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大地震
本がスキルに
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20XX年八月夕方16時、東京のあるアパート。
俺は本に囲まれて暮らしている。
小説に図鑑、漫画本に雑誌などいろいろな本が好きだ。
仕事もしている、本とは関係ない仕事だが給料と少しのボーナスが出るから働いてられる。
まぁ。全て本に費やす人生も悪くない。
もう趣味というより人生そのものだからな。
そんな本に押しつぶされて死ぬのはしょうがない、本棚を買ってもすぐ一杯になるので平積みしていたのが倒れてきたのだ。
「ゔぅー」
声は出るから今のうちに助けて貰えばいいのだが、最近は惰性で本を読んでいる気がする。
やはり面白いと思う本にあってないからだな。
はっきり言って最近の本はダメだ。
俺の心に響かない。
だからこのまま死んでしまおう。
『死の淵を検知、スキルの授与を行います』
突然耳に聞こえたこの声は?
『スキル授与完了』
まさかな?
「ゔぅ……ステータス」
ーーー
本願寺時人 36歳
レベル1 職業 読者
スキル 発現
ユニーク 本
ーーー
で、出た!い、生きないと!
と体に大量に乗っている本をどかしていく。
こんな展開待っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ユニークが本?どう言うことだ?
とりあえず近くにあった本を読むと思い出す。
『簡単たった3分で貴方も少林寺拳法ができる』と言う本だ。
「『発現』」
型通りに動くと、“シュッシュボッ”と普段言わない様な音が出る。
ならこっちはどうだ?
ファンタジーの『収納頼りで生き抜いていきます』と収納が大活躍する本だな。
「『発現』」
本がなくなり俺の中に本があるのがわかる。
す、すごいぞこれ!
「収納なんてどうしたらいいんだ?」
と一冊の本、さっきのファンタジーの本が出てきたので読んでみる。
あぁ、そういえば収納から出せるんだったな。
「は、ハハッ、『死にかけたらステータスが発現した件について』、だな」
それもこれチートだな。
んじゃ、サクッと色々叶えなきゃな。
えーとスポーツして痩せないといけない。
と“シュン“と本が出てくると、『簡単に痩せる本』と言うタイトルだった。
まずは3キロ走る?無理だろ?
「『発現』してみるか?」
すると身体が勝手に動いて行く。
「え、うお、3キロ走るなんて今の俺じゃ無理だよ!」
部屋を出て靴を履いて走り出す。
や、やめてええええ。
ドタドタと街中を走り、変な目で見られるが、何とか公園にたどり着いたらちょうど3キロなのか体が動くな。
「うぉえ、さ、3キロ走ったな」
“シュン”とペットボトルの水が出てきたので飲んでいく、
「ぷはぁ、うまいなこの水」
と、『簡単に痩せる本』を読むと今度は腕立てらしくまた勝手に始まってしまった。しかもこの後スクワットじゃないか!
これをなんとかやり切った。
じ、地獄だ。
足がカクカクしてスクワットが終わり、
や、やっと終わったぁ
これ毎日になるとかじゃないだろうな?
か、回復系の本は、『回復をレベルアップさせてあいつらに逆襲してやる』と言う本。
“シュン”と出てくるファンタジーの本。
あ、これは回復魔法で成り上がっていく本。
「発現」
あぁ、回復も一番下からか。
これも練習しないとな。
「な、なんとか家に帰り着いたぞ」
足はガクガクで財布も持ってないから水も買えない。
と、取り敢えずビールを、と思ったら部屋の中のものがなくなっていて、もしかして中の物全てを収納してる?
えっ!てことは財布は、“シュン”と出てきた。
俺の心は折れた。
とりあえず冷蔵庫なんかを出す前にゴミを片付けてしまおうと思ったがゴミも収納の中か!
