…どうしてこうなった!?

津紀葉

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高校一年

回想1(柊 視点)

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  満ち足りた気持ちで意識がなくなった立華を見ながら、
  俺は最初に立華を家に呼んだ時のこと思い出した。

ーー

  立華を呼んだ後すぐに本を読むために部屋に篭った後、俺はどうやって彼女を引き留めようかと考えていた。
   …やっぱり食べ物は必要だよね。
   そう思いついたのはいいが、彼女の好きな食べ物を知らない事に俺は気づいた。昼休みの彼女を見ていても立華はコンビニのおにぎりを二つほどしか食べていない。もともとが小食なだけかもしれないがずっとおにぎりなのはどうなんだろう…?地味に具の内容は変わっているけどそれでも栄養の偏りが心配。

  色々考えた結果結局今回は無難にピザにする事にした。…栄養の問題は彼女が気を許してからまたおいおい聞いていこうと思う。 
  ご飯だけではすぐに食べ終わって帰ってしまうのではないのかと思い、心配なので一応お風呂も沸かした。……入ってくれるかはわからないけど。

  ピザが届いたから立華を呼びに行ったが、ノックをしても返事がない。
仕方ないのでもう返事がないけど部屋の入ってみると彼女はこちらの物音にも気付かない程に本に集中していた。立華の方に近づき、ずっと本を読んでいる様子を俺が見ていてもその事にも気づいていない。
  楽しそうに読んでいる彼女をずっと見ていたい気もするがそんな事をしていたらピザが冷めてしまうので、仕方なく声をかけることにした。
「おーい、立華?聞こえてる?」
   …うん、絶対聞こえてないね。
 
  肩を叩いたらさすがに気づいたけど凄く驚かれた。

「あ、ごめん。驚かせた?一応ノックもしたし、声もかけたんだけど、気付かなかったみたいだから…。もう夜だよ?お腹空かない?とりあえずごはんにしようよ。」

  そう言うと立華は慌てて時計を見て本だけ借りてそのまま帰ろうとした。
  だいたい予想した通りだから慌てずにごはんに誘って見たら、立華はピザに目を輝かせていた。…ピザは好きなのかな? 
  嫌いじゃなくてほっとしながらお茶を入れて持っていった。
「お待たせ。ほうじ茶でよかった?今これしかないんだけど…。」
  もっと色んな種類のお茶を用意すれば良かった…。 
   ちょっと自分の色々な詰めの甘さに後悔していると、

「あぁ、別になんでもいいぞ?それに、ほうじ茶は好きだしな。…ありがとう。」
   
   …ちょっと固まってしまった。だって最初に挨拶をされた時以来、俺に笑いかけてくれなかったのにありがとうって言った時に地味に笑ってくれた!もともと表情があんまりないから笑った所が無茶苦茶レアな気がする。…やばい、俺今顔赤くなってないよな?赤くなってたら凄く恥ずかしい。
   そんな事を考えて焦っていたら
「…どうしたんだ?」
  と訝しげに言われてしまった。

  慌てて何でもない感じに装い、ごはんを食べ始めた。
  立華が幸せそうにピザを食べてるのを見て、俺も幸せ…でも、このまま食べ終わったら立華はすぐに帰ってしまうだろう。俺はまだ彼女にここにいて欲しい。…どうやってお風呂に誘導したらいい?
  
  …考えがまとまる前に食べ終わってしまった。
  仕方ない、とりあえずここはもう、直接言ってみるか。

「そうだ、お風呂沸いてるから入って来たら?」
  そう言ってみたが、…これで入る人、絶対にいないんじゃないかな?
  なので立華が口を開く前慌ててもう一言付け足した。

「家のお風呂二人一緒に入れる位には広いよ?」


  ……結果としては立華は入ってくれた。が、立華…色々なものに釣られ過ぎじゃないだろうか?こんなにものに釣られ易い彼女の今後がすごく心配。…あまり目を離さない様にしないと。

  脱衣所にきて、とりあえず立華の服をどうするかを考えた。このままお風呂から上がったらまた絶対に帰ろうとする。…でも、服が無かったら帰れないよね?
  クリーニングは今の時間はもう閉まっている。それに制服くらいならクリーニングに出せるけど、下着までは無理だ。…でも家にまだ洗濯機はない。買いに行くのが面倒でいつも同じマンションに住んでる晃が俺の家に度々来て、洗濯機を買えと怒るけどいつも洗濯してくれるんだよね。晃の家で。
  ……ここはもう晃に頼んでこの服を預かってもらう?いや、それはない。…でも、このままだったら立華が帰ってしまうっ!



  …結局、俺は晃の部屋のインターホンを押した。

「ーーはい?」
「…俺だ。」
「何だよ。柊か…って、何だ?その紙袋。」
  ドアを開けた晃は少し大きめの紙袋をみて言った。

「…制服と下着だ。制服は明日クリーニングに持っていってくれないか?…下着は極力見ずに洗ってくれ。」
「はぁ?制服自分で持っていけば?あと、いい加減洗濯機買えって…は?」
   紙袋を受け取り中を見た晃が固まった。
「……それじゃ、宜しく頼む。」
  そう言って自分の部屋に帰ろうとしたが肩を掴まれ、
「おい、どういう事か説明してもらおうか?お前、女装趣味は無かったよな?…なのにどうして服が女物何だよ?」
  …早くしないと立華がお風呂から上がってしまうというのに!
「ちょっと色々あったんだよ。また学校に行った時にでも話す。あ、服は土日の間に頼む。それじゃ。」
「あ、おい!?」
  引き留めて詳しく聞こうとする晃を振り切り部屋に帰った。

  立華はまだお風呂に入っていた。…良かった。
  俺は代わりの服を探し、新品の歯ブラシも用意した。ちょうど用意が終わった時に立華がお風呂から上がってきた。

「柊!私の制服がないんだが?」
  困惑している様な声で立華が言った。
「あ、ごめん。服、クリーニングに出しちゃった。」
  …嘘だけど。そう言いながら立華の方を見た。…どうしよう、お風呂上がりの立華が凄く色っぽくなってるんだけど!お風呂で少しのぼせたのか頰は赤くなっていて髪も洗ったのか濡れていて、もう凄くエロい。

「っ!おい!見るな!それに今クリーニングに出せるわけないだろっ!もう店閉まっとるわ!」
  …どうしよう。付き合ったばかりだしまだしようとは思って無かったけどこんな立華をみたら…その、したくなってきた。
  頭ではそんな事を考えいたのでこの時どう答えたのかあんまり覚えてない。
  とりあえず立華にも洗濯機を買えと言われた。



  …でも、これで彼女は今日はもう帰れない。


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