王霞珠玉

あに

文字の大きさ
上 下
35 / 81
第2章 ダンジョン攻略

飴と豚のダチ

しおりを挟む
「俺らが出来る事はお前らを逃がす事だけだったからこんな事をした、済まない」
「いや、ありがとう、考える時間が出来たし相手の目的も分かった、だが、何故僕の祖父は帰って来れたんだ?」
そーいやそーだな、あんだけ強ければ王国なんか直ぐだろう!
「祖父とは神一郎殿か?」
「祖父を知っているのか?」
豚は涙しながら
「神一郎殿は一緒に来た女性を殺された、王国の連中に!だが王国は神一郎殿を止められなかった!鬼神の如き強さで一人で王国を止めようとしたが無理だった、ただ王国も一枚岩では無い、隠れ里に住む王家がおり、そこで傷付いた神一郎殿は癒されあっちの世界に帰ったと聞く」
最初から言えよ馬鹿ジジィ、こっちはその隠れ里を探さないといけないのか。
「で?その隠れ里は?」
「分からない、本当に知らないんだ」
まー、知らないから隠れ里だしな、
「悪い!話は分かった、どっか訓練できる場所はあるのか?」
「え?」
霞月は驚いているが今のままで弱いんだから強くなるしか無いだろ!
「霞月の爺ちゃんで叶わなかったなら俺らが叶えるしか無いだろ!それに向こうにモンスター送られたらたまらんしな!」
霞月は笑い出した
「はー、はー、そうだね、キングはそう言う奴だったのを忘れてた!ねぇ?ソナタにカナタ、何処かにレベル上げ出来るとこは無いかな?」
豚達は困った顔をしながら
「神一郎殿が訓練してた山があるがあそこは危険だ、下手しなくても死ぬぞ」
「望むところだ!なぁ、霞月!」
「だね!僕らは強くなる!」
しょーがないという感じで
「ならば明日連れて行く、だが途中までだ!俺らが危ないからな!」
「「ありがとう」」
「あそこに連れて行くのに礼を言われたのは初めてでおじゃる」
おじゃるが久し振りに喋った。

「あ、飴売ってるとこ無い?」
霞月の飴好きにも困ったもんだ、
「城下町にある、買って来させようか?」
「いい、自分で行くよ!ありがとう!行くよ?キング!」
はぁ、飴くらい一人で買いに行けよ、引っ張んなって、
「行くから、走るな!」
とにクソガキが!

二人で飴屋を回る、どんだけ買うんだ?
「買いすぎだろ?」
「たまにキングも食うじゃん!アイテムボックスに入れとけばいいだけだし」
とまだ買うのか、まぁいいけどよ。

晩飯は久し振りに和食だった!
「うめっ!まじ久し振りに食った!」
「おいしーい!米最強だね!」
と満腹まで食って動けない、
こんな風にこの国をしたいが王国はやり方を間違えてる、それは正さないといけない。
ジジィがやり残した事が多いよ!
「キング、ごめんね!付き合わせて」
寝転がりながら謝ってくる霞月
「んなもん、ダチだからしょーがないだろ?」
俺も寝転がったままで言う
「ダチって強いね!」
「おう!最強だ!」
二人で笑った。

次の日は晴天!いい天気だ!
昨日の兵士はあの後思い出して処置して謝った。
さて、
「豚!それで行くのか?」
後ろを振り返る豚、指で小突いて
「お前だよお前!そんな重いの着て動けないだろ?」
豚は茹で豚になって
「ぶ、無礼者!豚とはなんでおじゃるか!」
「豚ってのはオークに似ていて脂肪がたっぷりと「そんなことは聞いてないでおじゃる!皇帝ソナタに無礼を申すか!」ぶひぶぷひー」
とおちょくって遊んでいると
「ソナタ!遊んでないでそれを脱ぎなさい!動けないだろ?」
「か、カナタまで・・・我は具合が悪くなっガハッ!」
足を引っ掛けて
「送ってくれるんだろう?早く脱いで来いよ!守ってやるからよ!な?霞月!」
「うん!もうダチだからね!」
と笑ってる霞月
「ダチ・・・わ、分かった脱いで来るでおじゃる!」
ガッチャンガッチャン走って戻るソナタ
「ありがとう、ソナタは皇帝ゆえに友達などいなかったから」
と頭を下げているカナタを霞月が叩いて
「カナタももうダチだろ?」
と言って笑ってる
「かたじけない」
と後ろを向く、嵐家はあれか?泣くときは後ろを向くのが家訓なのか?
「遅くなってすまんでおじゃるー!」
頭を掴んで
「お前はどこのオニギリ大好き太郎だ?肌着に短パンで守られる気満々だな!やり直し!」と後ろを向かせ背中を蹴り走らせる
「おい、カナタ見てきてくれ!あいつまたやるぞ」
「だな、分かった」と言ってカナタも戻って行く。
霞月と目が合うと笑ってしまった。

「それではしゅっぱーつ!」
って御者に言うだけだろ、行くのは三台の馬車で半日かかるらしい、ソナタのお陰で遅れたけどな!
霞月は飴をソナタにあげて二人でカラコロ舐めてる、また太るぞソナタ。
マップで確認しながら行ってるから問題は今のとこ無いが霞月の顔が変わった、
「どうした?」
「いや、山はあれだね!凄い数だし強いのが多いね」
と指さす方向に集中すると汗が吹き出てくる
「スゲェな、あれが霞月の爺ちゃんが訓練した山か、死の荒野以上だな」
俺が言うと
「やめとくか?今なら「行くさ!一度決めた事はやりきる!」そ、そうか」
カナタには悪いが負ける訳には行かないからな!
霞月も同じ目をしてる。
やるからには本気で一番目指してやんよ!

しおりを挟む

処理中です...