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本編
17歳-1
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誕生会当日。
その日はパーティーの主役として朝から忙しなかった。
学園の卒業を以って、互いに心移りしない限りデイヴィッドの正式な婚約者になる事が決まっている。
お陰で自国の貴族は全て当主かその代理の者が来ている為、返す挨拶だけでも本当に疲れる。
腐っても侯爵家で王家の婚約者(仮)の俺は、王族以外は向こうから挨拶に来る。
お陰で途切れない列に辟易してる。
いや。それより辟易することがある。
「互いのカラーに身を包むとは、何とも愛の深いお二人ですな」
「ふふ。有難う御座います。ベーゼルドン侯爵」
鉄壁の淑女の仮面を何重にも重ね付けして微笑みを張り付ける俺。
その内心は口角が引き攣ってた。
そりゃそうだろう。デイヴィッドによってデイヴィッドカラーに仕立てられた俺。その隣にデイヴィッドによって俺カラーに仕立てられたデイヴィッド。
独占欲と俺の物主張が激しすぎて恥ずかしい。
バカップルのペアルックとどっちがマシだろうか。
「うう。恥ずかしかった……」
一通り挨拶が終わって一人ごちる位許して欲しい。
「あー。喋り過ぎて喉痛ー。
ちっと飲み物貰ってくるー」
小声でデイヴィッドに断りを入れてその場を離れようとすれば、案の定付いて来ようとする。
けどそれより先に揶揄い顔の王に呼び止められて動きを止めた。
「一人で平気だって」
デイヴィッドが何か言おうとするより早く、片手を振ってその場を離れた。
全く。大の男の何が心配なんだか。
給仕の者を呼び止めてワイングラスに入った白ブドウのジュースを貰う。
喉を湿らせて改めて周囲に気を配れば……。おお。いるいる犯意有る魔力を身に纏う愚か者が。
全く。大分減ってたのに。結婚して溺愛を隠さない第一王子を諦めた輩がこっちに獲物を移した様だな。
……いい加減面倒だしこっちから不正を暴いて一斉退場願った方が楽だろうか……。
などと不穏な事を考えていたら俺のワイングラスを持つ手に、モーリス男爵令嬢が突撃してきた。
考え事をしてた俺は反応が遅れて、ジュースが少しモーリス男爵令嬢と俺のドレスに掛かってしまった。
「大じょ」
「きゃあ!」
割と勢い良かったから無事を問おうとしたら、先に叫ばれた。
それもぶつかった俺を案じてでは無く、自らのジュースに汚れたドレスに対して。
しかも周囲に見せ付ける様に両手で広げて。
「お父様に初めて買って頂いたドレスなのにっ!
何故こんな酷い事をするんですか!?」
うん。意味がワカラナイ。
ぶつかって来たのそっち。しかも俺のデイヴィッドが用意したドレスも汚れてる。
そんで俺侯爵家。そっち男爵家。俺主役。そっち男爵のおまけで付いて来ただけの人。
「成程?君の目的は僕のアレクを貶める事だったんだね」
「ほう?この令嬢は我がオルティス侯爵家に反意があるようだね?」
そして吹き荒れるブリザード。
怖い位息ピッタリに警備の者に無言で指示を出す二人。怖っ!
