ただΩというだけで。

さほり

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約束

8.

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「津田さん…… ちゃんと、意識ある?」

  そう聞くと、津田は顔を包まれたまま顎を引いた。

「よかった…… 俺も、大丈夫そうだから…… 今日は、優しく、させて…… 」

  この前と同じようなヒートになってしまったらと、 抑制剤ピルをやめた津田の発情に、乾は密かに不安を感じていた。
  二度とひどい抱き方をしたくない。そう思ってはいても、自分だけのものなった津田への支配欲で、またあんなふうになってしまったら……
  制御できない己の凶暴性を恐れていた乾は安堵の息を吐き、潤んだ瞳で見上げるつがいに微笑みかけた。

「好きだよ、津田さん…… 」

  愛しいという気持ちばかりが湧いてくる。焦燥も嫉妬も、征服欲もまるで感じず、ただ彼を愛でて愛でて、幸せにしたいとしか思わない。そんなふうに思える自分が、嬉しかった。

  乾が頬を撫でると、津田はくすぐったそうにふわりと笑った。そうして幼い笑顔を見せた後、舌先を伸ばして乾の手をペロリと舐める。親指で唇をなぞると、赤い舌でそれをねぶり、吸い込むように口腔に迎え入れた。
  官能というよりは、ただしたいからそうしているというていで、津田は熱心に乾の指をしゃぶっている。その表情は恍惚として、他に何も見えていないようだった。

「美味しい?」

  懸命さがかわいくてそう聞くと、津田は口に親指を含んだままコクコクと首肯した。
  いた方の手で彼を拘束しているシャツを解き、津田の手を取る。乾はその指を口に含まずに一本ずつ、ゆっくりと舐めた。

「ん、んぅ、ん、ふっ、んん…… 」

  親指で塞がれている津田の口から、甘い吐息が漏れる。指の間の薄い水かきを舌先でくすぐり、彼の口の中にある親指の先で歯列や上顎を撫でると、果ててすぐに硬さを取り戻した津田の先端が、再び透明な体液で自身を濡らし始めた。
 
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