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第87話 待ってくれるなら、俺は走る
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8月11日、朝。
昨日の夜、カフェで――Re:Tryが、正式に動き出した。
まだ形はない。けれど、もう引き返せない。
胸の奥に灯った小さな火が、
夜の熱をそのまま連れてきているようだった。
(……でも、その前に、やらなきゃいけないことがある)
窓を開けると、少しだけ秋の匂いがした。
冷たい風が肺の奥まで入り、
焦りと期待のあいだで揺れていた心が、
ほんの少しだけ落ち着いていく。
(――言おう。ちゃんと、自分の口で)
Re:Tryを始めたい。努力が報われる世界を作りたい。
でも俺はまだ、自分に自信が持てない。
このまま“曖昧な優しさ”で3人を待たせるのは、一番不誠実だ。
もし愛想を尽かされるなら、それは俺の責任だ。
それでも――待ってくれるなら。
形にして、胸を張れるようになってから、必ず答えを出す。
スマホを開き、LINEを二つ送った。
遥には星ヶ丘公園、瑠奈には駅前のカフェ。
数分後、どちらからも即返信が届く。
約束の時間は、遥が今日の14時、瑠奈が明後日の11時。
(……一ノ瀬には、まだ送れない)
画面を閉じながら、胸の奥が少しだけざわついた。
一ノ瀬には、まだ“気持ちを伝えられていない”。
好感度スキャンで、彼女の数値が高いことは知っている。
だけど、それを“気持ち”として受け止める勇気が、まだない。
中途半端なまま動くのは、違う気がした。
だから、今日はまず――この2人に向き合う。
そう決めて、スマホをポケットにしまった。
―
昼。星ヶ丘公園。
真夏の陽射しの下、蝉の声がゆるく溶けていく。
ベンチの影が短く、空は青すぎるほど青い。
「陽斗くん」
振り向くと、水城遥が立っていた。
制服じゃない、薄手のサマーニット。
風を通す素材なのに、どこか上品で。
髪が風に揺れるたび、ほのかに香水の匂いがした。
「……話って?」
遥が小首をかしげる。
「うん」
俺は軽く息を吸い、近くの自販機に目をやった。
「ちょっと座ろうか。飲み物、買ってくるよ」
ベンチのそばまで歩き、レモンソーダを二本。
プルタブを開ける音が、蝉の声の合間に響く。
手渡した缶を受け取ると、遥は小さく笑って言った。
「ありがと」
「無糖の方がよかった?」
「ううん。これでいい」
二人並んで腰を下ろす。
木陰の下、少しだけ吹いた風が、彼女の髪をやさしく揺らした。
缶を指で転がしながら、俺は言葉を探す。
沈黙が続く。
炭酸の泡が弾ける音だけが聞こえた。
「……この前の返事、まだ出せない」
遥は静かに頷いた。
俺の横顔を見ない。ただ前を向いたまま、缶の表面をなぞっている。
「俺、遥のことが好きだ。
それは間違いない。だけど――まだ自分に自信が持てない。
弱くて、ごめん」
一度、息を飲む。
「……だから、今ここで“付き合おう”って言うのは違うと思った。
俺は今、自分自身と勝負してる。
“努力が報われる”って、本気で信じられるようになりたいんだ。
そのために――“形”を作りたい」
遥が小さく首をかしげる。
「形?」
「うん。……“Re:Try”っていうプロジェクトを立ち上げた。
努力を記録して、報われる仕組みを作る。
言葉だけじゃなくて、ちゃんと結果で証明したい。
俺自身が“できた”って思えるものを作ってから……胸を張って言いたいんだ。
“俺は、俺でいい”って」
遥が瞬きをした。
「……プロジェクトって、まさか会社とか、そういうの?」
驚き混じりの声。信じられないような笑みが浮かぶ。
「うん。まだ正式な会社じゃないけど、少しずつ形になってるところ」
「……ほんとに、陽斗くんらしいね」
小さく笑いながら、遥は肩をすくめる。
「びっくりしたけど、なんか納得もした。
“努力が報われる世界”って、まさに陽斗くんの言葉だもん」
「……陽斗くん」
遥がまっすぐにこちらを見た。
夏の風が髪を揺らして、淡い光がその瞳に映り込む。
その奥には――静かな、確かな光が宿っていた。
「待つよ」
「……いいのか」
「うん。ただ一つ、お願い」
「なんでも」
「“誰かを救う”前に、まず“自分を救う”練習もして。
無理しすぎたら、その優しさまで壊れちゃうよ。……約束」
「……約束する」
言葉にした瞬間、胸の奥が少し軽くなった。
「それとね」遥は少しだけ笑った。