「まあ、そんなに怖い顔なさらないで下さいまし。彼女も突然の事で気が動転されてるだけですわ。
(意訳:いやいやいや。落ち着け。たかがドレス汚れただけやろが。女の子相手に凄むなし)」
すすすっと二人のそばに寄って、さりげなく手を握る。
首を傾げて困った様に見つめれば、取敢えず彼女の五体は満足で居られる筈。
案の定。目尻が下がった父さんは、仕様がないなと言わんばかりにニッコリ笑って手を握り返してくれた。
けどデイヴィッドは違った。ドレスに出来たシミを見つけてしまったのだ。
目を瞠ったデイヴィッドは、俺をお姫様抱っこして会場裏まで連れて行ってしまった。
「デイヴ、おいデイヴ!いつまで無言で抱きしめてんだ!」
感情の見えない顔でドレスのシミを凝視するデイヴィッドに、チョップをかます。
「僕のアレクが他人に汚された」
「うおおおい!?人聞きの悪い事ぬかすんじゃねえ!けがされたんじゃなくて、事故でよごれたの!」
闇落ちしそうな雰囲気に、その変に絡まった思考を正すべく物理的にシャッフルしてやった。
「ああ、もう!大体こんなシミ、ちょちょいっと、ほら簡単に消えるだろが!」
それでもシミから目を逸らさないもんだから仕方なく、染み抜きの技術と魔術の組み合わせで簡単に元通りにしてやる。
するとデイヴィッドはやっとホッとした様に淡く微笑んだ。何その顔可愛いじゃねえか。
不覚にも見惚れれば、デイヴィッドの顔がゆっくり近付いて唇が合わさった。
「ん……」
何時もと違って探る様な労わる様なゆっくりと優しい口付けに、絆された俺は自ら舌を絡めに行く。
デイヴィッドは一瞬目を見開いた後、嬉しそうに味わう様に舌を絡め、吸った。
「っふ。ん、ったく。お前は何だってそう、俺の事になると余裕が無くなるんだ」
舌と舌を伝う、淫靡な糸に、紅潮する顔を誤魔化す様に軽くデコピンをかましてやる。
「片思いが長かったからね」
「何で過去形だし……」
「だって、アレクはもう、僕が好きでしょう?」
伺う様に、乞う様に、願いを込めて言われれば、今の俺はもう否定なんて出来なかった。
何時の間にこんなに絆されていたんだろうか。
でも最近胸が高鳴る事が多かった。キュンとする事が多かった。モーリス男爵令嬢がデイヴィッドに触れるとズキズキ傷んだ。
ずっと思春期特有の病気かと思ってた。
でも、改めて言われて初めて気付いた。
そうか。それって好きだからか。って。
自覚した途端、俺は茹る様に全身が紅潮した。
「ああ、もう!ホントお前ってもう!」
語呂力が壊死した俺は、真っ赤な顔を俯かせて誤魔化した。とは言っても姫抱っこ持続中な為隠れてないけどなっ。
「ふふ。アレク可愛い」
「それもな!言っとくけど俺は絶対抱く側になるからな!」
「うん。僕も抱かれても良いって思って貰う様に頑張るよ」
どこかデジャヴを感じるその言葉に、俺の方が折れる日が来そうだと思った。こいつには言ってやらないけどなっ!
「それよか、ドレスも綺麗になったし会場戻んねえと」
「うん。今日の主役はアレクだからね。
17歳の誕生日おめでとう。アレク」
「おう。サンキュ」
王子な微笑みでキラキラエフェクトを飛ばすデイヴィッド。
そのエフェクトを全身で浴びながら、俺は照れたようにニカッと笑った。
会場に戻った時にはモーリス男爵令嬢はいなかった。
その日はパーティーの主役として朝から忙しなかった。
学園の卒業を以って、互いに心移りしない限りデイヴィッドの正式な婚約者になる事が決まっている。
お陰で自国の貴族は全て当主かその代理の者が来ている為、返す挨拶だけでも本当に疲れる。
腐っても侯爵家で王家の婚約者(仮)の俺は、王族以外は向こうから挨拶に来る。
お陰で途切れない列に辟易してる。
いや。それより辟易することがある。
「互いのカラーに身を包むとは、何とも愛の深いお二人ですな」
「ふふ。有難う御座います。ベーゼルドン侯爵」
鉄壁の淑女の仮面を何重にも重ね付けして微笑みを張り付ける俺。
その内心は口角が引き攣ってた。
そりゃそうだろう。デイヴィッドによってデイヴィッドカラーに仕立てられた俺。その隣にデイヴィッドによって俺カラーに仕立てられたデイヴィッド。
独占欲と俺の物主張が激しすぎて恥ずかしい。
バカップルのペアルックとどっちがマシだろうか。
「うう。恥ずかしかった……」
一通り挨拶が終わって一人ごちる位許して欲しい。
「あー。喋り過ぎて喉痛ー。
ちっと飲み物貰ってくるー」
小声でデイヴィッドに断りを入れてその場を離れようとすれば、案の定付いて来ようとする。
けどそれより先に揶揄い顔の王に呼び止められて動きを止めた。
「一人で平気だって」
デイヴィッドが何か言おうとするより早く、片手を振ってその場を離れた。
全く。大の男の何が心配なんだか。
給仕の者を呼び止めてワイングラスに入った白ブドウのジュースを貰う。
喉を湿らせて改めて周囲に気を配れば……。おお。いるいる犯意有る魔力を身に纏う愚か者が。
全く。大分減ってたのに。結婚して溺愛を隠さない第一王子を諦めた輩がこっちに獲物を移した様だな。
……いい加減面倒だしこっちから不正を暴いて一斉退場願った方が楽だろうか……。
などと不穏な事を考えていたら俺のワイングラスを持つ手に、モーリス男爵令嬢が突撃してきた。
考え事をしてた俺は反応が遅れて、ジュースが少しモーリス男爵令嬢と俺のドレスに掛かってしまった。
「大じょ」
「きゃあ!」
割と勢い良かったから無事を問おうとしたら、先に叫ばれた。
それもぶつかった俺を案じてでは無く、自らのジュースに汚れたドレスに対して。
しかも周囲に見せ付ける様に両手で広げて。
「お父様に初めて買って頂いたドレスなのにっ!
