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このまま目を覚まさなくても
4.
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看護師に案内された小さな部屋には、くたびれた印象の白衣の医師が一人座っていた。
40代だろうか、PCモニターの光に照らされた彼は、乾の入室に気づくと座って少し待つように指示した。カタカタと音を立てて打ち込んでいるデータは、おそらく津田の処置に関するものだろう。
手術室から出てきたこの医師が、目線とわずかな肯首だけで津田の無事を伝えてくれた時、乾には彼が神に見えた。手術着を脱いでも、その顔を見間違えることはない。
津田の手術と現状の説明を聞くため、乾は医師に指示された回転椅子に腰をかけた。
津田は今、特別室で眠っている。
乾が呼んだ救急車で病院に搬送された彼は、慌ただしく運び込まれた手術室で一命をとりとめた。駆けつけた救急隊員の様子から、津田が生命の危機にあったことは明らかだ。
乾は手術室前の無機質な廊下で待つ間、カタカタと鳴る歯をグッと噛みしめた。すると、その歯列が津田のうなじに食い込んでいた時の感覚が蘇り、叫びそうになるのを必死でこらえた。顎に残る鈍痛は、それだけ強い力で噛んでいたという証拠だ。
術後、意識のないまま病室に移された津田は、まだ目を覚ましていない。包帯で首を巻かれ、縫合した患部が下にならないよう身体を横向きに固定されていた。
点滴の管に繋がれた彼は、河野のマンションから助け出した後の姿を彷彿とさせる。
あの時、なんて酷いことをと、乾は内心憤った。それなのに、今津田を病院のベッドに繋いでいるのは、他ならぬ自分自身だ。
乾は彼の現状を思い出し、顔をしかめてうなだれた。
「合意でしたか?」
突然かけられた声に、乾は驚いて顔を上げた。医師は青白い顔をモニターに向けたまま、横目でちらりと乾を見た。
「乾さんですね。津田、幸生…… さんの番の。今回、番の成立は合意でしたか?」
40代だろうか、PCモニターの光に照らされた彼は、乾の入室に気づくと座って少し待つように指示した。カタカタと音を立てて打ち込んでいるデータは、おそらく津田の処置に関するものだろう。
手術室から出てきたこの医師が、目線とわずかな肯首だけで津田の無事を伝えてくれた時、乾には彼が神に見えた。手術着を脱いでも、その顔を見間違えることはない。
津田の手術と現状の説明を聞くため、乾は医師に指示された回転椅子に腰をかけた。
津田は今、特別室で眠っている。
乾が呼んだ救急車で病院に搬送された彼は、慌ただしく運び込まれた手術室で一命をとりとめた。駆けつけた救急隊員の様子から、津田が生命の危機にあったことは明らかだ。
乾は手術室前の無機質な廊下で待つ間、カタカタと鳴る歯をグッと噛みしめた。すると、その歯列が津田のうなじに食い込んでいた時の感覚が蘇り、叫びそうになるのを必死でこらえた。顎に残る鈍痛は、それだけ強い力で噛んでいたという証拠だ。
術後、意識のないまま病室に移された津田は、まだ目を覚ましていない。包帯で首を巻かれ、縫合した患部が下にならないよう身体を横向きに固定されていた。
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あの時、なんて酷いことをと、乾は内心憤った。それなのに、今津田を病院のベッドに繋いでいるのは、他ならぬ自分自身だ。
乾は彼の現状を思い出し、顔をしかめてうなだれた。
「合意でしたか?」
突然かけられた声に、乾は驚いて顔を上げた。医師は青白い顔をモニターに向けたまま、横目でちらりと乾を見た。
「乾さんですね。津田、幸生…… さんの番の。今回、番の成立は合意でしたか?」
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