「待たせてるからって、避けたりしないでよ?」
「そんなの、当たり前じゃないか」
「ふふっ。……それなら、よかった」
遥の笑顔が、夏の光に溶けていった。
その笑顔を見送りながら、胸の奥でひとつ決意が固まる。
(次は――瑠奈に、伝えよう)
―
2日後。駅前。
ガラスに午前の光が反射して、通りを歩く人の影が短く伸びている。
真夏の空気は少し熱を帯びていて、街のざわめきが近くに聞こえた。
「やっほー、先輩」
星野瑠奈。
いつも通り明るくて、でもどこか真剣な目。
今日のリップは落ち着いたローズ。
大人っぽいのに、どこか近さを感じさせる色だった。
「お腹すいたー。先輩、カフェ行こ」
「俺も腹減ったよ。行こうか」
「うん、あそこのテラス席、光入ってて好き」
数分歩いて、駅前のカフェに入る。
午前の光が差し込むテラス席。
瑠奈はメニューを開くと、すぐに笑った。
「先輩、アイスコーヒーでいいよね?」
「お、わかってるじゃん」
「いつも同じでしょ?」
注文を終え、少ししてグラスが届く。
氷の音が“カラン”と鳴り、光が反射する。
「ありがと」
「こっちこそ」
短いやりとりのあと、沈黙。
「それで? 今日はどんな話?」
瑠奈の瞳が、少しだけ真剣になる。
「……この前、海で“ちゃんと向き合って決めたい”って言っただろ?」
「うん、覚えてるよ」
瑠奈はストローを軽く回しながら、じっと俺を見る。
「その意味を、ちゃんと話したくて」
「ふーん……じゃあ、聞かせて」
その声は明るいのに、どこか覚悟があった。
俺は一呼吸して、正面から切り出した。
「……俺、誰かと向き合う前に、まず自分と向き合わなきゃいけないと思った。
今のままじゃ、自分のことを信じきれない。
“俺なんか”って言葉が、まだ頭のどこかに残ってる」
瑠奈はストローを止めて、静かに俺を見る。
「だから、始めたいんだ。
なにか――本気で打ち込めることを。
自分で決めて、自分で形にして、ちゃんと“やりきった”って言えるものを」
少し間を置いて、瑠奈が微笑んだ。
「……やっぱ、先輩だね」
「え?」
「なんかそういうこと言うと思った。
難しいこと言ってるけど、要するに“本気でやりたいことができた”ってことでしょ?」
「まあ、そんな感じ」
「ふふっ。先輩って、口では自信ないとか言うけど、
ほんとは一番“やるときはやる人”だもんね」
「じゃあ、条件つけよっか」
「条件?」
「うん。
本気で走るのはいいけど、ときどきでいいから周りも見て。
“人の中身を見て優しくできる”先輩でいて。
……それが、私の好きなところだから」
瑠奈はストローを外して、グラスをテーブルに置いた。
その表情は、笑ってるのにどこか強い。
「そのかわり、私も頑張る。
モデルもドラマも、もっと上を目指す。
先輩に“やっぱ瑠奈すげーな”って思われるくらいに。
そのうえで――もう一回、好きって言うから」
言葉が胸の奥に静かに響いた。
軽いようで、まっすぐだった。
「……そう来たか」
「当然。だって先輩、簡単に落ちてくれないもん」
瑠奈は笑いながら、アイスコーヒーを飲み干した。
瑠奈の笑顔が、次へのスタートラインを照らしているように見えた。
迷ってる時間は、もう終わりだ。
(ありがとう――瑠奈)
―
帰り道、風が少し冷たかった。
ポケットの中のスマホが、体温を帯びている。
そこに並ぶ2人の名前。
そしてまだ送れない、もう1人の名前。
胸の奥で、何かが確かに灯っていた。
“好きで胸が熱くなる。だからこそ、今は走る。”
俺は、その光を信じて進む。
明日、佐藤と相川と集まる。
――TRY-LOGの最初の形を作るために。
“努力が続く理由”を、現実で確かめる。
―
※【 】内は今回上昇分
【ステータス:8月上旬】
◆基本情報
名前:佐久間 陽斗(17)
身長:180.8cm 体重:63.0kg(体脂肪率9.0%)
◆能力値
筋力:32.5 耐久:34 知力:34.2 魅力:45.2
SP:20 スキル:31(展開可能)
◆資産
総資産:1,542,000円
投資中:60,000円 利益:+100,000円
◆称号
注目の存在/ヒーロー/聖夜を共に/女子人気独占/自己信頼/若き経営者
◆Re:Tryメンバー
COO:佐藤大輝(信頼度78/加入済)
CTO:相川蓮(信頼度53/加入済)
◆イベント
Project Re:Try(発生中)
水城遥(好感度89/恋愛条件未達)
一ノ瀬凛(好感度89/恋愛条件未達)
星野瑠奈(好感度89/恋愛条件未達)
