生や社会への恐怖、老いや年齢に関する疑問。誰にも聞けないから自問自答する。

知らず知らずダメ人間

　世間には「常識」とやらがいっぱいある。
　しかし、それを知る機会がなければ、知らないことだらけになるのではないか。

　私はそうである。あまり人間社会に興味がなく、興味のあることにばかり気を取られていたら、いつの間にかダメ人間になっていた。それも自分がダメ人間などという自覚も発想もないような感じで。


　常識に乗るかどうかは自由である。信念があるのは良いことだと思う。「世間一般的には◯◯は悪い、恥ずかしい、気持ち悪いことだと思われているけど、私はそうは思わない」と。

　けど「世間一般的には◯◯は悪い、恥ずかしい、気持ち悪いことだと思われている」のを知らず、自覚もないと、それも恥ずかしいと思われるような。

「恥ずかしい」とか「ダメだなぁ」とか思われた上で、またそう思われるのを自覚した上で、跳ね返す強さとか、「今はこうするのが良いと思うから」というような計画性？　状況判断力？　とか、それをするなりのバランスの取り方みたいなのがあったらカッコいいんだろうけど。


　結局私はダメだ。無計画で、無責任で、流されやすく、善悪の見分けがつかない。自信がなく、しかし感情的で、拒否してみたり鵜呑みにしてみたり。人にホイホイついて行って恐ろしい目に遭ったら、いつまでも根に持ち、怯え、被害者意識を振り回す。

　端から見ればアホなのだろう。


　端から見ずともアホなことは多少自覚してきたが、どうすれば良いかは分からない。

　能力もないのにカッコだけつけたっていけない。できもしないことをできると言ったり、手を出したりしたら後が大変だ。
　けれど「あれもこれも嫌、何もできない」などと言えばワガママに見える。
　かといって実際私は、何をやっても上手くできない。

　何をやっても上手くいかないのに、何をやれば良いというのか。自分に合うことも見つからず。
　そもそも、自分に合うことを探して頑張っているつもりでも、端から見れば何も行動せず、ずっと怠けて言い訳しているだけに見えるのかもしれない。
　自分としては絵や小説を書いてみているのがチャレンジなんだけど、世間から見れば私は本当にダメ人間かもしれない。


　まぁダメならダメでしょうがない。やってみたけど、できないものはできないのだ。
　……なんて発言も、まわりの人から見れば、虫酸が走るほど甘えた態度に見えて、蹴り飛ばしたくなるのかもしれないが。

　まぁみんな、他者を助けようなどとはしないが、部外者のくせにダメ出しはいくらでもするものである。人間、そういうものだろう。

　分かるもんか。こっちはこっちで頑張ってきたし、避けられないストレスもあって、何より自分のポンコツぶりに疲れたんじゃい。


　しかし幸い、人付き合いを避けているため、身の上話を語るような相手もおらず、過度にダメ出しされるような機会はないのだった。

　ネット上の言葉にばかり怯えている。