・ヒペリュアンと皇太子ジェレミア・ヒペリュアンは血が繋がっていない。 シエラは前皇后の不貞によって出来た庶子であったが皇族の醜聞を隠すためにその事実は伏せられた。 元々身体が弱かった前皇后は、名目上の療養中に亡くなる。 現皇后と皇帝の間に生まれたのがジェレミアであった。 "容姿しか取り柄の無い頭の悪い皇女"だと言われ、皇后からは邪険にされる。 皇帝である父に頼んで婚約者となった初恋のリヒト・マッケンゼン公爵には相手にもされない日々。 そして日々違和感を感じるデジャブのような感覚…するとある時…… 「私…知っているわ。これが前世というものかしら…、」 突然思い出した自らの未来の展開。 このままではジェレミアに利用され、彼が皇帝となった後、汚れた部分の全ての罪を着せられ処刑される。 「それまでに…家出資金を貯めるのよ!」 全てを思い出したシエラは死亡フラグを回避できるのか!? 「リヒト、婚約を解消しましょう。」         「姉様は僕から逃げられない。」 (お願いだから皆もう放っておいて!)

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

誰でもイイけど、お前は無いわw

猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。 同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。 見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、 「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」 と言われてしまう。

愛され妻と嫌われ夫 〜「君を愛することはない」をサクッとお断りした件について〜

榊どら
恋愛
 長年片思いしていた幼馴染のレイモンドに大失恋したアデレード・バルモア。  自暴自棄になった末、自分が不幸な結婚をすればレイモンドが罪悪感を抱くかもしれない、と非常に歪んだ認識のもと、女嫌いで有名なペイトン・フォワードと白い結婚をする。  しかし、初顔合わせにて「君を愛することはない」と言われてしまい、イラッときたアデレードは「嫌です。私は愛されて大切にされたい」と返した。  あまりにナチュラルに自分の宣言を否定されたペイトンが「え?」と呆けている間に、アデレードは「この結婚は政略結婚で私達は対等な関係なのだから、私だけが我慢するのはおかしい」と説き伏せ「私は貴方を愛さないので、貴方は私を愛することでお互い妥協することにしましょう」と提案する。ペイトンは、断ればよいのに何故かこの申し出を承諾してしまう。  かくして、愛され妻と嫌われ夫契約が締結された。  出鼻を挫かれたことでアデレードが気になって気になって仕方ないペイトンと、ペイトンに全く興味がないアデレード。温度差の激しい二人だったが、その関係は少しずつ変化していく。  そんな中アデレードを散々蔑ろにして傷つけたレイモンドが復縁を要請してきて……!? *小説家になろう様にも掲載しています。

【コミカライズ企画進行中】ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!

あきのみどり
恋愛
【ヒロイン溺愛のシスコンお兄様(予定)×悪役令嬢(予定)】 小説の悪役令嬢に転生した令嬢グステルは、自分がいずれヒロインを陥れ、失敗し、獄死する運命であることを知っていた。 その運命から逃れるべく、九つの時に家出を決行。平穏に生きていたが…。 ある日彼女のもとへ、その運命に引き戻そうとする青年がやってきた。 その青年が、ヒロインを溺愛する彼女の兄、自分の天敵たる男だと知りグステルは怯えるが、彼はなぜかグステルにぜんぜん冷たくない。それどころか彼女のもとへ日参し、大事なはずの妹も蔑ろにしはじめて──。 優しいはずのヒロインにもひがまれ、さらに実家にはグステルの偽者も現れて物語は次第に思ってもみなかった方向へ。 運命を変えようとした悪役令嬢予定者グステルと、そんな彼女にうっかりシスコンの運命を変えられてしまった次期侯爵の想定外ラブコメ。 ※コミカライズ企画進行中 なろうさんにも同作品を投稿中です。

処理中です...