ただΩというだけで。

さほり

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睦月のむつごと

10.

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  えっ 、と思って見上げると、津田は眉根を寄せて、短い吐息を繰り返している。上腕の細い筋肉が、指先の動きに合わせてピクピク動いていた。

「は…… んん…… 」

  吐息の合間に、喉の奥から小さな声が漏れる。見えない指先を動かすたびに、その手が乾の太腿を掠めた。

(自分、で…… 慣らして…… ?)

  その切なげな表情に、震える身体に、胸が苦しくなる。乾は腕を伸ばして、津田の肘にそっと触れた。

「それ…… 俺にやらせて…… ?」

  津田は迷うような間をおき、「だめ」と言って微笑んだ。
  さっきは、身体に触れたくて伸ばした手を止められた。もう触るなということだろうかと、ゆるい拒絶に悲しくなる。目を伏せた乾の手を、津田の濡れた手が迎えに来た。

「その代わり…… 」

  彼はそれを、ゆっくりと自らの屹立に導いた。

「こっち、触ってくれる?」



  乾は導かれた幹より先に、その先端に溜まった蜜を指先ですくいあげた。

「ん…… っ」

  短い声をあげ、津田が身震いする。見上げると、彼は潤んだ目を逸らし、薄い唇を震わせていた。そのまぶたの縁はほのかに赤く色づき、羞恥や屈辱で震えているのでないことを伝えている。

  すくい取った雫を塗りこむように先端を撫でると、乾の腿に乗った津田の腰がビクビクと痙攣した。
  人差し指のはらで鈴口を愛撫しながら、亀頭頸を包み込む。手のひらで優しく揉むと、短い吐息の合間に抑えきれない喘ぎ声が漏れた。

  津田の濡れた屹立を包む手のすぐ隣に、乾の剛直をしごく津田の細い指がある。互いを愛でる指が触れるたびに、欲情を孕んだ視線が絡み合う。
  恥ずかしそうにそれを逸らした津田が伏し目のまま口角を上げるのを、乾は熱に浮かされた夢のような気持ちで見ていた。

「津田さん…… 」

  名前を呼んでも、その後に言葉が続かない。
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