昨日の夜、カフェで――Re:Tryが、正式に動き出した。
まだ形はない。けれど、もう引き返せない。
胸の奥に灯った小さな火が、
夜の熱をそのまま連れてきているようだった。
(……でも、その前に、やらなきゃいけないことがある)
窓を開けると、少しだけ秋の匂いがした。
冷たい風が肺の奥まで入り、
焦りと期待のあいだで揺れていた心が、
ほんの少しだけ落ち着いていく。
(――言おう。ちゃんと、自分の口で)
Re:Tryを始めたい。努力が報われる世界を作りたい。
でも俺はまだ、自分に自信が持てない。
このまま“曖昧な優しさ”で3人を待たせるのは、一番不誠実だ。
もし愛想を尽かされるなら、それは俺の責任だ。
それでも――待ってくれるなら。
形にして、胸を張れるようになってから、必ず答えを出す。
スマホを開き、LINEを二つ送った。
遥には星ヶ丘公園、瑠奈には駅前のカフェ。
数分後、どちらからも即返信が届く。
約束の時間は、遥が今日の14時、瑠奈が明後日の11時。
(……一ノ瀬には、まだ送れない)
画面を閉じながら、胸の奥が少しだけざわついた。
一ノ瀬には、まだ“気持ちを伝えられていない”。
好感度スキャンで、彼女の数値が高いことは知っている。
だけど、それを“気持ち”として受け止める勇気が、まだない。
中途半端なまま動くのは、違う気がした。
だから、今日はまず――この2人に向き合う。
そう決めて、スマホをポケットにしまった。
―
昼。星ヶ丘公園。
真夏の陽射しの下、蝉の声がゆるく溶けていく。
ベンチの影が短く、空は青すぎるほど青い。
「陽斗くん」
振り向くと、水城遥が立っていた。
制服じゃない、薄手のサマーニット。
風を通す素材なのに、どこか上品で。
髪が風に揺れるたび、ほのかに香水の匂いがした。
「……話って?」
遥が小首をかしげる。
「うん」
俺は軽く息を吸い、近くの自販機に目をやった。
「ちょっと座ろうか。飲み物、買ってくるよ」
ベンチのそばまで歩き、レモンソーダを二本。
プルタブを開ける音が、蝉の声の合間に響く。
手渡した缶を受け取ると、遥は小さく笑って言った。
「ありがと」
「無糖の方がよかった?」
「ううん。これでいい」
二人並んで腰を下ろす。
木陰の下、少しだけ吹いた風が、彼女の髪をやさしく揺らした。
缶を指で転がしながら、俺は言葉を探す。
沈黙が続く。
炭酸の泡が弾ける音だけが聞こえた。
「……この前の返事、まだ出せない」
遥は静かに頷いた。
俺の横顔を見ない。ただ前を向いたまま、缶の表面をなぞっている。
「俺、遥のことが好きだ。
それは間違いない。だけど――まだ自分に自信が持てない。
弱くて、ごめん」
一度、息を飲む。
「……だから、今ここで“付き合おう”って言うのは違うと思った。
俺は今、自分自身と勝負してる。
“努力が報われる”って、本気で信じられるようになりたいんだ。
そのために――“形”を作りたい」
遥が小さく首をかしげる。
「形?」
「うん。……“Re:Try”っていうプロジェクトを立ち上げた。
努力を記録して、報われる仕組みを作る。
言葉だけじゃなくて、ちゃんと結果で証明したい。
俺自身が“できた”って思えるものを作ってから……胸を張って言いたいんだ。
“俺は、俺でいい”って」
遥が瞬きをした。
「……プロジェクトって、まさか会社とか、そういうの?」
驚き混じりの声。信じられないような笑みが浮かぶ。
「うん。まだ正式な会社じゃないけど、少しずつ形になってるところ」
「……ほんとに、陽斗くんらしいね」
小さく笑いながら、遥は肩をすくめる。
「びっくりしたけど、なんか納得もした。
“努力が報われる世界”って、まさに陽斗くんの言葉だもん」
「……陽斗くん」
遥がまっすぐにこちらを見た。
夏の風が髪を揺らして、淡い光がその瞳に映り込む。
その奥には――静かな、確かな光が宿っていた。
「待つよ」
「……いいのか」
「うん。ただ一つ、お願い」
「なんでも」
「“誰かを救う”前に、まず“自分を救う”練習もして。
無理しすぎたら、その優しさまで壊れちゃうよ。……約束」
「……約束する」
言葉にした瞬間、胸の奥が少し軽くなった。
「それとね」遥は少しだけ笑った。
「待たせてるからって、避けたりしないでよ?」
「そんなの、当たり前じゃないか」
「ふふっ。……それなら、よかった」
遥の笑顔が、夏の光に溶けていった。
その笑顔を見送りながら、胸の奥でひとつ決意が固まる。
(次は――瑠奈に、伝えよう)
―
