三日坊主の幸せごっこ

永遠

　生き物たちの姿を見ると、自然だけは永遠に変わらないなぁと思う。

　いや、正確には外来種が入ったり、気候変動によって生き物の生息範囲が北上したりとか、変わっているだろうけど。
　うちの近所の、シロバナタンポポが生えていた空き地は潰されたし。けっこう、限られた場所で見られる生き物とかいるし、限られた場所ってのも、人間によってあっけなく潰されてしまうけど。
　いつも駅にいる鳩だって、数年でみんな入れ替わっているのかもしれないけど。セミだって毎年別の子だけど。

　個人とか個体とか、そこには永遠は感じられないのかもしれない。
　昔の書物とか絵画とか見て、「人類って昔から人類なんだなぁ」と感じたり。蝶々は私が生まれたときから飛んでいて、きっと私が死んでも飛んでいてくれるはずだと思ったり。

　すべてが崩れ去り、生命が消え、地球や太陽系までもが消えても。私が見た星々は生き続けるかもしれない。宇宙そのものは生きていく。
　そういう、すべてが消えていくのに、それでも消えない「何か」……DNAとか面影とか……そういうものが「永遠」なのだろう。

　で、いつか気づくんだ。「私」って、自分で思っていたほど、限定的な個体じゃなかったんだなぁって。