おっさん、本でチートスキルを得る

盾乃あに

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大地震

ダイエット

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 まだ今日は休みなので買い出しに行く。
 昨日の料理で冷蔵庫がすっからかんになってしまったからな。
 筋肉痛を我慢して買い物に行く。
 同じ料理が大量に残っているが、同じものを食いたいとは思わない。
  
 今回はいろんなものを買ったので料理が豪華になるだろうな。
 それに水分補給に経口補水液を大量買いして収納に入れてあるからダイエット中でも大丈夫。

 てかあの時間からするのは仕事にギリギリ間に合う時間か!
 くそ、なんか負けた気がするな。

 それにまた本を買ってしまった。今度は胡散臭い『錬金術で世界を牛耳る』や『俺だけダンジョンに入れる件について』など10冊だ。

 衝動買いも辞めないといけないなぁ。

 家に帰ると料理を始める!
 1人分と決めれば1人分のはず!
 はい無理ぃー!何人分の量だよ!材料あるだけ使ってんじゃねーか!
 はぁ、これも冷蔵庫に入れていくしかないな。
 今週は『家庭の味、隠し味に愛情カレー』と『フランス料理フルコース(フルには足りなかった)』を交互に食わないといけないじゃないか!
 味は……美味いけど。
 食べ終わるとまたビールを飲みながら本を開く。
 まぁ、短歌集だから物思いに耽るのにちょうどいい。

 あぁ、いい読後感。

 これこれ!俺が求めているのは!読んだ後にまた話したくなる様な本!今回の本は良かったな。

 と眠くなってきたのでスポーツウェア、と言ってもジャージにTシャツだが、着替えて眠る。


「フッフッフッフッ」
 目を開けるとやっぱり走っている。
 外は薄暗いな。
 鍵はかけたのか?と言うより昨日より疲れてないな。

 あ、うそ!身体が勝手に足を上げていき、負荷をかけだした。

「はぁ、うぇ、はぁ、はぁ、」
 経口補水液を飲み干すと今度は腕立て、スクワット、足がカクカクしてるのに家まで帰りつくと、スーツに着替えて電車に乗る。

 く、苦行だ。

 会社に着くとカードを通して自分の席に座る。
 ふぅ、2日休みなんて久しぶりだったからな。
 さて!やるか!

 と営業は惨敗。
 今日はみなさん忙しい様で話も聞いてもらえない。
 あ、たしか、あったな。『口八丁手八丁』、この本を『発現』!
 よし!つぎだ!
「こんにちわ!黒田商事ですぅ」
 と元気よく入って行く。
「悪いが今忙しくてな」
「お困りごとですか?なんなら手伝いますよ」
「いや、営業がやれることなんて」
 と設備の前で四苦八苦しているが、
「あ、多分ここですね」
 と設備の前でしゃがんで本の知識で見たことある部分を指摘する。
「わかるのか!」
「はい!では少し工具をお借りして」
 と本の知識で直してしまった。
「おぉ、動くぞ!」
「あはは、齧った程度ですがなんとかなって良かったです」
 本の知識をフル活用だ。
「では、改めてまた」
「いや、今日は助かった、話を聞こう」
「え!本当ですか!」

 と高級コピー機が売れて大満足だ!
 この調子で後2件も頑張るぞ!

 と今日だけで一番高いコピー機が3台も売れたので、課長からもお褒めの言葉をいただき、早く帰れる。

 うん、これはもうチートだな。

 電車に揺られ家に帰ると料理をチンする。
 まぁ、昨日食べたがまだ食えるな。
 これが大量に作ると後が楽になると言うことか。
 洗い物も少ないし、あ、洗濯は別だな。
 洗濯機を回しながら、違うジャージとTシャツでベッドにごろ寝をして、本を読む。

 今日は幸せだなぁ。

「フッフッフッフッ」
 あ、寝てた様だな、これで4日目だ。
 待て待て、まだそっちは早い!
 坂を登り3キロから5キロになったマラソン。
「ひぃ、はぁ、おぇ、はぁ、はぁ、」
 飲み物はたくさんあるけど、飲める状態じゃない。
 と腕立て、スクワットに腹筋が加わり尋常じゃないほどの筋肉痛。
「か、回復」
 すると疲れが一瞬でなくなる。
「え?あ、全魔法が回復(弱)を飲み込んだな」
 ステータスを見ると回復(弱)がなくなっている。

 これは良かったな!
「よし、家まで走るか」
 ときた道を戻り、『回復』してついでに『クリーン』で綺麗にすると飯を食べる。
 綺麗になったが、ジャージを脱ぎ捨てパンツ一丁でテレビを見ながら飯を食う。
 いつもならギリギリに起きて飯も食わずに会社に行ってたんだがな。

 少し早いが着替えて出社すると、俺のデスクが荒らされている。
「はぁ、またかよ」
 前も俺が売ったコピー機のデータを盗んで自分の手柄にした佐伯の仕業だな?
「まぁ、もうそんなドジは踏まないけどな」
 収納に入れておけばいいだけだからな!
 コピー機なんてそんなに売れない。
 だから売れた時は最高の気分だ。
 それを掠め取られていいわけないだろ!
「そこ!お前が犯人なのはわかってるんだぞ?」
 と角を指差し声を出すと、
「く、ならいいや、豚野郎、さっさと渡せ!」
「ヒュッ」
“ゴッ”と俺の少林寺拳法が火を吹いた。
「いつつ、ぼ、暴力だぞ!」
「俺は俺の尊厳を守っただけだ」
 とレコーダーを取り出す。
「ふ、ふざけるな!こんなことあっていいわけないだろ!」
「お前の言い訳はそれで終わりか?」
 佐伯は震えているが、
「す、すいませんでした」
「いや、謝らなくていいぞ?他にも余罪がありそうだからこれは上に報告する」
「そ、それだけは!」
 と頭を下げるが、
「むーりー」
 と言って俺のデスクを片付けて、課長が来るまで待つ。
「課長おはようございます。これを聞いてもらえますか?」
「なんだ朝から?」
 聞いた課長は佐伯を呼びつけ余罪がないか調べるそうだ。

「めでたし、めでたし」
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