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【第1章:勝者の過ち】
『富の代償』
しおりを挟む「ここか……」
大きな島が見えてくる。
この島は国によって外部からの接触は禁止されているが、金の力は時に保護対象の命よりも上回る。
うっそうとした森の奥に岩肌が覗いている。そして手前には手頃なビーチがあった。
ヘリは砂煙をまき散らしながら海岸に着陸し、乗っていたレミー・サンタンがのっそりと降りた。
真っ白なスーツに黒いワイシャツ、靴はワニ革で作られた特注品だ。
到底、非文明的な場所に向いているとはいえない格好だった。
だがそれこそが、彼の自己顕示欲の高さを象徴していると言える。
年齢は五八歳で年相応にシワなどがあるものの、サングラスの奥で光る瞳にはギラギラとした炎が宿っている。葉巻を咥える歯も全てインプラントで綺麗に整えられていた。真っ白な髪は後ろで結ってポニーテールにしている。
葉巻を挟んでいる指には……というか全身にはタトゥーが施されていた。
右の五指の第三関節には一本ごとに一文字ずつ『M・O・N・E・Y』と、左には『P・E・A・C・E』と彫られている。その他には首を一周するように蛇のタトゥー。背中にはクロスした銃の上に髑髏が。
「お待ちしておりましたボス」
軍服に身を包んだ兵士が銃を抱えながらうやうやしく近づいてきた。そして当然であるかのように敬礼をする。
「ああ。原住民共には話を通しているんだろうな?」
「ハッ! ガイドが通訳して話をつけておりますので心配はございません」
「よし……ご苦労」
この島には必ず『何か』がある……野生の勘とも形容できるレミーの商才がささやくのであった。
『レミー・インターナショナル社』はこの数年で窮地に立たされていた。
強力な組織を求めて財を成したレミーが設けた会社で、巨大な民間軍事会社として知られている。
目の前の兵士は自社傭兵部隊の『H・Y・A』だ。数百人単位で在籍しており、その全ては元軍人。紛争地帯などで要人の警護や、公にされていない金銭のやりとりなどを生業としている。
だが、あまりにも大きくなった魚は、サメに狙われるリスクも高まる。
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