ただΩというだけで。

さほり

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監禁

4.

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    一人になった部屋で、津田は手錠で繋がれた両手首を見た。そこに結ばれているロープの結び目は、爪を立てると簡単にほどけた。結ばれたままでも、ベッドの脚を浮かせば外せたはずだ。

  河野はもともと、目覚めてすぐの津田が自分に跳びかかるのを防ぎたかっただけなのだろう。津田が自分で外せることを想定していなければ、部屋の隅にある冷蔵庫に食料が入っていても意味がない。

  ロープは簡単に外れたが、節の高い男の手が手錠から抜けるとは思えなかった。後ろ手に拘束されているわけではなく、肩幅程度になら腕も開く。そのままでもそれほど不自由はしなそうだったので、むやみに外そうとするのはやめた。

  6畳ほどの部屋に、シングルベッドが置いてある。他には、おそらく食事用の小さなテーブルと冷蔵庫。殺風景だが、一見普通の部屋だ。

   一つだけある窓は下からスライドさせて開けるタイプのもので、換気用なのか、10cm程度しか開かない。窓の向かい側はビルの壁で、景色どころか空の色も見えなかった。

  部屋にはユニットバスがついていて、手錠がもどかしいがシャワーも浴びられるし用も足せる。

  河野が言ったとおり、冷蔵庫には飲食料品が十分に入っていた。コンビニにあるような菓子パンや総菜に、プラスチックのフォークとスプーンもついている。ドアポケットにはペットボトルのお茶や、缶ビールまで冷えていた。

  こんな状況でなければ、快適に過ごせそうな部屋ではある。

  津田はペットボトルのお茶を取り出すと、ふたを開けて一気に中身を半分ほど飲んだ。河野の目的が本人の言ったとおりなら、毒を仕込んでいる心配はないだろう。

(律は…… どうしたかな……?)

  河野からは、わずかに酒と煙草の匂いがした。飲み会の帰りだとすれば、今はもう夜だ。

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