人気=幸せとは限らないか……。人気が出たり嫌われ者だったりマイナーだったりと、色んな存在に概念が付けられている不思議。

月澄狸

文字の大きさ
1 / 1

人気=幸せとは限らないか……。人気が出たり嫌われ者だったりマイナーだったりと、色んな存在に概念が付けられている不思議。

しおりを挟む
 私たちの愛情や関心は基本的に偏っている。人間に害を及ぼす生き物は駆除するけど地球環境に害を及ぼす人間は駆除しないとか。人間を害獣とは呼ばないとか。人気の動物はグッズも作るしテレビで特集もするし本も売り出されるし、人間に愛されているとか。私たちの感覚は作り物だ。

 みんなそれぞれ違うものに関心を持つからこの世はうまく回る……と言うけれど、表面的には偏って見える。一部のものだけすごく人気で、似たような他のものは見向きもされなかったり。不公平だ。この気持ちを例えるなら……クラスの人気者に対する隠キャラの嫉妬だろうか。

 私はこの間キンクロハジロを見て衝撃を受けた。なんて堂々とした、迫力のある眼差しなのだろうと。アオサギも凛とした美しさを持っている。



 こんな鳥たちが身近にいて、動物園じゃなく自然の中で暮らしていたのだ。自分たちの力で。

 しかし、テレビでよく見るのはハシビロコウだ。ハシビロコウの何が特別なのかは分からないけど……と言うとハシビロコウに失礼だけれど、なんというか、「何か一つだけが人気で他のものは知名度がない」という状況が常にある。そしてラーテルやチンアナゴやチベットスナギツネみたいに、何かのきっかけで人気が出て知名度が上がる生き物もいる。

 人気とはそんなに偉いものなのか。現代では人気は権力より強いのか。なんとなく、集団心理的な危機感を覚える。


 小説投稿サイトで活動している方はよく言っている……埋もれていても面白い作品はあると。
 この世には魅力的なものがいっぱいだ。しかし人気が出て光が当たるのはごく一部。かなりの偏りを感じる。そして人気とかそういう力を得るための行いを人は「努力」と呼ぶのだろうか。当然のような奇妙なような。

 よく考えたら日本で人気の生き物って海外の生き物ばかりだなぁ。植物も動物も。可愛いと思われるもの、美しいと思われるものも海外の雰囲気っぽいし。ありふれたものより珍しいものに惹かれるのかな。でも逆にパターン化してありふれていたり。

 あと、「可愛い」と言われる生き物は限られているなぁ。ナメクジやコウガイビルや虫たちが「可愛い」キャラとして登場することはあまりないし、話題にも上がらない。もっと色んなものが人気になってほしい。


 とはいえ、人気者には人気者の、嫌われ者には嫌われ者の苦労があるんだろうな……。人や作品であれば人気が出ればアンチも増える。人気になった動物は密猟されたり売られたり。あと、人気の動物でも虐待されたり駆除されたりしているし……捨てられて外来種となって駆除されているアライグマや、密猟されたカワウソの話を聞いていると、注目されたり人気が出たりすることが幸せとは限らないと思う。


 うん、人気でも人気じゃなくても……それぞれの幸せ、好きなものを見つけて自分らしく過ごせれば良いか。……そんな気がしてきた。

 誰も嫌われず追いやられず、のほほんと平和に暮らせる世界になれば良いのになぁ。そのためには物を食べる行為と重力を無くすべきか。(どうやって?)










しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

アルファポリスの禁止事項追加の件

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスガイドライン禁止事項が追加されるんでガクブル

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います

こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

処理中です...