ドラゴン騎士団

カビ

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任務

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   僕は武具庫に向かい、自分の鎧を身につけた。
鎧を着こなす練習をしていたとは言え、やはり重いな。
手荷物の確認をし、アメリアの元へ向かう。
「あ、ワイアット。先に来てたんだ。」
「まぁね。初任務なんだろう?」
「うん。えっと、そこの2人は。」
「見ての通り同じ紫龍部隊のビースとショウラだ。ビースは紫龍部隊長だぞ。精鋭部隊だと2人か3人で任務だけど、一般部隊は4人か5人で任務に出るんだ。」
「へぇ。フリッグです。よろしくお願いします。」
「よぉ新入り、ビースだ。すごい優秀だって聞いた。部隊長の仕事疲れててな~正直変わってくれるの助かる。」
「ショウラよ、ヨロシクね。」
びっくりした。ステラ以外に女性ライダーがいるのかと思ったが、声質が男性寄りで喉仏もある。
「さてと、任務の確認だ。……うわ、まじか。」
「あら、どうかしたの?」
「えっと、砂漠の国……名前忘れた。そこで物々交換した後港に行って交易する。で、青龍部隊と合流し出現が予測されている厭世部隊の撃破。」
砂漠の国はレイビン王国だ。
「えぇ……青龍部隊。」
「赤龍部隊の方がまだマシだわ。」
「あの、青龍部隊がどうかしたんですか?」
「青龍部隊は気難しいのよ。何考えてんのか全然分からないわ。」
「オマケに冷たい。大体空気読めって目される。はっきりズバッと言ってくれる赤龍部隊の方がマシなんだ。気まずくなっから。」
すると、手を叩く音が響いた。ビースだ。
「君たち、教え合いは帰ってから。今は任務の時間だ。」
「あら、ごめんなさいね。」
「よし、じゃあ皆ドラゴン達に乗って出発しよう。」
僕達は頷くと、ドラゴンの住処に入り、アメリアの寝床に向かった。
「アメリア。」
  お待ちしておりましたよ。フリッグ。初めての任務ですね。
「うん。なんだか緊張する。」
僕はアメリアに乗りながら言った。
  そういうものですよ。
「アメリア、いつ鞍を着けたの?」
  このくらいならドラゴンもレガーレを使えるんですよ。
「全然知らなかった。じゃあ行こうか。」
彼女は小走りで外に向かった。
皆と合流すると、ビースのドラゴン、レンジャーが飛び立ち、僕らも後に続いた。
初めての任務、村以外初めての外。緊張とワクワクが止まらない。大変な思いもするだろうけど、楽しみの方が勝って思わず笑みがこぼれた。
  ご機嫌が良いですね。
  え?バレた?
  あなたの気持ちは手に取るように分かりますよ。
  さすがアメリア。楽しみで仕方ないんだ。サンドラと一緒に行けたらな~。
   まずはレイビン王国。砂漠だからか、ギラギラと太陽が僕らを照らす。
「相変わらずここは暑いわー。お化粧が汗で崩れちゃう。」
「国につけばそんなに暑くない。あともう少しだ。」
レイビン王国に着くと、ビースが僕達にメモと袋を渡した。
「ここからは別行動だ。メモに書いてある物と、袋の中の物を交換してくれ。店とその場所は書いてあるから。30分後くらいまたここに集合な。あぁそれと、偽声と偽名を使うのを忘れずにな。」
皆が返事をすると、早速対象の店に向かった。
   僕が交換するのは砂漠塩と金属類。元々レイ砂漠は海と繋がった巨大な湖だったが、急激な環境の変化によって干上がり砂漠化したという。それによって海塩が砂の中に混ざっている。
金属類は砂漠では取れない。しかし、砂漠の近くにはデイサリア山脈があり、そこに城を構えるデイサルディン王国がある。そこから金属や宝石などがレイビン王国に渡り、ダヴィンレイズ王国に渡るという感じだ。
「さぁさぁよってらっしゃい見てらっしゃい!取り扱ってるのはここだけ!レイビン王国名物砂漠塩だよ~!」
