合成師

盾乃あに

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アリスクラウン

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 俺にぶっ飛ばされるのが怖くて武器を置いて逃げる奴も出てきた。

「あれあれ?派手にやる前に何を逃げ出してますの」
 見ると逃げる男の顔を掴んでこっちに投げてくる男が1人。

 ショートボブの金髪でインナーカラーは赤にしている派手な服を着た男がこっちに歩いて来る。

「なんや?兄さんが1人かいな?警察は見とるだけで動かんもんやな」
「お前がこの騒動の親玉か?」
「いやいや、ワイなんてそんな玉じゃないですけど、一応、アリスクラウン副隊長の地名チナ言います」
「へぇ、お前が『tortie』に押し入ったやつだな?」
「あら、バレました?言うてないのに」
 と大袈裟に驚くチナ。

「分かるだろ。お前が持ってる属性武器を見たらな」
 雷の片手剣を持っているのですぐ分かる。
「ほな、店長はんは死んでました?」
「死なすか!」
「なんや、生きてはるんですか。ザーンネン」
 俺は『瞬歩』でチナの目の前に行く。
「あ?もう一度言ってみろ?」
「……早いですなぁ。こんな怪物がいるなんて聞いてませんわぁ」
 と俺の腹に刺さるチナの剣捌きを見切れなかった。
「ゴフッ」
「ったく、サッサと始めてくれます?」
 俺から剣を抜くと、背中を向け他の覚醒者にそう言い放つ。

「……やらせると思ったか?」
 エクストラポーションを飲んですぐに『瞬歩』を使い背中から雷の片手剣で腹を刺すと、チナの持ってる片手剣を収納する。

「ガハッ!な……なんでや?」
「人ってのは油断するもんだな」
「クッ……な、なんや?兄さん卑怯やな」
 と倒れ込む。
「卑怯は誰の事だ?覚醒してない人間を襲うのは卑怯じゃないのか?」
「ひ、人の心配してる場合です?」
 と後ろに気配を感じ、瞬歩で前に逃げる。

 “ブォンッ”と水の槍がさっきまで俺の居た場所を横切る。
「サッサと治せ」
 と言う大男が水の槍を軽く振る。
 大男は短髪を赤く染め、長いローブの下にサラシを巻いている。
 チナに駆け寄っている男はチナにポーションの様なものをかけると、
「痛い言うてますやろ!」
 チナは少し青い顔で立ち上がる。
「フグッ、……は、はぁ、ちょっとヤバかったですわ」
 ポーションを飲んでいる様だが治りきってないだろうな。

「おい、なぜ俺たちの邪魔をする?」
 と大男が言う。
「あ?なぜ?……まぁ、色々あるが、1番は俺のダチに手を出した事だな!」
 言うや否や『瞬歩』で大男の脚を属性剣で斬りつけるが、“ギンッ”と音がして斬れなかった。
 俺はそのまま後ろを振り返ると、
 “ギギィンッ”と槍を受け止め飛ばされる。

「……お前、壊れた玩具アリスクラウン飲んでるのか?」
「ククッ!俺はこの薬に適応した。お前ら覚醒者も俺の下に付くしかないだろ」
 とポケットからあの劇薬を取り出すと一粒飲む。
「く、クフゥゥゥ……さぁ、人間狩りだ」
 と男が言うとさっきまで息を潜めていた男達が雄叫びを上げる。警察に向かっていく男達は皆、身体のあちこちが黒く変色していた。

「お前ら『クレイジードロップ』が人を狂わすのを知って飲ませてるのか?」
「アイツらは解毒薬を持っている。心配は不要だ」
 解毒薬ね、あるならいいがな。
「ふぅ……この剣じゃお前は斬れないな」
 と俺は収納から剣を取り出し交換する。

「チナ、アイツらは任せたぞ?」
「分かりました、大将がやられたらカッコつきませんからね?」
「分かっている。『氷剣姫』の相棒をここで落とす」
 と少し黒い腕に力を込めて槍を構える。

「あ?俺が誰かは分かってるみたいだな?お前の名前は?」
「俺か?俺は竜崎、竜崎命リュウザキミコトだ」
「そうか、竜崎、お前は俺に勝てないぞ?」
「……口ではなんとでも言える」
「そうか、タイムリミットだ。……じゃあな!」

 “ギギィキンッ”と竜崎が俺の攻撃を受け止めた槍は斬れて落ちる、俺は回転してそのまま振り下ろす。
「グッ……」
 と短くなった武器で俺の剣を受けようとするがそれも斬ってしまう。
「お前の武器はもうないぞ?」
「その剣はなんだ?」
 と武器として使い物にならなくなった槍を手放す。

「コイツはヒヒイロカネだ。テメェより硬いんだよ」
 ヒヒイロカネに合成出来たのはこれ一本のみ、これ以上はないステータスUPや属性を付与できた。
 まぁ、奥の手ってやつだな。

「それを手に入れたら俺が最強になるだろう」
 手を前に出して、くれと言うことか?
「あはははは!お前は人から奪う事しか考えられないのか?そんなんだから弱えんだよ!」
「何?弱いだと?」
「あぁ!お前らが強盗に入った店の店長よりも……心が弱え!覚醒してなくてもここがな!」
 と心臓を叩くと竜崎の顔はみるみる赤くなる。

「俺が弱えと……誰にも負けない!俺は頂点に立つ男だ!」
 とこちらに向かって来る。
 無手で掴み掛かろうとするので『瞬歩』で右脚を斬るが浅かった様で、
「ウガァァァァァ……グゥッ捕まえた!」
 “ブゥンッ”
「カハァッッ!」
 と俺は襟首を掴まれ地面に叩きつけられ息が途切れる。
「もう、逃げられ……ん?」
 自分の手首が斬られていることに気づくと、
「ウガァァァァァ」

「ハァハァ……ったく、うるせえな!」
 俺も頭から血を流しながら足を斬りつける。
 両膝を地面につき、涙を流しながら、
「イデェェイデェェヨォォォ……」
 と落ちた手首を持って泣いてる。

「クソッ、ったくやられたらこれかよ!」
 と泣いている竜崎に背を向け、他の暴れている奴に向かう。
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