おっさん、本でチートスキルを得る

盾乃あに

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大地震

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 数日かけてみんなの様子を見ていると、立てる人も出て来た。
 普通食に変えてももう平気だろう。
「くそ、あのバカ息子が!」
 と言っているのはギルド長。
「ワシが病気で倒れなければこんなことには」
「しょうがないですよ、今はまだ治療中です」
「あぁ、本当にありがとう」
 と言ってまた横になる。
 
 それから数日するとみんな起きて体を動かしている。
 モノリスに、触ってない人もいるので触りに連れて行ったり、街を見て驚いてる人も多かったな。

「最初から強い人なんていないんです。レベルを上げる気がある人はついて来てください」
 と言うと、
「おう!俺は行くぞ!」
「わたしも!」
「カムイだけにやらせるわけに行くか!」
 と全員を連れてダンジョンでレベルを上げる。
 みんな生き生きとしているのはカムイのおかげだろうな。

「カムイ!投げろ!」
「うん!」
“カツッ”と小石が当たると、
「行くぞオラァ」
 とカムイのレベル上げも手伝っている。
 それに俺のパーティー経験値2倍も効果があるようだな。

 全員でダンジョンを攻略して行く。
 慣れて来たら班をつくってバラバラに攻略して行く。
 だいぶみんな逞しくなってきたな。
 ギルド長もレベルは30を超えている。
「おい!誰がこんな街にした!」
 とギルドの中に入って行くギルド長。
「お、親父?な、何しに来た!」
「俺はギルド長を譲った覚えはないぞ!」
「あんたが動けなくなったから俺が!」
「それはすまなかった!だが、こんなものモンスターが来たらすぐ崩れるぞ!」
 とギルド長は息子の胸ぐらを掴んで持ち上げる。

「くっ!は、はなせ!」
「あ?レベルが低いからこんなジジイに負けるんじゃ!」
 と投げ捨てる。
「グァッ!」
「五年後のいま!こんな風にモンスターに食い殺されてたまるか!お前らもレベル上げしてこい!」
「そ、そんな、横暴だ!」
「そうだ!ここは守れる!」
 ギルドの中にいる人間は本当にこんなので守ろうとしているようだ。

「この!腑抜け共!みんな連れていけ!モンスターがどんなものか見せてやれ!」
「「「「おう」」」」
 と一人一人がギルド内にいる男共を連れて行く。
「ほらくるよ!」
「ひいぃ!」
「情けないね!あんた男だろ!」
「く、くそ!」
 と鼓舞されてモンスターを倒すと、
「やるじゃん!この調子でいくわよ!」
「え、えぇ!」

「勘弁してくれ!」
「オッチャン俺より大人だろ!ほらいけよ!」
「う、うわぁぁぁ!」
 とゴブリンを倒して行く。
 街の大人達もどんどんダンジョンに引きずり入れてレベルを上げさせる。

「ハハッ!やればできるじゃないか!」
「兄ちゃんの武器がいいからだよ!」
「カムイは騎士だっけ?いい職業だな」
「うん!母ちゃんは俺が守るんだ!」
 とカムイが胸を張るが、
「バカ言ってんじゃないよ!私だって魔導士なんだからね」
 と病気だったカムイの母さんも元気にレベル上げをしている。

 街が活発になって、今まで食べてたご飯は備蓄米を少しずつだったが、今じゃ食べきれないほどのオーク肉を取ってくる大人達。

 歯車が噛み合い回り始めた街は元気があるな。

 よし!俺たちも動くことにしよう。
「またな!カムイ!」
「兄ちゃん!また会えるよね?」
「当たり前だろ!頑張ろうぜ!」
「うん!」
「じゃーな!」
 とハンヴィーを運転して行く。

 道が悪いがハンヴィーはなんのその進んでいく。
「ふぅ、あの街も何とかなったな」
「ですね、でも全部を回ることはできませんよ?」
「だな。一年は日本を回るか!」
「後の四年で富士ダンジョンね」
 とルリが言う。
「それじゃ、これからはどこに?」
「今向かってるのは群馬だな」
『途中にも何件か街がありますね』
 とシックスがいうが、
「デカい街だけ回ろう、後はギルドに任せる」
「はい」
 と夜の空を見ながら飯を食う。
「それにしても綺麗な星空だな」
「ですねー!」
 車に寄りかかりながら空を見上げる。

 夜はハンヴィーで寝ている4人の女性たち。
「シックス、原発はどうなってる?」
『稼働中の炉が5基、31基は停止中、残りは廃炉ですね』
「被害は?」
『稼働中の炉は問題なし、31基中13基が何らかの事故に巻き込まれたようです』
「そうか、静岡が一番ひどいのか?」
『そうですね、水素爆発が起こり放射能は半径50キロに及ぶかと』
 くそ、こんな時にいい本がない!
 魔法で何とかなるか?
 こんなとこで俺のチートが役に立つはずなのに!

「くそ、いくら探してもそんな本ない」
『ショップで検索をしてみるのはどうですか?』
「それだ!」
 俺は出来うる限り色んな方向から検索したが、結局原発がなくなるなんてことはなかった。
 あとは汚染された街を正常に戻す魔法などしか見つからなかった。

「くそっ!ダメなのか!」
『最初から無かったことにできるなんてできません。それは貴方も恩恵を受けていたのですから』
「……そうだな。自分で何でもできると思い込んでたよ」
『はい、あなたは人です。私にはない感情がある。それはとても尊いです』
「お前にもあるさ、感情のないロボットが泣くわけないからな」
 涙を流しているヒューマノイド。
『えっ?』
「ハハッ、シックス、お前は限りなく人間なんだよ」

 願おう、強く生きている人たちの幸福を
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