合成師

盾乃あに

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『栄光』2

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 シオンも鍛治をしているようで、下の階から音が聞こえてくる。

「さて、俺もやるか」
 とりあえず『tortie』におろす用に武器を合成していく。

「こんなもんでいいか」
 武器は前に買ったものもあったし、新しく手に入れたものもあったから多めに出来たな。

 次はダンジョンで手に入れたものだな。
 帰還玉なんかを作っておく。
 メンバーに渡しておかないといけないからな。

 あとはマジックバッグは各自用に作る。ダンジョンから持ち帰るものが多くなればそれだけでクランも潤うし、合成に役立つものがあるかもしれない。

「よし、こんなもんだろ」
 下からは音が聞こえる。まだシオンが作業しているようだ。

 階段を降り、シオンの鍛冶場に入ると『モアッ』と熱気を感じる。

「シオン、気合い入ってるな」
「あ、ルカさん。今自分の武器を作ってたんですよ」
 そこにはデカいハンマーが置いてある。
「へぇ、戦力アップだな」
「えへへ、僕も役に立ちたいですから」
 と、頬を擦ると煤がつく。

「終わったらシャワー浴びて寝ろよ?明日はダンジョンに行くぞ?」
 時計を見ると午後3時を回ったくらいだ。
「はい!」
 とシオンは元気よく返事してくるので鍛冶場を後にする。

 明日のダンジョンは星3のこの前行ったダンジョンだ。『栄光』は組合を解散したので下についてる奴らは少なくなってるからな。

 車に乗り込みツネの店に行く。

「よぉ、持って来たのか?」
「あぁ、買取頼むよ」
「おう!こっちだ」
 と新しくなった店には部屋があり、商談はその部屋でやる。

「ようやくここを使えるな!」
「他に売りにくるのは?」
「いないぞ?ルカくらいだろ」
「そっか、なら今日もよろしく」
 とツネといつものように武器を買い取ってもらう。

「よし、終わったな。今日はもう終わりか?」
「ん?まぁ、予定はないが」
「なら久しぶりに飲みに行こうか」
 とツネは店を任せると車に乗ってくる。

「後2時間もすれば閉店だからな。いつもの場所には連絡しといた」
 いつもの場所ねぇ。
「ならマー坊も呼ぶか?」
「いや、たまには二人で飲もうか」
 と二人で車をパーキングに停めていつもの居酒屋に向かう。

「とりあえず生4つと串盛りね」
 と飲む気マンマンのツネを横目に、
「で?なんの話だ?」
 ボックス席でおしぼりで手を拭きながら聞く。

「いい話と悪い話だ。どっちからがいい?」
「悪い話だな」
 真剣な表情になるツネ。

「愛内から聞いた話だが、『栄光』が動いてるらしいぞ?もちろん『朱』を狙ってる」
「だろうな。これで終わりにはならないだろうと思ってたよ」
 『栄光』のあのイケメンは面子を潰されたんだしな。

「いい話は『閻魔』が間に入ってくれるそうだ」
「……愛内達か。どうしてそこまで?」
 ツネはビールが来たので乾杯をして一杯飲み干すと、
「ハァー!美味いな!……愛内なりの借りを返してるんだろ?」
「貸しを作った覚えは……あるが、そこまでか?」
 デスサイズを作ったのは確かだが、
「デカい貸しだろ?それにこれからもよろしくしたいんだとさ」
「ングッ、まぁ、それならそれでいいか」
 これからはシオンもいるし、生産クランとして活動していきたいしな。

「よし!真面目な話は終わりだ!んじゃ飲むぞ」
「あぁ、乾杯!」
 とグラスを合わせビールを飲む。

ーーー

「あ?『朱』に手を出すなだと?」
 『栄光』のリーダーである内藤光ナイトウヒカルが苛立った声を上げる。
「はい、『閻魔』が間に入って来ました。そこまで執着してもいい事はありません」
 羽島千草がヒカルに向かって投げかける。

「あのクソアマ、組合も潰しやがった。こっちのメンツの問題なんだよ!」
「ですがここからまだ立て直しが効きます」
 チグサはゆっくりとした口調でヒカルを諭す。

「はぁ、チグサ?お前だってコケにされて黙ってられないだろ?」
 とヒカルは言うが、
「私は別に……それよりも『閻魔』と戦争になるほうが」
 チグサは淡々と答えると、
「分かった。俺らが動かなければいいんだな?」
 すぐに兵隊を使って、行動するのがわかると、
「……すぐにバレますよ?」
「大丈夫だ!俺に考えがある!」
 ヒカルは窓の外、夜の街の光を見ながら笑う。

 これ以上言っても聞かないだろうと、チグサは後ろを振り向き。
「それでは、私はこれで」
「チグサ!分かってるだろうな?」
 怒声に近い声でチグサに言うと、
「……はい」
「ならいい」
 と出て行くチグサの唇からは血が流れていた。

「クックッ!ムシケラも使いようだからな!」
 と笑みを浮かべるヒカル。

 東京都心にあるこの『栄光』のビルは組合から巻き上げた金で買ったものだ。
 その最上階で笑うヒカルの顔は歪んでいた。
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