悪役令嬢の心変わり

ナナスケ

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青年編

第67話 アルデン村

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 アルデン村に向かう道中、アルベルトは終始窓の外の風景を真剣な眼差しで見つめていた。
 そんな彼にダリアは黙って横目で流し見ていた。

「少し前まで魔物による襲撃と領主による重税で苦しんでいた村だ。昔はこんなに荒れた土地では無かったようだよ。」

 アルベルトの考えを察しダリアは静かに言葉を口にした。
 そんなダリアをアルベルトの隣にいる眼鏡をかけた男が険しい顔で睨みつけていた。

「クロウリー公爵令嬢、言葉を慎みください、殿下に向かってそのような。」

「、、、それは失礼した。お許しください殿下。」

「構わない、今に始まったことでは無いからな。」

 アルベルトの言葉に男は信じられないとでも言うかのように驚きの色を隠せずにいた。

「そんなことよりダリア、あれはなんだ?」

 村の奥にある大きな門を指してアルベルトが尋ねる。

「ん?あぁ、あれは境界門 ゲートです。あそこが魔物の村ととアルデン村の境目になっています。」

「なっ、、、、魔物の村とアルデン村を繋げているのですか?何をお考えですか?!村人は魔物たちの餌では無いのですよ?」

「ガティネ殿、もう少し考えて発言してください。魔物たちの前でそのような無礼を働けば本当に食べられてしまいますよ?」

 ギロリと鋭く睨みつけるダリアに男は身を固くした。
 その男の名前はシュワルコフ・ガティネ侯爵。
 アルベルトの教育係である。

「あなたが魔物と通じているのだと誤解されれば公爵家の立場も危うくなるとわからないのですか?」

「おや?もう通じているも当然だろう。私が今までしたことを貴族たちが知れば間違いなく卒倒するものが出てこような?」

「魔物から国民を守るために魔物と交渉したと、そう聞いております。あくまでも敵対関係にあるのだと。」

「、、、、、」

 沈黙の睨み合いが続く中馬車はアルデン村に到着した。
 リアーナが外から馬車の扉を開くと質素な服装のアルベルト、ダリア、ガティネが1人ずつ降りていく。

「公女、アルデン村担当の騎士から歓迎の意とご挨拶を預かっております。」

「あぁ、今日はお忍びだからな。私の前に現れないのは賢い選択だ。後で褒めてやってくれ。」

「お優しい心遣い感謝致します。それと、騎士からこちらも預かっております。」

 ダリアはリアーナから小さな紙を受け取ると読み始めるや否や口の端をニヤリと上げる。

「ちょうどいいな、ガティネ殿。貴殿への特別校外学習もできそうだ。」

 ダリアの不敵な笑みにガティネは悪寒を感じながら後を付いて行った。

 一方アルベルトは村の中を熱心に観察していた。

「穀物がやせ細っている。だが量は生産でき始めているのか、、、、それに肉やが見当たらないな。」

 アルベルトの疑問にダリアが丁寧に答えていく。

「土のせいだな。魔物の血と人間の血が染み込んでしまっていて上手く育たないんだ。」

「解決策はあるのか?」

「土を定期的に入れかれるしかないだろうね。」

「しかし、思った以上に村人は健康そうだ。騎士団が物資援助を?」

「最初はね、でも今は魔物が森で狩った魔獣や獣の肉を融通してくれている。ほら、試しに。」

 そう言うとダリアはひとつの屋台で肉の串刺しを購入し2人に手渡す。
 口に入れた途端肉の旨みが広がり噛みごたえも十分ある肉に驚いていた。

「上手いな、こんな肉どこで仕入れたんだい?」

 ダリアが店主に問うと店主は満足気に答える。

「この肉かい?あぁ!これは友人から仕入れたんだ!上手いだろう?」

「ここは魔物との交流があると聞いた、もしかして、、、」

ダリアは意地悪っぽく言うと店主が頭をかきながら小声で言う。

「まいったな、、、あんまりでかい声では言えないがこの村は魔物と共存している。なんなら今は魔物たちに助けられているくらいだ。」

「そんな!この村は魔物による襲撃を受けたと聞きます!あなた達にとって憎い存在でしょう?」

ガティナが声を荒らげると店主が呆れたように反論する。

「あ?俺たちを襲ったのは理性のない魔獣や魔物たちだ。それに襲撃を止めてくれたのはアストルム騎士団と魔物の騎士たちだぞ?アストルム騎士団 団長のダリア様がそう説明してくれたんだ!実際に理性のない魔物を見せてな。それに聞いたところによると人間だって静かに暮らしている魔物の村を襲ってるそうじゃないか。同じ人間として恥ずかしいぜ!」

「ありがとう店主、こんな上手い肉が食べられるのもその方々のおかげだな。」

「おうよ!この村はどんどん復活していくからな!また来てくれ!」


その場を離れた3人は店主の言葉について各々考えていた。

「し、信じられない。一体あなたは彼らになんと言って丸込めたのですか!」

ガティナが苦渋の表情でダリアに問いかけるが当の本人はケロッとした表情で淡々と答えた。

「何も手を打たない神殿や王国騎士の言葉と実際に助けに飛んできたアストルム騎士団と魔物の騎士たち、どちらの言葉を信じるかは考えるまでも無いだろう?」







𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌


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