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第8章
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俺は作曲をするようになった。ふと思いついたフレーズから広げていってそれがまとまると詞を乗せた。フレーズを拾うのも大変がそこから曲にするのも骨の折れる作業だった。いつの間にかどこかで聴いたようなメロディラインになっていたりして、なかなかうまくいかなかった。
それでも何曲か作っていくうちにだんだんと自分なりのやり方が見えてきて、五曲作ったらそのうちの一曲くらいは納得のいくものになった。
キャンパスを歩いていると声をかけられた。フォーエヴァー・マンのドラムだった。会うのはかれこれ半年ぶりくらいだった。
「なんで顔出さねえんだよ」
ドラムは笑いながらそう言った。俺は悪い悪いと軽い詫びを入れた。それからサークルの事情をそいつから聞いた。飲み会ばかり開いていてバンドとして活動しているほうが少ないらしい。フォーエヴァー・マンは俺がいなくなったあとそのまま自然消滅してドラムはまた別のメンバーでバンドをやっていると言っていた。ベースについては知らんとのことだった。
予鈴が鳴って俺たちは別れた。別れ際ドラムはチケットを俺に渡した。
「明日、ライブやるんだよ」
「オリジナル?」
「そりゃあそうだろ。コピーじゃ、ねえ」
「行くよ」
俺がそう言うとドラムはよろしくなと言って人ごみへ消えていった。そういえばライブハウスに行くのはこれが初めてだ。俺はチケットを財布に入れて教室に向かった。
それでも何曲か作っていくうちにだんだんと自分なりのやり方が見えてきて、五曲作ったらそのうちの一曲くらいは納得のいくものになった。
キャンパスを歩いていると声をかけられた。フォーエヴァー・マンのドラムだった。会うのはかれこれ半年ぶりくらいだった。
「なんで顔出さねえんだよ」
ドラムは笑いながらそう言った。俺は悪い悪いと軽い詫びを入れた。それからサークルの事情をそいつから聞いた。飲み会ばかり開いていてバンドとして活動しているほうが少ないらしい。フォーエヴァー・マンは俺がいなくなったあとそのまま自然消滅してドラムはまた別のメンバーでバンドをやっていると言っていた。ベースについては知らんとのことだった。
予鈴が鳴って俺たちは別れた。別れ際ドラムはチケットを俺に渡した。
「明日、ライブやるんだよ」
「オリジナル?」
「そりゃあそうだろ。コピーじゃ、ねえ」
「行くよ」
俺がそう言うとドラムはよろしくなと言って人ごみへ消えていった。そういえばライブハウスに行くのはこれが初めてだ。俺はチケットを財布に入れて教室に向かった。
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