おっさん探訪記

盾乃あに

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 コックのダイアン、メイド長のスミス、執事のメイスンに仕事を与えると喜んでその下につくものを選び出す。やはり本職は違うな。
「メイスン、俺はこれから何をすればいいと思う?」
「は!まずは宰相などの任命業務からでしょうかと」
「…やはりそうなるよな」
 キン爺とアシュレイが書斎に来る。
「ワシらは何をしようかのぉ?」
「俺はキン爺に宰相をお願いしたい」
 するとキン爺はビックリした様子で、
「ほっ?わしで力になれるかのぉ?まぁ老骨に鞭打ってやってみるか」
「金の鎧は卒業だな」
「これは国の宝物庫に仕舞わせてもらう」
 キン爺らしいな。
「アシュレイにはやはり軍を任せたい、が、まだ人が少なくてな」
「いいさ、人はついてくるし俺たち元第三師団がいる」
「…ありがとう」
「ではまず、これから街をどの様にして行くおつもりか?」
 キン爺に聞かれるが、
「街はガンツに任せてある!今街を作り終えたら次は壁だな」
「分かりました、あと国庫はどうなっておられる?」
「…俺が収納に入れてある金は金貨で五十万枚ってところだな。足りないと思うがこれはどうしょうもないか」
「そうですね、税がとれるほどまだ発展してませんからな」
「エンとダラーにはマジックバッグを買ってくる様に言ってあるからそのうち戻ってくるだろう」
 まぁ、無事帰ってきてくれればそれでいいのだが、
「それはどう言うことで?」
 とキン爺が聞いてくる。
「俺は解呪が使える。露店に売ってる開かないバッグはマジックバッグだからな。それを開けられるのだ」
「それは凄い!」
「そして大体その中には金貨が入っている。いまの金もそうやって集まったにすぎないな」
 まぁ、多少の運任せはしょうがないがな。
「分かりました、あとは農地はどれほど」
「いまオン爺に頼んで4人で畑を耕しているな。街の外側になるが4人では大変だろうからその辺の人材確保はノーマ」
「はい!」
「やってくれるか?」
「お任せください!」
 とノーマは礼をする。
「それとこちらから売り出せるものをケイトとレアルに今作らせている」
「と言うと?」
「娯楽品だな。それをエンとダラーが帰ってきたら持たせるつもりだ」
「分かりました。衣食住の住はわかりましたが食は?」
「いまあるのは保管庫に入っている肉、野菜、だな。あとは獣がもうこのセイクリッドに入ってきている。それをミイ、スィなどの冒険者が狩って来ている」
「なるほど、後で確認じゃな。あと衣は?」
「それが一番だな。この国は女が多い、そしてセイランと言う仲間がいるので衣は足りる。布なんかも自国でやれる様になればもっといいのだが」
「分かりましたその辺もノーマ!頼むぞ」
「はい!それでは今からまた行ってきます」
「おいおい、そこまで急がなくていい、今日はみんな揃って宴だ」
「…はい!ありがとうございます!」
「後ノーマの商会もまだ作れてないから早めに作らせるからな!」
「は、はい!」
 背筋を正すノーマ。
「ほっほ、ノーマは王に信頼されてるな!ワシも気を引き締めますぞ!」
「キン爺はキン爺でいいって」
「ほっほ!ワシは宰相ですからのぅ!苦言も呈しますぞ?」
「分かった!」
「じゃあまだ軍は動かすことがないから畑仕事を手伝わせるかな!足腰の鍛錬だ!」
「アシュレイ!よろしく!」
 と振り向きざまに、
「あぁ!王よ!」
「むず痒いな」
「あはは慣れろ」
 と笑いながら書斎を出て行った。

 やはり食堂にコックがいると違うな。
「王様、嫌いな物は?」
「あはは、俺はなんでも食べるから好きに出してくれ」
「わ、分かりました!腕によりをかけて作りますね」
「楽しみにしてるよ」

「…よしみんなグラスは持ったね?新しい仲間に乾杯」
「「「「「かんぱーーい」」」」」」
「…美味いな」
「おい!美味いってよ!コック!」
「やった!おっし!バンバン作るぞ!」
「「「おおーーーー!!」」」
 コックのダイアンは弟子がいてそいつらも同じ様に腕を潰されたりして売られていたそうだ。こんなに美味いものを作る腕をどうして潰せるのか!
「…スミスは飲まないのか?」
「飲みません!私はメイド長ですからね!なんでも言いつけてください!」
「…わかった」
 アシュレイは兵士の中で一番はしゃいでいるな、キン爺も今日は羽目を外してるみたいだ。色んな奴と喋っている。
 スローライフとはいかないけれど、これはこれで楽しいな!

 死の大地が聖なる大地になって初めての春。
 まだたくさんの課題があるがまずまずの始動だ。
 酒を飲みながらそんなことを考えていると、
「ケント!何そんなしんみり飲んでんだよ!」
「そうじゃぞ!祝いじゃ!王がそれじゃカッコつかんだろ?」
(ベロンベロンに酔った方がかっこつかないだろ?)
「…くっはっはっはっはっ!みんな!飲んでるか?」
「「「「「「おーーーー」」」」」」
「これからもこんな調子で行こうな!」
「「「「「「おおーーー!!」」」」」」
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