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青年編
第66話 魔物
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暗殺者による襲撃を見事に退けたダリアはその褒美として新しい領地を所望した。
クロウリー領から少し北に離れたクレバンスという土地だった。
まだ未開拓で荒れ果てている土地を所望し、国王も困惑していたがベルメールでの活躍もあってか許可が降りた。
そして正式にアルベルトの護衛の任も命じられることとなる。
「アルベルト殿下の護衛の任を命じられたというのに直後早々お忍びで街に出るなど何をお考えなのですか公女!」
キースの怒声がダリアの頭の中で鐘の音のように響き、うんざりした顔を向けるとキースの眉間はさらに険しくなる。
隣に立っているリアーナは苦笑いを浮かべながら黙っていた。
「これからうんと忙しくなるんだから少しくらい羽を伸ばしたっていいじゃないか。」
「暗殺者に襲われたことをお忘れですか?」
「私はそんなに弱くないよ?それにリアーナも来てくれるし。」
「ですが!」
「大丈夫、行くのはアルデン村だ。」
「アルデン村?ですがあの村は!」
キースの言葉をリアーナが止める。
「報告書を見た殿下がこちらの村に赴くことを所望していらっしゃいました。」
「、、、、、」
まだ不服そうなキースに一枚の書類を手渡すと優しく微笑みながら頼み事を1つキースにした。
「クレバンスを陛下に所望したのは絶対的安全な拠点を得るため。騎士団は団員数が増えつつある。戦場から帰る場所が必要だ。そして私の庇護下に置いた者たちが逃げ込める場所がね。」
キースはしばらく書類に目を通し沈黙するとダリアに敬礼し部屋を後にした。
「ダリア様、今のは少々失礼かと。咎めて参りましょうか?」
不安そうに言うリアーナにダリアがそっと静止した。
「構わないよ。彼の言うことはもっともだ。それに私と殿下を思っての言葉だろう。彼は騎士団の理性だよ。」
「アルデン村への訪問は今回が初めてとなりますが正式に訪問なさらなくてよろしいのですか?」
「あぁ、今殿下の身分を明かしながら訪問するのは避けた方がいい。それに正当な評価というものはお忍びの時の方が聞けるものだよ。」
「かしこまりました。」
【アルデン村】
初めて魔物と交渉を行い、魔物の村への出入りと交流を成功させた村である。
魔物による人間の村への襲撃があると同様に人間による魔物への襲撃があった。
魔物が持つ魔石と丈夫な防具の素材となる魔物の部位を目的としたものだった。
しかし魔物にも知性があり、人間の村へ襲撃しているのはほとんどが知性をなくした魔物によるものだった。
国に存在する冒険者たちはこの素材をギルドに提出して生業としていた。
だがダリアは魔物も交渉、対話を繰り返し罪のない魔物の村を冒険者たちが襲撃していることを知り、クロウリー公爵領内のギルドに許可された魔物以外を討伐することを禁止とした。
そして、今まで魔物の村を襲撃していた冒険者たちを招集し事情聴取を行なった。
その大半は魔物を殺すことを楽しんでおり、ダリアは褒め 報酬を渡すと伝え 襲われた魔物の村や彼らを憎む魔物たちに引き渡した。
その後魔物からも支持を集めつつあるダリアであった。
パラディーゾ大神殿 最深部
「魔物と契約を交わすとはなんと汚らわしい、、、公爵家の正統な血筋だというのに。やはり闇の魔力を宿りし魂は生まれながらに穢れているのだな。」
「やはりヒナ嬢に文を出したのは妥当だったかもしれませんね。私生児ではありますが属性は問題ないかと、、、」
「ハンっ!嘆かわしいことよ。よもや公爵家から私生児が聖女候補選抜に参加することになるとはな。だが、、、あの小娘よりかはマシかもしれんな。カミュラよ、あとは任せたぞ。」
「お任せ下さい、猊下」
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
クロウリー領から少し北に離れたクレバンスという土地だった。
まだ未開拓で荒れ果てている土地を所望し、国王も困惑していたがベルメールでの活躍もあってか許可が降りた。
そして正式にアルベルトの護衛の任も命じられることとなる。
「アルベルト殿下の護衛の任を命じられたというのに直後早々お忍びで街に出るなど何をお考えなのですか公女!」
キースの怒声がダリアの頭の中で鐘の音のように響き、うんざりした顔を向けるとキースの眉間はさらに険しくなる。
隣に立っているリアーナは苦笑いを浮かべながら黙っていた。
「これからうんと忙しくなるんだから少しくらい羽を伸ばしたっていいじゃないか。」
「暗殺者に襲われたことをお忘れですか?」
「私はそんなに弱くないよ?それにリアーナも来てくれるし。」
「ですが!」
「大丈夫、行くのはアルデン村だ。」
「アルデン村?ですがあの村は!」
キースの言葉をリアーナが止める。
「報告書を見た殿下がこちらの村に赴くことを所望していらっしゃいました。」
「、、、、、」
まだ不服そうなキースに一枚の書類を手渡すと優しく微笑みながら頼み事を1つキースにした。
「クレバンスを陛下に所望したのは絶対的安全な拠点を得るため。騎士団は団員数が増えつつある。戦場から帰る場所が必要だ。そして私の庇護下に置いた者たちが逃げ込める場所がね。」
キースはしばらく書類に目を通し沈黙するとダリアに敬礼し部屋を後にした。
「ダリア様、今のは少々失礼かと。咎めて参りましょうか?」
不安そうに言うリアーナにダリアがそっと静止した。
「構わないよ。彼の言うことはもっともだ。それに私と殿下を思っての言葉だろう。彼は騎士団の理性だよ。」
「アルデン村への訪問は今回が初めてとなりますが正式に訪問なさらなくてよろしいのですか?」
「あぁ、今殿下の身分を明かしながら訪問するのは避けた方がいい。それに正当な評価というものはお忍びの時の方が聞けるものだよ。」
「かしこまりました。」
【アルデン村】
初めて魔物と交渉を行い、魔物の村への出入りと交流を成功させた村である。
魔物による人間の村への襲撃があると同様に人間による魔物への襲撃があった。
魔物が持つ魔石と丈夫な防具の素材となる魔物の部位を目的としたものだった。
しかし魔物にも知性があり、人間の村へ襲撃しているのはほとんどが知性をなくした魔物によるものだった。
国に存在する冒険者たちはこの素材をギルドに提出して生業としていた。
だがダリアは魔物も交渉、対話を繰り返し罪のない魔物の村を冒険者たちが襲撃していることを知り、クロウリー公爵領内のギルドに許可された魔物以外を討伐することを禁止とした。
そして、今まで魔物の村を襲撃していた冒険者たちを招集し事情聴取を行なった。
その大半は魔物を殺すことを楽しんでおり、ダリアは褒め 報酬を渡すと伝え 襲われた魔物の村や彼らを憎む魔物たちに引き渡した。
その後魔物からも支持を集めつつあるダリアであった。
パラディーゾ大神殿 最深部
「魔物と契約を交わすとはなんと汚らわしい、、、公爵家の正統な血筋だというのに。やはり闇の魔力を宿りし魂は生まれながらに穢れているのだな。」
「やはりヒナ嬢に文を出したのは妥当だったかもしれませんね。私生児ではありますが属性は問題ないかと、、、」
「ハンっ!嘆かわしいことよ。よもや公爵家から私生児が聖女候補選抜に参加することになるとはな。だが、、、あの小娘よりかはマシかもしれんな。カミュラよ、あとは任せたぞ。」
「お任せ下さい、猊下」
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