背徳のアルカディア

さほり

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Brothers

4.

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 膝に乗せた弟の腿の間で、エメットがおもむろに自分の前をくつろげる。そこに現れたのは、赤黒く怒張した凶悪なもの。醜い欲望が具現化したような姿は、自分でも目を背けたいほどだ。

「怖くないか? この、姿でも……」

 エメットが聞くと、アゼルは潤んだ目を細めて首を振った。

「兄さんなら、どんな姿でも……たとえ大蛇になってても、怖くなんかないよ」

 彼はそう答えて膝立ちになり、その凶悪なものの先端を小さな後孔に押し当てた。

「ん、んん……っ」

 アゼルがゆっくりと腰を落とし、大きな熱が柔らかな肉に沈んでゆく。

「んぁぁ……っ」

 アゼルが自らそれを受け入れたのは、兄の心にある怯えに気がついたからだ。その優しさを涙が滲むほど嬉しく思いながら、エメットは彼の耳元で低く囁いた。

「自分から挿れるなんて、いつからそんな淫乱な子になった?」

 太く熱いものに貫かれ、生理的な涙を下まぶたのふちいっぱいに溜めたアゼルは、薄い唇を震わせた。

「ごめんなさい……」

 笑顔でその唇を塞ぎ、小さな舌を思うさま貪りながら、エメットはゆっくりと腰を動かした。強く突き上げないように、無理に押し拓かないように。慣らしながら少しずつ進めて、弟の中に埋まるのはやっと半分だ。

「アゼル、愛してるよ」
「兄さん、僕も……」

 唇を離しては愛を囁く。それに応えていたアゼルは次第に夢見るような表情になり、熱い息とうわずった喘ぎを漏らすだけになった。

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