2日後。駅前。
ガラスに午前の光が反射して、通りを歩く人の影が短く伸びている。
真夏の空気は少し熱を帯びていて、街のざわめきが近くに聞こえた。
「やっほー、先輩」
星野瑠奈。
いつも通り明るくて、でもどこか真剣な目。
今日のリップは落ち着いたローズ。
大人っぽいのに、どこか近さを感じさせる色だった。
「お腹すいたー。先輩、カフェ行こ」
「俺も腹減ったよ。行こうか」
「うん、あそこのテラス席、光入ってて好き」
数分歩いて、駅前のカフェに入る。
午前の光が差し込むテラス席。
瑠奈はメニューを開くと、すぐに笑った。
「先輩、アイスコーヒーでいいよね?」
「お、わかってるじゃん」
「いつも同じでしょ?」
注文を終え、少ししてグラスが届く。
氷の音が“カラン”と鳴り、光が反射する。
「ありがと」
「こっちこそ」
短いやりとりのあと、沈黙。
「それで? 今日はどんな話?」
瑠奈の瞳が、少しだけ真剣になる。
「……この前、海で“ちゃんと向き合って決めたい”って言っただろ?」
「うん、覚えてるよ」
瑠奈はストローを軽く回しながら、じっと俺を見る。
「その意味を、ちゃんと話したくて」
「ふーん……じゃあ、聞かせて」
その声は明るいのに、どこか覚悟があった。
俺は一呼吸して、正面から切り出した。
「……俺、誰かと向き合う前に、まず自分と向き合わなきゃいけないと思った。
今のままじゃ、自分のことを信じきれない。
“俺なんか”って言葉が、まだ頭のどこかに残ってる」
瑠奈はストローを止めて、静かに俺を見る。
「だから、始めたいんだ。
なにか――本気で打ち込めることを。
自分で決めて、自分で形にして、ちゃんと“やりきった”って言えるものを」
少し間を置いて、瑠奈が微笑んだ。
「……やっぱ、先輩だね」
「え?」
「なんかそういうこと言うと思った。
難しいこと言ってるけど、要するに“本気でやりたいことができた”ってことでしょ?」
「まあ、そんな感じ」
「ふふっ。先輩って、口では自信ないとか言うけど、
ほんとは一番“やるときはやる人”だもんね」
「じゃあ、条件つけよっか」
「条件?」
「うん。
本気で走るのはいいけど、ときどきでいいから周りも見て。
“人の中身を見て優しくできる”先輩でいて。
……それが、私の好きなところだから」
瑠奈はストローを外して、グラスをテーブルに置いた。
その表情は、笑ってるのにどこか強い。
「そのかわり、私も頑張る。
モデルもドラマも、もっと上を目指す。
先輩に“やっぱ瑠奈すげーな”って思われるくらいに。
そのうえで――もう一回、好きって言うから」
言葉が胸の奥に静かに響いた。
軽いようで、まっすぐだった。
「……そう来たか」
「当然。だって先輩、簡単に落ちてくれないもん」
瑠奈は笑いながら、アイスコーヒーを飲み干した。
瑠奈の笑顔が、次へのスタートラインを照らしているように見えた。
迷ってる時間は、もう終わりだ。
(ありがとう――瑠奈)
―
帰り道、風が少し冷たかった。
ポケットの中のスマホが、体温を帯びている。
そこに並ぶ2人の名前。
そしてまだ送れない、もう1人の名前。
胸の奥で、何かが確かに灯っていた。
“好きで胸が熱くなる。だからこそ、今は走る。”
俺は、その光を信じて進む。
明日、佐藤と相川と集まる。
――TRY-LOGの最初の形を作るために。
“努力が続く理由”を、現実で確かめる。
―
※【 】内は今回上昇分
【ステータス:8月上旬】
◆基本情報
名前:佐久間 陽斗(17)
身長:180.8cm 体重:63.0kg(体脂肪率9.0%)
◆能力値
筋力:32.5 耐久:34 知力:34.2 魅力:45.2
SP:20 スキル:31(展開可能)
◆資産
総資産:1,542,000円
投資中:60,000円 利益:+100,000円
◆称号
注目の存在/ヒーロー/聖夜を共に/女子人気独占/自己信頼/若き経営者
◆Re:Tryメンバー
COO:佐藤大輝(信頼度78/加入済)
CTO:相川蓮(信頼度53/加入済)
◆イベント
Project Re:Try(発生中)
水城遥(好感度89/恋愛条件未達)
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しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
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