三日坊主の幸せごっこ

化けの皮を剥がさないで

　私は、架空の人物……つまりキャラクター（？）が好き。
　キャラクター相手ならば、「こうかもしれない、ああかもしれない」と勝手な想像をできる。勝手に私の友達になってもらうこともできる。キャラクターは死んだ後蘇ったり、実は正体が化け狸だったり、なんてぶっ飛んだことも可能。

　キャラはキャラ。演じている人にはあまり興味がない。演じている「人」に興味を持ったら、魔法が溶けて、全部現実に戻ってしまう気がして。
　現実では、いくら才能があったって、話が面白くたって、大金持ちだったって、結局人間じゃん。病気や年齢に抗えないし、結婚したのお子さんがどうの、職場の人とかと同じリアルな人間じゃん。

　別にリアルな人間であることが悪いんじゃないんだけど、自分も大切な人もいつか老いたり死んだり別れたりする……って思うと、束の間でも完全なる現実逃避先が欲しいわけ。「あ、やっぱ現実ってこれしかないよな……」って夢から醒めたくないわけ。
　なのに狐さん（仮）が、俳優さんとかに興味を持ってめちゃくちゃ話してくる。そんなに好きか、人間。

　しかし現実逃避したい割に私も、「創作の裏側」みたいな番組見ていたりするし、狐さんにつられてか、俳優さんのトーク番組とか見ていたりするのである。

　何だろう、興味あるのかないのか、好きなのか嫌なのか、微妙で矛盾が多いこの感じ。
　まぁ世の中、好きで結婚したはずの人とか、好きでやっているはずの仕事とか、自分で選んだことに文句付けたりして、矛盾だらけだよね～。