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大地震
守る街
しおりを挟む「いやっほー!」
「気持ちいい!」
俺は『軍用車両図鑑』からハンヴィーという車を『発現』させて運転している。
少し遠出をしてほかのギルドにも行きたいと思って北にある街に向かって動いている。
『あと一キロです』
「んじゃ降りるか」
と、降りて収納する。
「あーぁ、せっかくの車だったのに」
「かっこよかったですね」
「んー!すき!」
最近ダイヤが抱きついてくるし、離れない。
「それにしても道はまだ通れそうなのに車は走ってないわね」
そうなのだ、ここは埼玉で津波の影響はないはずだが?
「見えたな、なんだあれ?」
「車で防壁を作ってる?」
近くに寄って行くと高い壁になっているようだ。
「おう。兄ちゃん達も避難しに来たのか?」
「いや。旅の途中だ」
「そうか、ここは安全だからな!安心して中に入りな」
と言われてもなぁ、厚さは2メートルくらいの壁が車のスクラップなどで作られている。
「なぁ、ギルドはあるか?」
「あっちにあるぞ」
と街の人も普通だな。
マップで見るとダンジョンは無数にあるので潰していないようだ。
ギルドに入ると、何やら会議をしている様だな。
「五年後にはここは完成する!」
「いや、だけどダンジョンはあちこちにあるから潰さないと!」
「そんなことに人手は回せないぞ?やるなら1人でやるんだな」
「は?ここだけモンスターから守れればいいのか?」
「そうだ。この中でモンスターがいなくなるまで待てばいいんだ」
と話がよく見えないが、子供が対立している。
「ギルド本部から来たものだがなぜダンジョンを潰さない?」
「あ、いや、その」
「みんな弱いからさ!ハハッ!なっさけねぇ!」
と子供から言われている。
「こら。カムイ」
「本当のことだろう!街を守るだけでこっちから動かないとここはもう終わりなんだよ」
はぁ、自分だけ助かればいいって連中が多いんだな。
「ここらのダンジョンくらい潰せないのか?」
「あ、あんたらが潰してくれよ」
「こっちは俺以外女性だが?」
こいつは本当に自分から動かないんだな。
「ここまで来れたんだろ?だったら」
“ドンッ”とだしたのはハンヴィー。
「こいつでここまで来たんだが?」
「な、じゃあ、何のために来たんだよ!」
ハンヴィーを収納すると、
「はぁ、ギルド本部からも連絡が来たはずだが?それを見に来たらこれかよ」
まぁ、自分から動けない奴もいるか。
「モノリスには触ったんだろ?」
「あぁ、触った」
「じゃあ、剣を取れよ!守ってるだけじゃ五年後にはここは終わるぞ?」
「そうだよ!当たり前じゃないか!」
カムイだったか?この子だけだな。
他の奴らは心を閉ざしている。
「う、ウルセェ!そんなにモンスターが倒したけりゃそいつだけでやればいいだろ!」
とここのギルド長の様な奴が言う。
「カムイと言ったよな?一緒に来るか?」
「行きたいけど、母ちゃんが病気なんだ」
「よし。お前の母さんのとこに行こう。案内してくれ」
「うん」
と言って外に出るとギルドのドアは“バタンッ”と閉められた。
どこまでもイラつかせてくれる。
「こっちだよ」
「あぁ、今行く」
街の中は綺麗なもんだがヒビが大きく入った建物など地震の影響はあるようだな。
「こんなとこで何もせずに死ぬのは嫌だなー」
「こら、そんなこと言わないの!」
サオリが言う通りだがサヤカが怒る。
「最初は誰も怖いものでしょ?」
まぁ。言うことはわかるし守ろうとするほうが先に来るかもな。
「ここだよ、母ちゃん、入るよ」
「失礼します」
とビルの一室に入って行くと痩せて生きてるのが不思議なほどの女性が窓を見ていた。
「カムイとどちら様?」
「失礼しますね、『エクストラヒール』」
苦しかっただろう、これで治る。
「ギルド本部の方から来た冒険者です。いまお母様に魔法で治療をさせていただきました」
「あ、そういえば、胸が苦しくないわ」
“グキュルルル”
「失礼しました」
「いえ、お腹も減ったでしょう、お粥を作りますので食べてください」
久しぶりに『男の1人飯』の出番だ。
お粥を作るとペロリと平らげるカムイの母さん。
「あ、ありがとう!」
「いや、カムイがあそこで頑張ってたからな!」
「他に怪我人は?」
「あっちにいるよ!みんな怪我人はほったらかしなんだ!」
「くそ、よし、治しに行くぞ」
と連れてこられた場所には並べられたびょうにんや怪我人がうめいている。看護士が懸命に処置をしているな。
「『エリアヒール』」
「カムイ、治ってない患者がいないか見て来てくれ」
「わかった!」
と小さな体で動き回り「こっち!」と言って教えてくれる。
「全員治った様だな!」
「あ、ありがとうございます」
「いや、君もお疲れ様!」
「は、はい」
と涙を流す。
「これで、みんなの腹を満たす料理を作ろうか」
「手伝うよ」
「おう、んじゃあ」
と手伝ってくれるみんなと一緒に料理を作る。
完全に治ったがまだ体力が戻ってないだろうしな。
「ゆっくり食べて」
「そうそう、美味しいですか?」
とみんなで手分けして食べさせる。
その中にはギルド長と名乗る人もいた。
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