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Tokyo
6.
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悔しくてそう言ったけど、2ヶ月前に匠に言われたことにも、オレはすごく打ちのめされた。匠がオレに傾いてくれる可能性なんか、1%もないんだなって、思い知らされたから。
「ミカオが俺に抱かれて気持ちよさそうにしてるの見て、比呂がネコに興味持ってくれたらいいなって思ってたんだけどさぁ。向こうも同じようなこと考えてたみたいで、こりゃだめだなって、笑っちゃったよ。でも、そんな話して笑いあえるのって、俺にとっては比呂だけだしさ」
愛しそうに目を細めながら、
「ごめんな、ミカオ。俺、比呂のこと大好きなんだよ」
って、匠ははっきりとオレを振った。
それからも全然、オレのこと意識したりギクシャクしたりしないのがなんか、最初からおまえなんか眼中にないし、そんなことで2人の関係は揺るがないんだよって、見せつけられてるようでつらかった。
でも2人に求められる以上、オレの方から離れるなんて考えられなくて。
匠はなんでオレより比呂がいいんだよって観察するうちに、比呂の包み込んでくれるような温かさも、いいなって思うようになっちゃったんだ。
「知らねぇからな。匠がそのうちオレに本気になったら、オレ匠のことおまえから奪っちまうからな!」
全然そんな日が来るとは思えないけど、強がりたかったオレは比呂にそう、悪態をついた。
「その時は男らしく諦めるよ。それより今日はどうする? もうすぐ匠が来ると思うが、ミカオがつらいなら今日は無しにしても…… 」
「それも! 匠にも言われたよ。なんでおんなじこと言うのおまえら? そんなに通じ合ってんのに、なんでタチだけは譲れねぇの?」
「なんであんなに頑ななんだろうなぁ、あいつ」
「おまえもだろ!」
「俺にネコができるわけないだろ」
「ミカオが俺に抱かれて気持ちよさそうにしてるの見て、比呂がネコに興味持ってくれたらいいなって思ってたんだけどさぁ。向こうも同じようなこと考えてたみたいで、こりゃだめだなって、笑っちゃったよ。でも、そんな話して笑いあえるのって、俺にとっては比呂だけだしさ」
愛しそうに目を細めながら、
「ごめんな、ミカオ。俺、比呂のこと大好きなんだよ」
って、匠ははっきりとオレを振った。
それからも全然、オレのこと意識したりギクシャクしたりしないのがなんか、最初からおまえなんか眼中にないし、そんなことで2人の関係は揺るがないんだよって、見せつけられてるようでつらかった。
でも2人に求められる以上、オレの方から離れるなんて考えられなくて。
匠はなんでオレより比呂がいいんだよって観察するうちに、比呂の包み込んでくれるような温かさも、いいなって思うようになっちゃったんだ。
「知らねぇからな。匠がそのうちオレに本気になったら、オレ匠のことおまえから奪っちまうからな!」
全然そんな日が来るとは思えないけど、強がりたかったオレは比呂にそう、悪態をついた。
「その時は男らしく諦めるよ。それより今日はどうする? もうすぐ匠が来ると思うが、ミカオがつらいなら今日は無しにしても…… 」
「それも! 匠にも言われたよ。なんでおんなじこと言うのおまえら? そんなに通じ合ってんのに、なんでタチだけは譲れねぇの?」
「なんであんなに頑ななんだろうなぁ、あいつ」
「おまえもだろ!」
「俺にネコができるわけないだろ」
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