アパート管理人はダンジョンマスターを兼務する

深香月玲

文字の大きさ
24 / 47

第24話 To be or not to be, that is the question;

しおりを挟む
蕎麦屋を出た後はスーパーに寄ってみた。
ここも、いくらまだ昼過ぎで間もないとは言え、人が少ないと思う。
レジも常時人がいることができずに、呼び鈴を置いて鳴らしてもらっているようだ。

これは都市部では流通とかが機能しなくなって大手スーパーとかコンビニに並ぶ商品数も激減しそうだね。
ならばということで、二人にも手伝ってもらっていろいろと買いだめしておくことにした。
幸い、異次元収納は時間経過しないので足がはやいものでも気にすることなく買い放題だ。

だけど、だんだん円安も進行して物価も上がってきてるからついつい特売品に目がいってしまうのは仕方ないよね。
昨年末は115円ぐらいだったのに、先月にはついにバブル期以来の150円超えたのには驚いたね。
ちなみに昨日時点で146円台にまでは下がってきているけど、今後どうなることやら。
今年の2月にロシアがウクライナに侵攻した影響も大きかったみたいだね。
ウクライナの小麦が輸送できなくなったり、エネルギー資源問題とかいろいろ浮き彫りになってしまったものね。
私としては早くロシアの大統領が諦めてくれることを祈るばかりだが、実際の働きかけは政治家に頑張ってもらうとしよう。
このダンジョン問題が世の中に広まったらさらに円安が進行しちゃうかもね。
それなりに給料もらってるんだから危機的状況でこそちゃんと働いてくれよ、議員さん。

そう言えば、地方選出の国会議員って確か赤坂とかの都心の一等地にある議員宿舎に周囲の相場とはかけ離れた家賃の安さで住んでるんじゃなかったか。
赤坂の場合、近隣の同じぐらいの賃貸が月額50万ぐらいだけど10万以下で入れるらしい。
って、家賃のことは問題だけどそうじゃなくて議員宿舎ってダンジョン化しているのか、ダンジョン化しているならダンジョンマスターは誰なのかって話だ。
もし出られないのをいいことに働かなくていいや、とか思ってるなら全員駒にして世代交代させてやろうか。
今、臨時国会中だったはずだからこの後の情報番組やニュース辺りで何か取り扱われるかもしれない。要チェックだ。

樋渡さん、伴さんには全体の備蓄品ということで水や食料、生活用品など幅広く買い集めてもらって会計を済ませると憚るような人目はそれほどないが、一応監視カメラの死角で異次元収納へと格納する。
傍から見るとひとつの段ボール箱に大量の物資が消えていくのは異常な光景だったことだろう。

「こんなに大量に買うの初めてです。よくわからないけど楽しいですね。」

「私もこんなの初めてです。すごく気持ちよかった。もう一回していいですか。」

字面だけ見るとなんかアレだな。
っていうか、この子は表情も作ってるし、わざと言っている節があるな。

「手伝っていただいたお礼に自分用に好きな物を買ってくださって結構ですよ。」

「やったあ、さすが多田さん太っ腹。でも節度は守ります。殿、上限は如何程でしょう。」

「じゃあ、キリのいいところで一万でどうですか。」

「ははぁ、ありがたき幸せ。」

樋渡さんはお酒の棚の方に飛んで行った。

「伴さんは行かないんですか。」

「私もいいんですか?大してお役に立ってないですよ。寧ろ獣人になっちゃうのを助けてもらって私がお礼したいくらいです。」

そう言って私の腕にしがみついてくるので、けしからん柔らかさが腕に伝わってくる。
な、なんてことをするんだ。

「梨ー香ーさーん。」

プレミアムビールの500ml六缶パックと、ワインボトルを二本抱えた樋渡さんが5m先から睨みを利かせてくれたので、伴さんが慌てて私の腕から離れてくれた。

「あはは、5カウント以内です。」

「勝手にプロレスルールにしないでください。一発レッドカードでもいいくらいですよ。」

「はーい、次はちゃんと二人きりの時にします。」

「そういうこと言ってるんじゃありませんからね。多田さんも気を付けてくださいね。何かあったら恵理ちゃんに申し訳が立ちません。」

「はぁ…。」

一体、何に気を付ければいいんだろう。
樋渡さんの抱えていたお酒の会計を済ませて帰途につく。

「それはそうとして、102号室にある家具って使わせていただいていいんですか?」

そうなのだ。
実は、娘が来た時に宿泊所代わりに使ってもらおうか、もしくは今私が使ってる部屋を娘に使わせて私が102号室を使おうかと思って、新しい借主を募集しないで私が以前使っていたものは大体残してあったりする。

「私が以前使ってたものですが、嫌じゃなければ使ってくださって構いませんよ。」

「そうなんですか、多田さんが使ってたものなんですね。道理で、ムフ。ありがたく使わせていただきます。」

「えー、いーなー。あの60インチのテレビそのまま残してたの?」

「テレビぐらいなら譲りますよ。その代わり、判ってますよね。」

「うーん、テレビか、友情か、それが問題だ。」

なんだ、そのハムレットの出来損ないみたいなの。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。 完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。 【捕食】 それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。 ゴブリンを食べれば腕力を獲得。 魔物を食べれば新スキルを習得。 レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。 森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。 やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。 これは―― 最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。

処理中です...