ドラゴン騎士団

カビ

文字の大きさ
22 / 33

想い

しおりを挟む
   寝る前、いつも私はバルコニーで夜空を眺める。最近は夜中の任務で眺められない日が続いていたが、今日は復帰したてだから眺められる。
「あら?」
「ん?」
「フリッグ!」
誰かいると思いきや、フリッグがいた。彼は私の前に来た。
「ステラ!大丈夫!?重傷って聞いて、凄く心配したんだよ!?」
「えぇ。大丈夫よ。」
「よかった。ごめん、報せが届いた時、すぐに見舞いに行ったんだけど、僕が一般部隊だからって会わせてくれなかったんだ。」
「えぇ?な、なんで……。」
「その後何か縁があるのか聞かれて。隠れて会ってたことバレたらまずいから、言わなかったんだ。」
「正しい判断だと思う。ドラゴン騎士団って一般部隊には異様に厳しいから。」
私は柵の前に来た。フリッグも隣に立つ。
「正直言って……ドラゴン騎士団があまり好きじゃない。普通に色で分ければいいのに、なんでそこから更に一般精鋭って分けるの?」
「精鋭部隊の色が強いから?」
「……精鋭部隊の色は強くなりやすいってだけよ。そうじゃなきゃ、あなたとサンドラは何なの?私が育てたあなた達は、ちゃんと強くなった。想定を遥かに超えて見習い生を卒業した。もっと皆で特訓すれば色なんて関係ないのに……ごめんなさい。少し熱くなっちゃったわ。」
「それだけ君が一般部隊のことを考えてくれてるってことだよ。ありがとうステラ。」
私は顔を上げてフリッグを見た。今まで色んな男性と関わってきたが、こんなに落ち着くのはフリッグが初めてだった。
「私も、ありがとう。」
「うん?僕何かしたかな。」
「いや!なんでもない!」
「え?」
思わず私はフリッグを小突いてしまった。
「いてっ。」
「やめてよ。」
「はは、凄く嬉しいよ。……星、見えないね。」
「そりゃあ街の灯りが邪魔してるから……。」
「でも地上に星は沢山あるね。」
「……えぇ。」
「……君が入院してる間、ずっと退屈で楽しめなかったんだ。」
「そうなの。私も……に、任務とか行けなくてとても退屈だったって言うか。というか、あなた雰囲気変わったわね?どうしたの?」
「そうかな?」
「えぇ。休暇中の時とか見習い生の時はなんか……頼りなかったというか。」
「あはは……ちょっと恥ずかしいな。」
「今はなんだかたくましく感じる。」
「ほんと?嬉しいな。……多分、鎧が届いて、初めて任務に出たからだと思う。それでその時結構危なかったんだよね。ドラゴン騎士団ってさ、任務じゃない時はライダー達のほとんどがふざけあったり何かしら楽しんでるでしょ?」
「まぁ、そうね。あんまり病んでる人は見ないかも。」
「どうしてあんな雰囲気になれるのかなって。自分と相棒の命がかかってるのに。僕は……怖いよ。もしかして僕っておかしい?」
「ライダーにしては変かも。フリッグはまだ人間の感性が残ってるのかもね。王子にちょっと似てるかな。ライダーは良くも悪くも危険知らず。あとちょっと倫理観に欠けてる。」
「そうなんだ。」
「で?危なかったってどういうこと?」
「聞く?」
「……言いたくなかったら別に。」
「いや、聞いて欲しい。」

「フリッグ!もう任務入ったの!?」
「うん。」
「いいなー。オイラも早く行きたいよ。」
「サンドラは無いの?」
「うん。」
「任務に呼ばれる部隊と呼ばれない部隊の違いってなんだろう?」
「成績で決まってるはずだよ。茶龍部隊って結構怠け者多くってさ、あんまり呼ばれないんだよね。死亡者数も茶龍部隊の方が多いし。逆に紫龍部隊は結構優秀寄りって聞いた事がある。水龍、緑龍辺りもそうだね。精鋭部隊の青龍に色が近いからっていう説がある。赤龍に色が近い橙龍部隊も結構活発みたいだから有力なんだろうね。」
「へぇ。」
茶龍部隊は死亡者数が多い……ちょっと不安になるな。
「働き者のオイラはちょっと変わってるって周りからよく言われるよ。はぁ、早く行きたいな~。特訓の成果をあいつらにぶつけるんだ。」
「上手くいくといいけど。それじゃあそろそろ行くね。」
「土産話、聞かせてよ。」
「もちろん。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...