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大地震
未来
しおりを挟むギルド内、
「なんやなんや、えらい騒ぎやな」
オトが下に降りてくる。
「お、俺に売ってください!頑張りますので!」
「ちがう、俺です!酒もらった恩を返したいんす」
と男2人が俺に戯れてくる。
「わかった、選べよ」
「やった!」
「これで俺たちも強くなるっす」
とギルドに売りに来たのは異世界ショップで買った剣や槍などの武器だ。
しょうがないから2人にはやることにした。
「おし!俺らも頑張るっす!」
「5年後には見ててください!」
「ちょっと待て、これもやる」
と革鎧を2人に渡す。
「あ、兄貴!俺頑張りますから」
「だな!頑張ります」
誰が兄貴だ!まぁいいか。
「おう!お前らがんばれよ!」
「「はい!」」
と言って出て行く2人。
「何?武器?へぇ、結構いい武器やないの」
「これを売りに来たのはああ言う奴らが今後を左右すると思ってな!」
「へぇ、策士やなぁ」
と言って剣を一つ取ると鞘から出す。
「綺麗な剣だ!俺にピッタリ」
「おい、金は払えよ?」
「ん?金?日本円でいいのか?」
「おう、それだと一万円でいいぞ」
「よし買った!こんな中で日本円なんか腹の足しにならへんからな」
と一万円を俺に渡す。
「と言うわけでこれを日本円で買ってくれるか?」
ギルドの受付に出すと、
「は、はい!今から上に行って来ます!」
と上に行く受付嬢。
「お、ガイ!剣が売っとるで?」
「ん?何!なぜだ?いくらだ?」
ガイが来たので、
「あーこれはギルドに買ってもらうからそこから買えばいいぞ?」
と言うとオトが、
「これ、俺の剣!綺麗なもんや」
と見せつけると、
「ぬぅ、俺にも見せてくれるか!」
とガイも大剣を見ている。
「さすがですね。今足りないのは武器防具、そしてやる気のある若者です」
と丸山執行人が降りて来た。
「さて、これだけの武器をいくらで売りに来たんですか?」
「んー、200万くらい?」
「買った!武器は揃いましたが防具が」
「ちょっとどかしてくれ……これでいいか?」
俺は革鎧を数体だす。
「ほ、ほう、これは『フィット』が付与されてる革鎧ですか?」
「『フィット』なしだとつけるのに苦労するだろ?」
「これはいくらで?」
「んー、これは300万でいいかな?」
「買った!これで300万は安いですよ!」
と丸山が興奮している。
まぁ、異世界ショップでいくらでも手に入るしこれなら下層にも耐えてくれるだろう。
「じゃあ。全部で500万です」
「おう、受け取った!」
と金を受け取ると、
「さぁ、ガイもオトも何してるんですか!これから会議してこの武器防具をどうするか決めますよ!」
「ちょ、まってーな!俺も欲しいねん」
「俺もこの大剣と……」
「職員はこれを倉庫に移しなさい!」
「「「はい」」」
と言って動き出すギルド。
いい潤滑剤になれば、これからこのギルドは動き出すだろうな。
「あ、本願寺さん、ちょっといいですか?」
「?なんだ?」
「少し2人で話がしたいです」
「はぁ、まあいいぞ」
とみんなを帰して執行人の部屋に行く。
「あなたに頼みがあります」
「なんだ?」
「あなたの武器防具、あと物資の調達。スキルが関係してますね?」
「……まぁ、な」
「良かった、ではここで見せていただきたい!」
「はぁ、まぁいいぞ?どっちだ?」
「どちらからでも構いません!お代は払いますので」
ということで、丸山に見せると丸山の部屋は段ボールだらけになった。
「私の私財で一億あります。足りますか?」
「あぁ、足りるだろ」
「よかった!これでこのギルドが本部を名乗るに相応しくなります」
と真面目な丸山に免じてプレゼントだ。
「……これは俺からだ」
小さな段ボールが落ちて来て丸山がキャッチする。
「これは?」
「マジックポーチだ、執行人も色々物入りだからな?」
「あ、ありがとうございます!」
「じゃーな!」
と扉を開けるとガイとオトが倒れてくる。
「こら、聞き耳たててたのか!」
と叫ぶ丸山。
「ずっこいで!ひとりだけこんな!」
「そ、そうだ!」
「はぁ、お前らにもやるよ」
とマジックポーチを二つ買うと、
「やった!ほんまおおきに!」
「うぉぉぉ!ありがとう」
と要らぬ散財をしてしまったが、まぁいいだろう。
下に降りて行くとシックスが待っていた。
『5年後に間に合いますか?』
「間に合わないことはないだろ?俺がいる!」
『そうですね』
とシックスと喋りながらみんながいるビジネスホテルに帰る。
ホテルの自室から外を眺めていると、やはりギルドに行く人が増えている。
5年後のこともあるが、武器防具を求めて行く人が増えたのだろう。
自衛できなければ死ぬ。
生きてる人間は必ず自分でどうにかしないといけないからな。
それが子供であっても守ってやれる大人がいなきゃ行けないんだから、先が思いやられるが。
だが今日の2人やガイやオトも強くなるはず。
だから今は皆に未来を見せられた気がした。
俺たちが勝つ未来を。
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