とりあえず冷蔵庫、ベッド、テーブル、椅子、テレビ、などを取り出して配置する。
明日がゴミの日で良かった。
ゴミ袋を出してゴミをその中に出す。
部屋の埃など全てのゴミがその中に入っているので、
「う、く、くせぇ」
取り敢えず縛って収納に入れておく。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
窓を開けて換気をし、なんとか気持ち悪さは治ったな。
とりあえずビールで喉を潤したら、汗だくだからシャワーを浴びてスッキリする。
頭を拭きながらここが2LDKの部屋だと久しぶりに思ったな。
それほど本があったってことだ。
ジャージに着替えると腹が鳴る。
腹が減ったから料理の本をと思ったら『いつでももてなしパーティー料理』が出て来たのでとりあえず何でもいいから『発現』と言うと勝手に体が動いて料理を冷蔵庫のあるもので作る。
「いや、こんなに食えねーって!」
途中から量がおかしいと思ったんだが、1人分でいいんだよ!
はぁ、今週は同じメニューか。
「いただきます」
う、うまっ!これは料理本だからその人の料理になってるのか?味付けが絶妙で美味いな!
まぁ、明日も休みだからゆっくり本でも読んで寝るかな。
積み本してたのを収納から出して読んでいく。
知らぬ間に寝てた様だ。
「フッフッフッフッ」
ん?なんでこんなに苦しいんだ。
目を開けるとまだ薄暗い中、俺は走っていた。
えー!じ、自動的にダイエット?
それが終わるとやはりまだ朝の早い時間から腕立てが始まり、スクワットをして終わる。
「はぁ、はぁ、はぁ、ひぃ、」
も、もう動けない……これ、どうにかならんのかな?
まだ人の少ない街を歩いて、どうにか家に帰ってくると、筋肉痛であちこちが痛い。
か、回復!
回復量が少ない!!
本に忠実なのは凄いけど凄くない。
なんとかシャワーを浴びて、スッキリしたのでゴミ出しをして、ビールを飲みながら本を読む。
今読んでるのは『召喚者、みんなから外れスキルと言われたが、本当は放逐されるためにワザと弱いふりをしている最強のチート持ち』と言う最初から中身がわかって読んでるファンタジーだ。
なぜか読んでしまうこっち系の本。
昼前には読み終えると「発現」してしまう。
「ステータス」
ーーー
本願寺時人 36歳
レベル1 職業 読者
スキル 発現 少林寺拳法 ダイエット 回復(弱) 料理 鑑定 隠蔽 全魔法 全戦術
ユニーク 本 収納
ーーー
イヤイヤおかしいでしょ?全魔法に全戦術って!
それにしても今まで『発現』したものはスキルやユニークに、はいってるからいつでも使えるわけか。
俺は本に囲まれて暮らしている。
小説に図鑑、漫画本に雑誌などいろいろな本が好きだ。
仕事もしている、本とは関係ない仕事だが給料と少しのボーナスが出るから働いてられる。
まぁ。全て本に費やす人生も悪くない。
もう趣味というより人生そのものだからな。
そんな本に押しつぶされて死ぬのはしょうがない、本棚を買ってもすぐ一杯になるので平積みしていたのが倒れてきたのだ。
「ゔぅー」
声は出るから今のうちに助けて貰えばいいのだが、最近は惰性で本を読んでいる気がする。
やはり面白いと思う本にあってないからだな。
はっきり言って最近の本はダメだ。
俺の心に響かない。
だからこのまま死んでしまおう。
『死の淵を検知、スキルの授与を行います』
突然耳に聞こえたこの声は?
『スキル授与完了』
まさかな?
「ゔぅ……ステータス」
ーーー
本願寺時人 36歳
レベル1 職業 読者
スキル 発現
ユニーク 本
ーーー
で、出た!い、生きないと!
と体に大量に乗っている本をどかしていく。
こんな展開待っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ユニークが本?どう言うことだ?
とりあえず近くにあった本を読むと思い出す。
『簡単たった3分で貴方も少林寺拳法ができる』と言う本だ。
「『発現』」
型通りに動くと、“シュッシュボッ”と普段言わない様な音が出る。
ならこっちはどうだ?
ファンタジーの『収納頼りで生き抜いていきます』と収納が大活躍する本だな。
「『発現』」
本がなくなり俺の中に本があるのがわかる。
す、すごいぞこれ!
「収納なんてどうしたらいいんだ?」
と一冊の本、さっきのファンタジーの本が出てきたので読んでみる。
あぁ、そういえば収納から出せるんだったな。
「は、ハハッ、『死にかけたらステータスが発現した件について』、だな」
それもこれチートだな。
んじゃ、サクッと色々叶えなきゃな。
えーとスポーツして痩せないといけない。
と“シュン“と本が出てくると、『簡単に痩せる本』と言うタイトルだった。
まずは3キロ走る?無理だろ?
