繋がる想いを

無月

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恋人編

20.ヤキモチを焼く

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モテる恋人を持つと苦労をする。
主にライバルが増えて。だが俺の場合はどうやら違うようだ。

「あの男性とは随分と親しげだったね」

本来俺のライバルになる筈の美人受付嬢。実際にカフェで俺が彼女を同情してた時に矢張り女性の方が良いのかと嫉妬をしていたらしいし。
なのにここに来てのまさかの同僚。全くのダークホースである。

「同期の同僚だから自然と話す機会が多いんだよ。あいつ底抜けに明るくて社内じゃムードメーカーでさ。親しくない奴の方が少ないぜ」

つまりただの同僚だ。そう言っているのに何故か深まる眉間の皺。
これ。誤解されたら面倒になる展開か?
脳内で鳴る警鐘に冷や汗が出てくる。
これはここできっちり話合っとこう。

「美人が好きって公言してるのに女受けが良いし、なのに彼女作らないでアイドルの追っかけしてる面白い奴」
「彼女を、作らない……」

何故眉をピクリと動かした。そして何故下がるんだ室温。
ヤバい。冷や汗で風邪引きそうだ。

「……君は良い男だからね。きっと男性にもモテるのだろう」
「男にモテても嬉しく無いけど!?」

変な事を言い出した響也に反射で否定する。てか声裏返った。

「私に、好かれるのも迷惑だったのだね」

傷付いた顔をする響也に今日一ビックリした俺は、思わず響也を囲むようにソファの背凭れに勢い良く手を付いた。

「俺は響也が好きなんだけど」

背凭れに手を付いているからか、目前に迫る顔にさしもの響也も目を見開く。そしてカーッと紅潮する頬に、俺は通じたかと安堵した。

「私も、侑真を好いている」

そっと伸ばされた手は俺の頬を包み、そして唇が重なった。
滅多に無い響也からのキスに、今度は俺が目を見開いたけど、それも直ぐに閉じる。
唇から伝わる熱を感じる為に。
深くなる口付けを暫く堪能した後、漏れ出る吐息と共に顔を離せば互いに赤い顔に笑みが漏れた。

「すまない。どうやら私は心が狭かった様だ」
「いや、響也がヤキモチ焼いてくれんの嬉しいよ。好かれてるって思えるし」
「う……。侑真は焼いてくれないのかい?」

照れた響也が聞いて来るけど、ヤキモチ。ねぇ。

「響也が俺好きなの見てればわかるし、浮気は絶対しないだろ」
「当たり前だ。というか私はそんなに分かり易いかね」

おお。いつになく弱気だ。可愛いけど俺は響也には笑ってて欲しい。

「俺にはな。周りは気付いてないっぽいけど、俺だけが分かってるの優越感」
「そ。そうかね」

ホッとしつつも俺に駄々洩れってわかって恥ずかしいのかはにかむ響也が可愛い。

「それに響也は俺の言葉を信じてくれてるしな。さっきの告白も」
「気付いていないのかい?」

キョトンとして首を傾げる響也。
俺は何かしただろうか。考えてもわからない。

「?何を?」

答えを求めると、響也はとても、とても深い愛情を感じさせてくれる顔をした。そして俺の頬をなぞる。その手がとても愛おしく、優しい。

「私に想いを伝えてくれた侑真の顔は、とても熱が伝わるものだったよ」

そしてそう言って俺にもう一度軽いキスをくれた。
恋人から伝えられる俺の溢れ出た熱とそれを嬉しそうに語る微笑みに、恥ずかしくなった俺は顔を真っ赤にさせて言葉を失くしたのだった。



俺、響也好き過ぎじゃん……。
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