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旅は道連れ
しおりを挟む買い物し隊が帰ってくるとようやく明日出発となる。
道なりに進むと魔人族の国である魔王国があると言う。
(魔王といえばゲームなんかでは敵キャラだがどうなんだろうか?)
「へ?普通にいますよ魔人の人って」
「…そうなのか?」
「まぁ、少数民族ではありますけどね」
「あまりギルドによらないからじゃないですか?冒険者のかたはそれなりにいらっしゃいますよ」
「…そうか」
(ちゃんと見てなかったな)
「もう、それじゃあスローライフとケントの仲間を探す旅は魔王国に決定ね」
「「「「おおー!」」」」
(なんか落ち着けそうな雰囲気はないがな)
そして夕食を食べ、ベッドで眠りにつく。
いつも通りネアとノアを起こして顔を洗って旅支度をする。
「おきろー」
「おちろー!」
「グェッ!」
と言う声と共に皆が起きて来て朝飯を食いながら今日行く工程を聞く。
そうして朝の賑やかな時間が過ぎ馬車に乗り込み聖教国の都を後にする。
馬車の中は楽しそうなボン婆の歌とネアとノアの踊りでとても楽しそうだな。
俺も御者をしているリシェルの横に座りながら歌を楽しんでいる。
次の村まで2日程度だ、一回は野営だなーなんて考えていたが、
「た、たすけてくれぇ!」
『ブルルルル』
と馬を止めると奥の方からウルフに追われた男が1人現れた。しょうがない、
「…走れよ!」
男と入れ替わりウルフの相手をする。
“シュシュン”
『ギャンッ!』
何匹か斬るとウルフは逃げていった。
「助かった、ありがとう」
「大丈夫か?」
「あぁ、少し噛まれたが平気だ」
「ヒール」
回復してやると、
「か、回復魔法?た、助けてください!娘が!娘を助けてください!」
「はぁ。どこにいるんだ?」
「この先の村に」
「なら急ぐぞ、乗れ」
「は、はい!」
馬車を走らせる、馬には悪いが後で休憩させてやるからな!
村まで1日半でついた、少し休憩は取ったがほとんど走りっぱなしだ。みんなに馬のことをお願いして、その男の娘のところへ行く。
「ここです!アンナ!助けが来た!もう大丈夫だからな!」
「お…とうさん」
娘さんは包帯だらけで血が滲んでいた。
「フルケア」
包帯を剥がしてみると綺麗なもんだ、なんとか間に合ったな。
「ありがとうございます!」
「なぜこんなことに?」
祭りをするのに四年に一度、村一番の綺麗な娘が舞を踊るのだそうだ。それを妬んだ村の娘たちに暴行を加えられ死にかけていたらしい。それを村長に言ったが取り合ってもらえず自分で回復魔法の使い手を探すために街まで行く途中だったと男は言う。
「はあ?そんなことで死にかけるまでするわけ?」
村長の娘もそれに加担していたそうだ。
「た、助けてもらってありがとうございます。少ないですがこれでどうにか」
金貨一枚と銀貨が数枚だった。
「これで十分だ」
と銀貨を取り残りは返す。
「あ、ありがとうございます!」
「でもどうするのよ?あんた達もうこの村に入れないんじゃ?」
「そうですね、旅でもしてまた別の村にでも」
「やな予感がするわね」
「…乗れ、別の村まで送ってやる」
「ほら来た!なんでそうも安請け合いするかなぁ?」
「わ、悪いですよ!私達なら心配ありませんので」
「もう!乗ればいいでしょ!どうせ2人くらいなら乗れるし!」
「ルビー。ありがとう」
「ほんとに人がいいんだから!」
と言うことで一晩ここに泊まり次の日に出発することになった。
“コンコン”
「ノブはいるか?」
「はい、何ですか?」
「何ですかじゃない!外の馬車は何だ?お前は村を出て行く気なのか?」
「当たり前じゃないですか!誰もウチのアンナを助けてくれなかった!こんな村にいても安心して暮らせませんからね」
奥にいるアンナを見たようで唸る村長は、
「ぬぅう!ならん!お前の娘の怪我は治ったみたいじゃないか!ウチの息子と結婚させる!」
「ありえませんね!私達は次の定住先を見つけますので!」
「…覚えておけ!」
と言って村長とやらは出ていった。
馬車にはダウンやミイ達が乗っているし、何かあればすぐに出れるようにしておく。
やはり夜が来ると村がざわめき出す。
「はぁ、村人相手にしたくないんだけどな」
と肩を鳴らすダウン。
「気乗りしないけどウチの馬車に何のようだい?」
「な!ぼ、冒険者?!聞いてないぞ村長!」
「そ、そんなしょぼい冒険者など勝つに決まっておろう!行け!行くのじゃ!」
と自分は安全なところから指示を出している。
“ヒュン”
「グァァアァア」
「そ、村長!」
“ヒュン”
“ヒュン”
「グェ!ウガッ!」
「あはは、リシェルさん村長狙いすぎっすよ」
「あれを潰せばあとは散り散りになるでしょ?」
「や、やめてくれ!」
と武器を置く村民達だが、
「な、なんでこんなことに!お前ら冒険者がそんなことをしていいのか!」
“ヒュン”
「ウガッ!」
「私は私の思うようにしている。お前は自分の事しか考えていないだろ?」
「ワシは村長!こ、ここはワシの…」
「村長!!」
どうやら痛みで気絶したようだ。
翌朝は快晴!絶好の旅日和だ!
だがなぜかダウンと村人が揉めている?
「だーかーらー、治すわけないだろ?」
「何故だ!お前たちがやったんだろ!」
「あんたらが武器もってやって来たから応戦しただけだろうが?」
「そ、それは!お前らに責任がある!いいからさっさと治せよ」
俺が出て行くと怯む村人。
「…ランクSの冒険者だが、何かあったのか?」
「あ、あんたが親玉か!そ、村長が重体だ!助けてくれ!」
「いくら払える?」
「は?」
「金だよ、いくら?」
「お、お前が払えよ!」
「そんなもんねぇよ!」
「あ!村長に払わせたら?」
「そ、それだ!村長が払う!金のことは村長に聞いてくれ!」
「はぁ、何故俺がそこまで行かなければいけない?お前らがいってこい!」
「ひ、いいますぐ!」
旅支度を済ませて出ようとしていると、
「な、何故助けてくれないんです?」
「…何故助ける必要がある?」
「き、聞いてるのはこっちです!」
「…さぁ?」
女は癇癪を起こしたように喚き散らすが何も心に届かないな。
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