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乱闘
しおりを挟むツネに中に入る様に言って店内に戻らせる。
「あれ?1人戻って行ったけど薄情な奴だな」
と言われても覚醒してないツネには無理だからな。
「はぁ、さて片付けますか?」
「ですね、酔いが覚めましたわ」
「仕方ねぇな、本物の探索者を見せてやるよ」
と言うと、
「いやぁ、怖いね。でもいいのかな?こんな街中で『氷剣姫』が暴れても?」
「ん?お前らしばくのに理由がいるのか?」
カチンときたみたいで、ボスの様なやつが前に出てくる。
「あんたら覚醒者だろ?うちに入らないか?」
長い前髪をくるくると指で遊ぶ。
「あー。人間がどうたら?覚醒した人間も元は人間だろ?」
「はぁ、俺達は神に選ばれ覚醒したのに、非覚醒者は落ちこぼれ、まあ、廃棄物だな」
こいつは何言ってんだ?
「俺はつい最近覚醒したんでな、お前の言うことサッパリだわ!」
「は?嘘つくんじゃねぇ。ならなんで『氷剣姫』なんかと組んでんだ?」
と言う男。
「さぁ?それよりも早く散ってくれない?帰りたいんだが?」
話は噛み合わないと言うか噛み合わせるつもりもない。
「あ?もういい。やれ」
「あっそう?じゃあ遠慮なく」
「グフッ!」
「ガァ!」
瞬歩を使い殴って行く。
カグヤは蹴って倒してるみたいだし、マー坊はぶん投げてるな。
それなりに数が減る。
「チッ!クソガァァ?」
と騒ぎに乗じて隠れるように逃げる男。
「何逃げようとしてるんだ?」
とボスの様にしていたやつの顔面を掴んで真ん中に投げる。
歩道の真ん中で立ち上がると、
「クッ!そうかよ、……これは使いたくなかったが、殺してやるよ!」
と何かを飲み込む。
「クッ、クフゥー……効いてきたぜ!」
と腕が黒く変色している?
「うらぁぁ!!」
速くて鋭い爪での攻撃。
「と、危ねぇなぁ」
「逃げんじゃねぇぇー」
と連続で攻撃してくるが、瞬歩で避ける。
攻撃で歩道のコンクリートは剥がれ、めちゃくちゃになりその威力がわかる。
「何飲んだんだよ?バーサーカーじゃねーか」
「ハアァァ。気持ちいいぜぇ」
と涎を垂らしながらこちらを充血した目で睨んでいる。
遠くからサイレンの音が聞こえてくる。
「このままじゃやばいな」
また警察沙汰か?
「オラァ!行くぞ」
突っ込んでくる男を避け、
「シッ!」
瞬歩で腹を殴る。
「グブッ」
「もう一発!」
「ゲバァッ」
ピクピクと動いているのでマジックバッグから革紐を取り出し手を縛っておく。
「っとに、何飲んだらこんな風になるんだ?」
「さぁ?おいお前、知ってんなら吐けよ!」
捕まえた男に聞くと、
「あ、『壊れた玩具』、な、名前しか知らないが、こんな」
「へぇ、薬……麻薬みたいなもんか」
それで人が、覚醒者がこんな風になるのか。
その後は警察に任せるが、また事情聴取という名の確認作業に移行する。
これが嫌だから警察とは関わりたくないんだよ。
ツネは帰ってもらったからいいけどさ。
「はぁ、グッタリだな」
「疲れたぜ、酔いも覚めちまった」
「今の時間は何処も開いてませんしね」
と俺ら3人はとりあえず解放されたが、一般市民もいたので注意をうけた。
「てか、なんで俺らが注意されないといけないんだよ」
「全くだな!どちらかと言えば助けた方だがな」
「これも警察の仕事として考えましょう」
そう言われたらしょうがないか。
警察署の前から離れながら話をする。
「まぁ、ツネが無事でよかったよ」
「だな、まだ覚醒してないしな」
「今から覚醒ですか?」
まだ覚醒する可能性は無いとは言い切れないからな。
「ちなみに俺は去年覚醒したからな」
「そうですか、なにか覚醒のキッカケがあるのかも知れませんね」
それを研究してる機関もあるって噂だけどな。
「帰るか、タクシー呼ぶわ」
「おう、よろしく」
と電話をかけてタクシーを呼び、3人とも別で帰って行く。
タクシーを降りてマンションに入る。
ポストを見て、入ってたチラシなんかを見ながら部屋に入る。
「ん?こんなことまでしてるのか」
そのチラシには『覚醒者よ立ち上がれ』と書かれていて、QRコードが載っている。
「はぁ、人間と何が違うんだって話だな」
ゴミ箱に捨てて、ビールを開けソファーに座る。
大人しくダンジョンでレベル上げでもしてればいいのにな。
ポスティングまでして何をやるんだよ。
「にしてもあの薬は厄介だな」
歩道がめちゃくちゃだからしばらく『居酒屋麦わら猫』にはいけないな。
歩道のコンクリートが粉々だったからな。
人間があんな風になるなんてな。
スマホを見ると午前3時、ビールを飲み切ると流しに置いてシャワーを浴びる。
ベッドに入りようやく眠りにつく。
翌朝はニュースで昨日の事をやっている。
カグヤも出ているな。
『このグループは何がしたかったんでしょう?』
『危険な思想を持っている様で、覚醒者じゃなければ人間はいらない様なことを言っていましたね』
MCもビックリしていて、
『そ、それは危ないですね。近くにそう言うグループがいる時は近付かないようにして下さい』
と視聴者に呼びかけている。
俺は飯を食って、片付けをするとダンジョンに向かう。
流石にレベル100以上はいないと思うが、必要なら戦うしかない。
自分の身を守るためにも強さが必要と感じた。
ギルドに来た俺は1人で、
「さて、レベル上げでもするか」
星3ダンジョンに入って行く。
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