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ツネ
しおりを挟む家に帰りテレビをつける。
やはり日本、それも東京を中心にして覚醒者の事件が増えているようだ。
次の日、ギルドに行きギルマスの堂本のところへ行く。
“コンコンコン”と扉を叩く。
「どうぞ」
「よぉ、昨日の件はどうだった?」
「あぁ、里見さんでしたか、警察には説明して薬も渡しました」
「そうか、動きそうか?」
「そうですね。『鑑定』持ちに見てもらい劇薬だという事が分かりましたし、機動隊が封鎖すると思いますが、どこまで封鎖するか検討している様ですね」
渋谷のどこかわかればいいんだが。
「そうか、なら俺らの出番はないな」
「一応、私達ギルドの精鋭もその日は渋谷に行く予定になりましたから」
「じゃあ、俺はゆっくりテレビでも見てようかな」
「あはは、そうしてください」
と話をして、ギルマスの部屋を出る。
俺は昨日は使ってなかった『オーバーナッツ』を使いに家に帰る。
とりあえず少し意識を失う様なことをカグヤが言ってたから、心配なので飯を食いトイレを済ませてベッドで『オーバーナッツ』を食べる。
…
……
………
「う…………あぁ、気を失ってたのか?」
スマホを見ると日曜の17時になっていた。
「ふっ!そうだ、アリスクラウンは?」
とテレビをつけるがとりあえずニュースにはなっていないようだ。
「ん?着信が……ツネか」
スマホに着信があり、ツネから1件ある。
すぐに電話を掛け直すと、長めのコールが不安になる。
「もしもし?どうした?」
『……イッ!……ルカか、アイツらが俺の……店の』
「な!おい!お前は大丈夫なのか!」
『ッッ、はぁ、死んではいないぞ……何とかな』
俺はスマホを切ると車に乗り込み『tortie』に向かう、渋滞もなくスピードを上げて走ったので10分で着くと、車を飛び降り窓ガラスの割れた店内に入る。
「ツネ!」
「こ、ここだ」
ツネのところに行くと、酷いやられ様で右腕が無くなっていた。血の気の引いた白い顔はツネが死ぬとこだったのを知る。
「ぉまっ!右腕はどこだ?」
「ウッ……たぶんそっちに」
見ると右腕は鉄の剣で壁に磔にされていた。
すぐにその剣を抜いて切られた腕を持ってツネを寝かせると、縛ってあった服を緩ませる。
「ウグッ…」
「我慢だ!」
右腕を合わせてエクストラポーションを飲ませる。
「ウグッ……ガァァッッ!」
「我慢しろ!」
腕を抑えて暴れるツネを見る。
「ァァ……ヴゥ、クソ痛かった」
と右腕を動かして見せるが白い顔をしている。
「よし!よかった!」
「……ありがとうな」
とグータッチをして、立てないようなので座らせる。
「ハハ……助けられたな」
「ダチだろ!当たり前だ」
「ァァ、いいダチを持ったが、これはどうするかだな」
「何があった?」
雇っていた探索者が2人ともグルになって、店の扉を開き、若い奴らが入ってきた。
客と従業員を裏口から外に逃し、ツネが1人残りスマホで俺に電話したが繋がらない。
ツネは抵抗したが、右腕を斬られて動けない間に店はボロボロにされ、飾ってあった属性剣と、他のミスリル製品も根こそぎ持って行かれたらしい。
「クソ、ヤバいな。武器を、それも俺の作った武器を調達しにきた様だ」
「どう言うことだ?」
「今日渋谷であの覚醒者至上主義のやつらが集まるらしい」
そんな奴らが武器を持ったら。
「おい!ヤバいぞ!ミスリルの武器なんて何に使うんだよ」
「だな、悪い予感しかしない。ツネは警察に連絡しろ!俺は行ってくる」
「分かった!気をつけろよ?」
車に乗り込みエンジンをかける。
ツネは無理して俺の方まで歩いてくるので、
「そうだ、これ渡しとく」
「これは?」
「エクストラポーションだ。ヤバい時は飲めよ?」
「あ、おい」
とツネにエクストラポーションを渡して、車を発進させる。
とりあえず渋谷に向かって行く。
渋谷に入ると途中のパーキングに車を停め、走ってスクランブル交差点へ。
「ここじゃないのか?」
センター街の方かもな。
人混みの中を走ってセンター街に行く。近付くにつれて大声が聞こえるので入って見ると、警察の機動隊と若い奴らが睨み合っていた。
「武器を捨て、投降しなさい!」
「は?ばかじゃねーの?これだから覚醒もしてないやつは」
「あはは、ばーか」
と警察は馬鹿にされている。
俺はひどく冷静で歩いて警察を横切ると、
「おい、お前ら武器はどうやって手に入れたんだ?」
「は?なんだお前?」
「ハハッ!今流行りの『tortie』製だ!お前も仲間になるか?」
「……バカ言うな」
と瞬歩で肘鉄を腹にぶち込むと派手に吹き飛ぶ男。
「……え?」
「お前もだな」
裏拳で顔を殴り飛ばす。
「な、なんだよ?何いきなりキレてんだ?」
「テメェらが襲った『tortie』は俺のダチの店だ!」
多分怒りに任せて人をぶん殴るのは初めてだと思う。
「おら、かかって来いよ!覚醒してない人間をいたぶるくらいなら俺が相手になってやる!」
とりあえず武器を持った奴らをぶん殴りながらミスリル製品を足で収納していく。
「お前らに使わせる武器なんてあの店には置いてねぇんだよ!」
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