生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。

月澄狸

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楽観視の敵

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 ネガティブなままではいけないからポジティブになろうとしても、やはりどう考えてもおかしい。「高齢者は集団自決しろ」みたいな考え方が、普通に身近にはびこっている。「老人がいつまでも生きていても仕方ないよねぇ」みたいな。
 そしてそれに反論するパワーのない自分がいる。身近な人と喧嘩したところで無駄だし、綺麗事には力がない。

 私なんか若くても、何の役にも立っていないのに。ご老人でも、頑張っている人はいるのに。

 私は同じことばかり言っていて、慈善活動をするとかでもなく、世の中に訴えたいことを作品にするでもなく、進展がないとは思う。着地点が見えず、諦めてしまって、同じことばかり言っている。


 生まれてきたときは、新しい時代を担う若者だともてはやされ、年老いたら「もう用済みだ」とばかり、厄介者みたいに言われる。人を殺したら罪になるから、基本的に殺されはしないものの、「早く死んでくれたらいいのに」みたいなニュアンスのことを、遠回しに見聞きし続ける。

 それで、まだ別に年老いたとは言えない今から、未来に絶望する。命を食い潰され、時間を吸い尽くされ、一生懸命働いて、最後は敬意もなくゴミのようにポイですか。


 年寄りだけの話じゃない。障がい者とか、引きこもりやニートとか、そういう存在にも世間は目を光らせ、罵る、あるいは嘲笑う。
 役に立つか、立たないか。生産性があるか、ないか。そんなことばっかり。

 働いてきた老人と働かないニートは違うって?
 あれとこれ、それとこれ、線引きする場所が人それぞれ違うだけだ。野菜は食べていいけど動物は可哀想とか。

 そりゃ動物だって、食い潰されるためだけにどんどん生産されて、たまに病気の蔓延防止のために食べられもせず殺処分されたりもして、気の毒だし。人が動物にこのような仕打ちをできるなら、人が人にこのような仕打ちをすることも、まぁ当然なのかもしれないけどさ。


 人の痛みが分からない者に生きる価値があって、痛みを感じて動きにくくなった人間には価値がないのか。

 悔しい。腹が立つ。尊いのは命であって労働力ではないんじゃないのか。
 人類の言う「生産性」で、地球は破滅に向かっているというのに。

 こんな社会、ぶっ潰れてしまえばいい。大いに混乱すればいい。
 けれどそうなったとき最初に死ぬのは、やはりいわゆる弱者なのかもしれない。


 こんなにゴタゴタ言うなら、まず介護とか福祉とかの仕事いっぺんやってみろよ。それでもう一度綺麗事吐いてみろよ。と思われるだろう。
 私には無理だ。介護も福祉も、みんながちゃんとやっている出産・子育ても。ひたすら逃げ腰で無気力なクズだから。社会不適合者だから。

 言い訳ばっかり。
 けれどそれだけじゃなく、私はいつか妊娠したら、産んで育てられないから中絶するかもしれない。

 快楽や依存のために命を弄び、潰すなんて。そうなったら私はもう、卑怯で口ばかりの偽善者でさえいられない。つかめるものがなく、信念も理想もなく、人からも責められ、どんどん堕ちていく。

 どうなるのだろう。どこを向いても不安ばかり。
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