生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。

月澄狸

文字の大きさ
31 / 32

今日が一番若いと言うけれど

しおりを挟む
 楽しいことをしていると、もっともっと生きていたいなぁと思う。
「自殺したいのに怖くて死ねない」みたいに言っている日もあったのに。矛盾していると思われるだろうか。
 気分が日替わり……というより、複雑な気持ちである。

 もっと生きていたい。正確には、元気でいたいというか、死にたくないというか、ずっとこのままであれば良いのにな、みたいな。サザエさんとかドラえもんとかみたいに。誰も年を取らず、みんな変わらないまま。

 それじゃつまらない、と言う人もいるんだろうか。
 死に向かっていくことがあんまり楽しそうじゃないから、アニメみたいに年を取らなきゃ良いのにと思ってしまう。今じゃなく、もっと若かった頃に戻りたいという人もいるはず。
「そんな気の滅入るようなことばかり言ったってしょうがないだろう」と言う人もいるかもしれない。ままならないことを嘆いたって、夢物語を語ったって無駄だ、って。

 私は一応、前世とか生まれ変わりとか、幽霊とか魂とか信じているから、「なぜ生まれてくるんだろう」「なぜ生と死を繰り返すのだろう」と思っている。
「それはこうだからです」と決定してくれる考え方もあるけれど、それだって、実際その通りなのかは分からない。

 楽しいから、もっと生きていたい。それって贅沢なんだろうか。「ああ楽しかった。もう十分生きさせてもらった。幸せだったよ。ありがとう」と言うのが、美しい散り際と言われている気もする。
「あなたはもう十分生きたでしょう。次の世代に譲ってください」なんて言われそうな気もする。寂しいような怖いような。
 生き物たちも、最期まで生きようとしているように見えるけれど、精一杯生きて死んでゆくことに、文句は言っていないみたい。

 人も動物も、幼い頃は元気に跳ね回っていたのが、大人になると落ち着き、やがてゆったりとした歩みになってゆく。
 年を取るって、悲しいことのようにも見えるんだけれど、案外それにはそれの楽しみや喜び、悟りみたいな感覚があるのだろうか。

 私は元々、目が悪くなかった。私は元々、元気に歩けていた。
「できる」ができなくなっていくから悲しそうなのだけれど、最初から歩みのゆっくりな生き物も、目が退化した生き物も、足がない生き物もいる。そう思うと、過去と比べず今だけを見たとき、「私はこういう生き物なのだ」というだけのことであるとも言える。

 また、人生をゲームのシステムとして見たとき、生きることに慣れないうちは体がよく動くが、生きることに慣れてくるとハンデを負ったり、問題が起こったりして段々難しくなる、というのは、まぁ理に適った設定であるという気もする。人生というのは束の間の、そういうゲームだと思えれば。
 ……けれどそう思えないんだよなぁ。もっと楽なゲームで良いじゃん。

 若い頃は、年を取るなんて、もっともっと先……一万年くらい先に思えていた。でも、そのうち時があっという間に過ぎるようになり、いつまでも同じではないのだと分かるようになる。
 若い頃はぶっ飛んだ考え方だった人も、やがて死とか老いとか、現実と向き合うこととなる。それで大人の話はどんどんつまらなくなってゆくような。

 妊娠したくない。年を取りたくない。病気になりたくない。自分の体なのに思う通りにならない。
 悲しいと思ってしまう。前向きになりたいと思わなくはないけれど、どうやったら前向きになるんだろう。
 死や老いを受け入れることか。どうやったら受け入れられるだろう。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

処理中です...