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一章 聖女と守護者達
九話「土の細工師」✳
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「聖女さま、ちゃんと断らないとダメだよ。あの男は性質が悪いから」泉で泳ぐコレウスを見て、パースランは鼻を鳴らす。
「でも、私も誘ったのよ」クスクス笑うと、真っ赤になった。可愛いわ。
「さま、は止めてね。それと、パースランは私を何処で抱きたいの?」頭を撫でながら訊ねる。
「っ!」あらら。可哀想なことしたかしら。
「……綺麗な砂丘と、洞窟があるんだ」恥ずかしそうな答えに笑って頷く。楽しそうね、でも。
「今は、ここではダメ?」短めのボトムスの下で、パースランがはち切れそうになっているのが分かる。私が何度も発情したのに当てられてたのよね。
そっと布越しに触れると、びくっとする。
「いいの?」震える声に、頬を撫でてそっと口付ける。
「私は守護者達のものよ?」だから、抱いて。
「オレ初めてだから。上手くできないかも」強ばる顔に、
「私も昨日が初めてよ?」笑いかけると、やっと微笑んでくれた。
私の側に横たわり、そっと抱き寄せて口付けてくれる。
「聖女、同じ学院に通ってたのを覚えてる?」そう、どこで見たかと考えてたの。
「パクレットもよね?」少し上の学年にいた、金髪と緑髪、橙色の目と青い目のよく似た二人。とても可愛いかった。うん、と笑顔で頷いている。
「作った物を誉めてくれた事があるんだ。あの時に細工師で良かったと思った」何か言ったかしら。
「『綺麗ね、とても上手だわ』って」あぁ、思い出した。
「耳飾りね、学院のバザーで買った。大事にしてるわ」家から届く荷物に入っている筈。
「いつも幼馴染みと一緒にいて、仲良さそうにしてたから話せなかったけど、好きだったんだ」
私、今世では可愛い筈なのに、ちっともモテないなぁと思ってたわ。なぁんだ、タリーのせいだったのね。
「ぁ、ぁん」被せられたコレウスの上着の中で、小さめの手が繊細に動く。小振りの胸が丁度いいみたい。
「他にも作ったんだ。付けてくれる?」優しい口付けが頬から移動して、耳朶を舐めながら囁かれる。耳飾りのことね? 頷くと、嬉しそうに笑った。
体中を弄られて、息が上がる。パースランの指は、私が反応する度に暫くそこに留まる。花の香りの中で、パースランが服を脱ぎ捨てて体を重ねて来た。
「聖女、入れるよ」懐かしい、畑や砂丘にいるような匂いがする。
「ぁ、ぁん」姫豆を弄りながら、ゆっくり入ってくる、優しいパースランの感触が嬉しい。収まると、息を整えながら抱きしめて、そっと頬を撫でてくれる。
「あぁ、気持ちいい」私の中が蠢いて、パースランの形に合わせているのを感じていると、彼が吐息混じりに呟く。
「私も」ゆったりと穏やかな、優しい交わりが心地いい。
「ぁ、ぁああ」口付けながら彼が動き始めて、一緒に達した。
暫く息を整えながら笑い合い、抱き合っていた。
ふと影が差して見上げると、タリーが見下ろしている。
「楽しめてるね、良かった」優しく笑いかけて、伸ばした手を取り額に口付けられる。
「もう少し頑張れる?」え? パースランを見ると、彼も分かっていない様子。
「泉でもう一戦、今度は四人でだな」四人?
コレウスに抱き上げられたパースランが小さな悲鳴をあげる。
「精霊が僕達に、協力してくれって言ってる。乾期に入るこの時期に、水の精霊が増えるのはありがたいよ」コレウスとパースランを呆気に取られて見送っていると
「土と命の属性も加われば、水不足がましになって豊作になるだろう」タリーも私を抱き上げて泉に歩み入る。
泉の水は粘度を増したように濃密で、中心の樹も存在感を増している。朝見た泉とはまるで違う場所みたい。
タリーが樹に触れると、ブワッと膨れ上がるように広がり、私達を引き寄せた……ような気がしたんだけど?
「精霊の気配だよ、コレウスの水浴や朝からの交わり、君の発情で活性化したんだろう。目を閉じてごらん」
タリーの言葉に目を瞑ってみると、樹の幹や水の中、水辺や周囲の空中にも沢山の光が瞬いている。
「君に借り腹を頼みたいって。これだけ活性化したから、これを機に繁殖しておきたいらしい」私達がやり過ぎたってこと? それに借り腹って妊娠? カアッと熱くなる頬をタリーの胸に寄せる。
「どうすればいいの?」流石に妊娠や出産はまだ怖いんだけど。
「大丈夫、人みたいに産む訳じゃないよ。君に宿って育ち、力が満ちれば勝手に生まれ出てくる。掛かる時間は僕達しだいだけど」……?