レイビン人は皆お団子結び……に見えるだけで実際はラクダと似たコブが頭部と手の甲に付いているのだ。それによって数日間飲まず食わず生活出来る。
僕は咳払いをし、声色を変えて話しかけた。
「砂漠塩をいただけないだろうか。」
「おや?見ない客だね。もしかして新入りのダヴィンレイズ王国の人かい?あんた名前は?」
「えぇ。フリアと申します。」
フリア。僕の名前とアメリアをもじったものだ。
「テートだ。砂漠塩は普通の塩と違ってね、結晶が大きいんだ。でもそんなに塩っぱくないからすんなり食べられるし、料理を華やかに見せられるのさ。っていつも通り頼まれ事なら知ってるか。いつものを頼むよ。」
僕はメモを確認し、砂漠塩と交換するものを渡した。渡したのはキャベツやきゅうり、ナスといった砂漠では栽培できない野菜だ。
「助かるよ、ありがとうね。」
「こちらこそ。では。」
「もう行ってしまうのかい?せっかく来たんだからゆっくりしていけばいいのに。初めて来たんだろう?」
「はい。そうしたいのは山々なんですが、仕事なので。」
「そうかい。またおいでよ。」
僕はテートに会釈すると、金属類のお店も同じように交換した。そして軽く街を見て回って集合場所に戻ってきた。
「あと一人……またショウラか。」
「一応まだ時間じゃないが、多分10分は遅れるんじゃないか?」
「言えてる。」
「えっと……?」
「あぁすまんすまん。ショウラは美容に五月蝿くてな。外に出ると化粧屋とかその辺回ってるんだ。」
しばらく待つと、10分とまでは行かなくても、5分遅れてショウラが戻ってきた。
「ごめんなさいね~。新作があったから色々買ってきちゃったわ。」
「ったく。ちゃんと目的の物交換したか?」
「もちろんよ。あたしを誰だと思ってるの?」
「はいはい。次行くぞー。」
   国を出てドラゴン達と合流すると、背に乗って港町に向かった。町は南南西にある。
南南西か。故郷の村通るかな。はぁ、長期休暇紙いつ渡されるのかな。久々に帰りたい。いや、まだ全然成績残してないからダメか。ドラゴン騎士団、楽しいけどやっぱり故郷が恋しくなる。
上空の移動にも慣れたな。初めてアメリアに乗った時はすぐに降りたくなったのに。
港町に着くと、辺りを見回した。
「見たことないものばかりだ。」
「外国の物だからなー。」
「ここ以外にもドラゴンはいるのかな?」
「いるという話は聞いたことあるが、ここと違ってかなり野性的らしい。あとは人の姿になれるようなやつとか、王国を滅ぼすような奴、神として崇められるようなドラゴンもいるらしい。」
「ピク村で崇められているあの長い生き物もドラゴンらしいわ。」
「本当かどうかはよく分からないがな。ここにとっちゃ他の国のドラゴンは想像上の生き物という説がある。というのも、ドラゴンは神のお使いであって神になることも邪になることも野性になることもないと考えられてるからな。それで、神々が俺たちにドラゴンを託したのは奇跡だと。」
   グラダリウス大陸の国々は外国とはほとんど交流しない。必要なものだけ交易するくらいだ。だからよく分からない。でも、これくらいの関係値の方が丁度いい。変に押し寄せられても正直困る。ただでさえジュンブレス王国でゴタゴタしているから。
ここでもレイビン王国と同じように交易した。
「よし、時間ピッタリだな。この後青龍部隊と合流だ。」
「青龍部隊だけで撃破出来ないのかしら?」
「めちゃくちゃ数多いって聞いてる。」
「じゃあ他の精鋭部隊と一緒に行けばいいじゃない。」
「精鋭部隊同士あんまり仲良くないからなー。黒龍と白龍はいつもドンパチやってるし、青龍と赤龍は鉢合わせるとなんかお互い気まずくなってるし、何故か金龍と銀龍だけ仲良いし。これ以外の組み合わせだとなんか息合わなくて失敗が多いんだと。」
一般部隊との方が余計気まずいと思うのだが。
とりあえず僕達は合流場所に向かった。
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