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年の瀬
2.
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そう訊かれてまじまじと見ても、袋に詰まった細かく白い粒は鳥の餌にしか見えない。パッケージには大きな字でQUINOAと書かれていた。
「うちの弟夫婦がね、仕事でボリビアに住んでるんだけど、休暇で帰って来てるのよ」
「アフリカですか」
「南米」
即座に切り返されて、津田は少し恥ずかしかった。化学の知識なら多少誇れるものがあるのだが、世界地図はほとんど頭に入っていない。
飯野はパタパタと手のひらを振りながら、「知らない方が普通よぉ」と笑ってくれた。
「それでこれ、お土産にってもらったんだけど、うちでは使い道がなくって。一回開けちゃってて悪いんだけど、日本だとわりと高級食材だし、栄養面とかすごくいいらしいから、お蔵入りもどうかと思ってね」
「食べ物なんですか?」
「そうそう。キヌアっていうの。聞いたことない?」
多分ない、津田はそう思った。高級食材になど、生まれてこのかた縁がない。知らぬ間に食べていたということもなさそうだ。
「今はやりの、スーパーフードっていうのらしいのよ。WHOも注目してるって言ってたわ。おしゃれなレストランとかで、サラダとかスープに使われているらしいんだけど、私は凝った料理なんてしないし、使いきれないなぁと思って。津田さんよかったら、もらってくれない?」
そう言われ、津田は戸惑った。開封してあることなど気にならない。食材をもらえるのは素直にありがたいし、栄養価のよいものであれば律にも食べさせてやりたい。でも、おしゃれな料理などというものに縁遠いのは、津田家とて同じだった。
すると津田のためらいを感じ取ったのか、飯野が慌てたように言葉を継いだ。
「うちの弟夫婦がね、仕事でボリビアに住んでるんだけど、休暇で帰って来てるのよ」
「アフリカですか」
「南米」
即座に切り返されて、津田は少し恥ずかしかった。化学の知識なら多少誇れるものがあるのだが、世界地図はほとんど頭に入っていない。
飯野はパタパタと手のひらを振りながら、「知らない方が普通よぉ」と笑ってくれた。
「それでこれ、お土産にってもらったんだけど、うちでは使い道がなくって。一回開けちゃってて悪いんだけど、日本だとわりと高級食材だし、栄養面とかすごくいいらしいから、お蔵入りもどうかと思ってね」
「食べ物なんですか?」
「そうそう。キヌアっていうの。聞いたことない?」
多分ない、津田はそう思った。高級食材になど、生まれてこのかた縁がない。知らぬ間に食べていたということもなさそうだ。
「今はやりの、スーパーフードっていうのらしいのよ。WHOも注目してるって言ってたわ。おしゃれなレストランとかで、サラダとかスープに使われているらしいんだけど、私は凝った料理なんてしないし、使いきれないなぁと思って。津田さんよかったら、もらってくれない?」
そう言われ、津田は戸惑った。開封してあることなど気にならない。食材をもらえるのは素直にありがたいし、栄養価のよいものであれば律にも食べさせてやりたい。でも、おしゃれな料理などというものに縁遠いのは、津田家とて同じだった。
すると津田のためらいを感じ取ったのか、飯野が慌てたように言葉を継いだ。
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