24 / 55
第24話
しおりを挟む俺たちは葛西臨海公園にカウントダウンに来ていた。
車を出してくれた俺とヒカルの親、あとハッシーの姉ちゃんにナルトの兄ちゃん、みんなではしゃぐ車内は楽しかった。
到着する前から楽しみで、LUINの無料通話でみんなで話しながらわいわいやって、到着すると隣には夢の国が見える。
駐車場も広く、人も多すぎず少ないわけでもなくちょうどいい、家族連れなども多く、まぁ渋谷なんかよりはいいだろう!
歩いて見て回るのはクリスマスのメンバーだ。俺たち11人を運んでくれた親・兄姉に感謝だ。
大観覧車を見ながら夜景を見て回る。
「いいねいいね!やっぱ年越しって感じがするね!」
「ワクワクすっぞ!」
「あっちは何もなかったからねー」
異世界では年末なんて特別ではなく、みんな生きるのに必死なだけで年越しなんてものはなかった。
そう思うと日本はなんて安全なんだとつくづく思う。
「そうそう!ってか年越したのもわかんなかったしね」
「でもこっち帰ってきて良かった!やっぱり綺麗よね!」
「「「ねー!」」」
とイルミネーションを見ながら楽しそうでなにより、俺もなんかワクワクするのは嫌いじゃない。
あー今年は色々あったからなぁ。
やっと帰って来たらすぐにSWTOが来て、あれよあれよでSWSに入学、最後なんて暗殺者だったからな!
まぁ、その後のクリスマスも楽しかったしな!
カウントダウンの5分前に大観覧車の灯りが消されると、みんなソワソワし始め、カウントダウンが始まるとみんな一斉にカウントして行く!
「3」
「2」
「1」
「0」
「「「「ハッピーニューイヤー」」」」
と一斉にライトアップして、みんなで手を叩きあって、年が明けたのを祝う!
夢の国の花火も見れて大満足だ。
帰りも早めに切り上げて各々帰って行く。
家に帰り着くと親に感謝してテレビを見ながら寝てしまう。
親からお年玉を貰ってしまったのでお返しに俺からもお年玉を親に渡す。
まだいいのにと言いながら嬉しそうにもらう父さんと母さん。
みんなから『お年玉くれ』とメールがあったが無視してやった。
おせちやお雑煮を食べ、みかんももう要らない。
三が日を過ぎたらまた学校だ。早めに戻るので母さん達にまた連休に帰ってくると言って別れる。
そして駅でみんなと合流する。
「はぁ、また学校かぁ」
「おいおい、勇者がそれでどうすんだよ」
ハッシーに言われるヒカルだが、その通りだと思う。
「餅持たされたよ」
「あはは、いいだろ?俺も持たされたし」
「やっぱどこの親も渡してくるよな!」
と帰る時より荷物は多く、みかんを持たされたヒカルは皆んなに配るがみんな食べ飽きている。
宇田先生への土産も買ったし、忘れ物はない。
1人忘れ物をしたらしいが確信犯だ。
「お前あれだけ持って来いって言っただろ!」
「あんな重いの持って来れるか!!」
「あ、大丈夫!ヒカルの親に言って私が預かってるから!」
「ん?」
「ん?」
「…」
「…くそがぁーー!」
クリスマスのアレはちゃんと持って来れたようだ。
ほとんど手ぶらな俺、アカネ、アキ、ナルトは皆に羨ましがられ、一番荷物の多いハッシーなんかはげんなりしていた。
「何が入ってんの?」
「みかんに餅に土産にカイロやらカップ麺などなんやらかんやら」
ハハッ!持たされるのも辛いわな。
SWS前駅に着くと、帰って来た感があり、ショッピングモールを通り過ぎて寮まで歩いて行く。
部屋に入って換気をしながらゆっくりする。
「休みはあっという間に終わったなぁ」
ソファーに座り、ゆっくりと体を伸ばす。
明後日は始業式だ。
「よし、出掛けるか」
部屋にいるのもなんなので外に出る。
ショッピングモールをブラブラ歩いて行く。
相変わらず買取屋は閉まってると思ったら開いてる?
「誰かいますか?」
「はい?何か用?」
とやはり人がいた。
綺麗なお姉さんだ。
「あれ?サンちゃんさんじゃない?」
「あぁ、兄がお世話になってます。妹の月です」
「あ、そうなんですね!あ、これお土産なんでお兄さんに渡して下さい」
とポケットから青い瓶を取り出す。
「フフッ!『星の砂』なんて久しぶりに見たわ」
「あはは、ですよね?俺も久しぶりに見たので買って来ました。あ、お姉さんの分もあげますね」
とピンクの『星の砂』を置いて、
「それじゃあよろしくお願いします」
「はい、ありがとうございます」
と買取屋を後にし、またブラブラとショッピングモールを歩く。
それにしてもあんな妹さんがいるなんてな。
綺麗な銀髪のロングヘアーで首元にタトゥーが入っていた。
顔はまぁ、似てた?かな?
それにしても妹さんには言ったのかな?
心配されたくなくて言って無さそうだな。
まぁ、余計なことは言わないほうがいいな。
喫茶・アンツに入ってコーヒーを頼む。
マスターがカウンターでコポコポとコーヒーを淹れている。
「はぁ、美味しいな」
と和んでいるとメールが届く。
『いまどこー?』
「ハハッ」
ヒカルからだ。
『喫茶・アンツ』
とだけ入力して返信する。
返信がないところを見るとそのうち来るだろう。
そしてまた賑やかになって楽しくなるのだ。
42
あなたにおすすめの小説
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる