ただΩというだけで。

さほり

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睦月のむつごと

9.

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  もしかして津田は、じぶんがそれを使うのは人生で初めてだということに感づいたのだろうか。以前話した内容から、それを推測することは難しくないだろう。
  そう考えると、乾は経験の違いにいたたまれない気持ちになった。

  津田が裏表を確認する間に、自分の下着を剥ぎ取る。見なくとも、それが津田のものより盛大に怒張していることくらい分かる。
  津田は斜めに腰を落として乾の太腿に尻をつけると、慣れた手つきでその屹立にラテックスを被せた。

「やっぱ、でかいな…… さすが、α」

  うっすらと笑みを浮かべて、津田が呟く。その薄い弓形の口唇に、耐え難い色気を感じるのはなぜだろう。

  張りつめたものを覆ったラテックスの上から、津田の長い指が乾のものをしごく。そうしながら、彼の目がふっと部屋を見渡すように泳いだ。

「…… どう、しました?」
「あ、いや…… ゴム、ありがと」
「いえ…… ?」

  部屋で何か気になることがあるのかと津田の視線を追うが、分からない。彼に極部をしごかれているこの状況で、視界が狭くなっているのかもしれないが。

  津田は左手を休めることなく、右の手指を自分で舐めた。長い中指と薬指を挟んだ濡れた唇は官能的で、見惚れるほどに美しい。
  節の高い手。甲に浮き出た細い骨。両の鎖骨と、その間にある窪みも、薄い胸も。36歳の津田の、今のこの姿を見ているのは自分だけだと思うと、突き上げるような喜びを感じた。

  薄明るい昼間の室内で見つめられていることに気づいた津田は、恥ずかしそうに目を伏せた。そして手筒の圧を強めると、乾の屹立を根元から絞り上げた。

「ちょ…… っ!」

  少し捻りながら絞り上げる手つきに、否が応でも熱が高まる。身体中の血液が、そこに向かって流れこむように感じた。
  乾が快感で目を逸らしている隙に、津田の濡れた指が口元から消えている。肩から目で辿ると、その先は彼の臀部に伸びていた。
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