「まぁ、やってみようか」タリーが微笑んだ。
「でも、私も誘ったのよ」クスクス笑うと、真っ赤になった。可愛いわ。
「さま、は止めてね。それと、パースランは私を何処で抱きたいの?」頭を撫でながら訊ねる。
「っ!」あらら。可哀想なことしたかしら。
「……綺麗な砂丘と、洞窟があるんだ」恥ずかしそうな答えに笑って頷く。楽しそうね、でも。
「今は、ここではダメ?」短めのボトムスの下で、パースランがはち切れそうになっているのが分かる。私が何度も発情したのに当てられてたのよね。
そっと布越しに触れると、びくっとする。
「いいの?」震える声に、頬を撫でてそっと口付ける。
「私は守護者達のものよ?」だから、抱いて。
「オレ初めてだから。上手くできないかも」強ばる顔に、
「私も昨日が初めてよ?」笑いかけると、やっと微笑んでくれた。
私の側に横たわり、そっと抱き寄せて口付けてくれる。
「聖女、同じ学院に通ってたのを覚えてる?」そう、どこで見たかと考えてたの。
「パクレットもよね?」少し上の学年にいた、金髪と緑髪、橙色の目と青い目のよく似た二人。とても可愛いかった。うん、と笑顔で頷いている。
「作った物を誉めてくれた事があるんだ。あの時に細工師で良かったと思った」何か言ったかしら。
「『綺麗ね、とても上手だわ』って」あぁ、思い出した。
「耳飾りね、学院のバザーで買った。大事にしてるわ」家から届く荷物に入っている筈。
「いつも幼馴染みと一緒にいて、仲良さそうにしてたから話せなかったけど、好きだったんだ」
私、今世では可愛い筈なのに、ちっともモテないなぁと思ってたわ。なぁんだ、タリーのせいだったのね。
「ぁ、ぁん」被せられたコレウスの上着の中で、小さめの手が繊細に動く。小振りの胸が丁度いいみたい。
「他にも作ったんだ。付けてくれる?」優しい口付けが頬から移動して、耳朶を舐めながら囁かれる。耳飾りのことね? 頷くと、嬉しそうに笑った。
体中を弄られて、息が上がる。パースランの指は、私が反応する度に暫くそこに留まる。花の香りの中で、パースランが服を脱ぎ捨てて体を重ねて来た。
「聖女、入れるよ」懐かしい、畑や砂丘にいるような匂いがする。
「ぁ、ぁん」姫豆を弄りながら、ゆっくり入ってくる、優しいパースランの感触が嬉しい。収まると、息を整えながら抱きしめて、そっと頬を撫でてくれる。
「あぁ、気持ちいい」私の中が蠢いて、パースランの形に合わせているのを感じていると、彼が吐息混じりに呟く。
「私も」ゆったりと穏やかな、優しい交わりが心地いい。
「ぁ、ぁああ」口付けながら彼が動き始めて、一緒に達した。
暫く息を整えながら笑い合い、抱き合っていた。
ふと影が差して見上げると、タリーが見下ろしている。
「楽しめてるね、良かった」優しく笑いかけて、伸ばした手を取り額に口付けられる。
「もう少し頑張れる?」え? パースランを見ると、彼も分かっていない様子。
「泉でもう一戦、今度は四人でだな」四人?
コレウスに抱き上げられたパースランが小さな悲鳴をあげる。
「精霊が僕達に、協力してくれって言ってる。乾期に入るこの時期に、水の精霊が増えるのはありがたいよ」コレウスとパースランを呆気に取られて見送っていると
「土と命の属性も加われば、水不足がましになって豊作になるだろう」タリーも私を抱き上げて泉に歩み入る。
泉の水は粘度を増したように濃密で、中心の樹も存在感を増している。朝見た泉とはまるで違う場所みたい。
タリーが樹に触れると、ブワッと膨れ上がるように広がり、私達を引き寄せた……ような気がしたんだけど?
「精霊の気配だよ、コレウスの水浴や朝からの交わり、君の発情で活性化したんだろう。目を閉じてごらん」
タリーの言葉に目を瞑ってみると、樹の幹や水の中、水辺や周囲の空中にも沢山の光が瞬いている。
「君に借り腹を頼みたいって。これだけ活性化したから、これを機に繁殖しておきたいらしい」私達がやり過ぎたってこと? それに借り腹って妊娠? カアッと熱くなる頬をタリーの胸に寄せる。
「どうすればいいの?」流石に妊娠や出産はまだ怖いんだけど。
「大丈夫、人みたいに産む訳じゃないよ。君に宿って育ち、力が満ちれば勝手に生まれ出てくる。掛かる時間は僕達しだいだけど」……?
「まぁ、やってみようか」タリーが微笑んだ。
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