「『発現』してみるか?」
すると身体が勝手に動いて行く。
「え、うお、3キロ走るなんて今の俺じゃ無理だよ!」
部屋を出て靴を履いて走り出す。
や、やめてええええ。
ドタドタと街中を走り、変な目で見られるが、何とか公園にたどり着いたらちょうど3キロなのか体が動くな。
「うぉえ、さ、3キロ走ったな」
“シュン”とペットボトルの水が出てきたので飲んでいく、
「ぷはぁ、うまいなこの水」
と、『簡単に痩せる本』を読むと今度は腕立てらしくまた勝手に始まってしまった。しかもこの後スクワットじゃないか!
これをなんとかやり切った。
じ、地獄だ。
足がカクカクしてスクワットが終わり、
や、やっと終わったぁ
これ毎日になるとかじゃないだろうな?
か、回復系の本は、『回復をレベルアップさせてあいつらに逆襲してやる』と言う本。
“シュン”と出てくるファンタジーの本。
あ、これは回復魔法で成り上がっていく本。
「発現」
あぁ、回復も一番下からか。
これも練習しないとな。
「な、なんとか家に帰り着いたぞ」
足はガクガクで財布も持ってないから水も買えない。
と、取り敢えずビールを、と思ったら部屋の中のものがなくなっていて、もしかして中の物全てを収納してる?
えっ!てことは財布は、“シュン”と出てきた。
俺の心は折れた。
とりあえず冷蔵庫なんかを出す前にゴミを片付けてしまおうと思ったがゴミも収納の中か!
とりあえず冷蔵庫、ベッド、テーブル、椅子、テレビ、などを取り出して配置する。
明日がゴミの日で良かった。
ゴミ袋を出してゴミをその中に出す。
部屋の埃など全てのゴミがその中に入っているので、
「う、く、くせぇ」
取り敢えず縛って収納に入れておく。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
窓を開けて換気をし、なんとか気持ち悪さは治ったな。
とりあえずビールで喉を潤したら、汗だくだからシャワーを浴びてスッキリする。
頭を拭きながらここが2LDKの部屋だと久しぶりに思ったな。
それほど本があったってことだ。
ジャージに着替えると腹が鳴る。
腹が減ったから料理の本をと思ったら『いつでももてなしパーティー料理』が出て来たのでとりあえず何でもいいから『発現』と言うと勝手に体が動いて料理を冷蔵庫のあるもので作る。
「いや、こんなに食えねーって!」
途中から量がおかしいと思ったんだが、1人分でいいんだよ!
はぁ、今週は同じメニューか。
「いただきます」
う、うまっ!これは料理本だからその人の料理になってるのか?味付けが絶妙で美味いな!
まぁ、明日も休みだからゆっくり本でも読んで寝るかな。
積み本してたのを収納から出して読んでいく。
知らぬ間に寝てた様だ。
「フッフッフッフッ」
ん?なんでこんなに苦しいんだ。
目を開けるとまだ薄暗い中、俺は走っていた。
えー!じ、自動的にダイエット?
それが終わるとやはりまだ朝の早い時間から腕立てが始まり、スクワットをして終わる。
「はぁ、はぁ、はぁ、ひぃ、」
も、もう動けない……これ、どうにかならんのかな?
まだ人の少ない街を歩いて、どうにか家に帰ってくると、筋肉痛であちこちが痛い。
か、回復!
回復量が少ない!!
本に忠実なのは凄いけど凄くない。
なんとかシャワーを浴びて、スッキリしたのでゴミ出しをして、ビールを飲みながら本を読む。
今読んでるのは『召喚者、みんなから外れスキルと言われたが、本当は放逐されるためにワザと弱いふりをしている最強のチート持ち』と言う最初から中身がわかって読んでるファンタジーだ。
なぜか読んでしまうこっち系の本。
昼前には読み終えると「発現」してしまう。
「ステータス」
ーーー
本願寺時人 36歳
レベル1 職業 読者
スキル 発現 少林寺拳法 ダイエット 回復(弱) 料理 鑑定 隠蔽 全魔法 全戦術
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