何故こんな酷い事をするんですか!?」
うん。意味がワカラナイ。
ぶつかって来たのそっち。しかも俺のデイヴィッドが用意したドレスも汚れてる。
そんで俺侯爵家。そっち男爵家。俺主役。そっち男爵のおまけで付いて来ただけの人。
「成程?君の目的は僕のアレクを貶める事だったんだね」
「ほう?この令嬢は我がオルティス侯爵家に反意があるようだね?」
そして吹き荒れるブリザード。
怖い位息ピッタリに警備の者に無言で指示を出す二人。怖っ!
「まあ、そんなに怖い顔なさらないで下さいまし。彼女も突然の事で気が動転されてるだけですわ。
(意訳:いやいやいや。落ち着け。たかがドレス汚れただけやろが。女の子相手に凄むなし)」
すすすっと二人のそばに寄って、さりげなく手を握る。
首を傾げて困った様に見つめれば、取敢えず彼女の五体は満足で居られる筈。
案の定。目尻が下がった父さんは、仕様がないなと言わんばかりにニッコリ笑って手を握り返してくれた。
けどデイヴィッドは違った。ドレスに出来たシミを見つけてしまったのだ。
目を瞠ったデイヴィッドは、俺をお姫様抱っこして会場裏まで連れて行ってしまった。
「デイヴ、おいデイヴ!いつまで無言で抱きしめてんだ!」
感情の見えない顔でドレスのシミを凝視するデイヴィッドに、チョップをかます。
「僕のアレクが他人に汚された」
「うおおおい!?人聞きの悪い事ぬかすんじゃねえ!けがされたんじゃなくて、事故でよごれたの!」
闇落ちしそうな雰囲気に、その変に絡まった思考を正すべく物理的にシャッフルしてやった。
「ああ、もう!大体こんなシミ、ちょちょいっと、ほら簡単に消えるだろが!」
それでもシミから目を逸らさないもんだから仕方なく、染み抜きの技術と魔術の組み合わせで簡単に元通りにしてやる。
するとデイヴィッドはやっとホッとした様に淡く微笑んだ。何その顔可愛いじゃねえか。
不覚にも見惚れれば、デイヴィッドの顔がゆっくり近付いて唇が合わさった。
「ん……」
何時もと違って探る様な労わる様なゆっくりと優しい口付けに、絆された俺は自ら舌を絡めに行く。
デイヴィッドは一瞬目を見開いた後、嬉しそうに味わう様に舌を絡め、吸った。
「っふ。ん、ったく。お前は何だってそう、俺の事になると余裕が無くなるんだ」
舌と舌を伝う、淫靡な糸に、紅潮する顔を誤魔化す様に軽くデコピンをかましてやる。
「片思いが長かったからね」
「何で過去形だし……」
「だって、アレクはもう、僕が好きでしょう?」
伺う様に、乞う様に、願いを込めて言われれば、今の俺はもう否定なんて出来なかった。
何時の間にこんなに絆されていたんだろうか。
でも最近胸が高鳴る事が多かった。キュンとする事が多かった。モーリス男爵令嬢がデイヴィッドに触れるとズキズキ傷んだ。
ずっと思春期特有の病気かと思ってた。
でも、改めて言われて初めて気付いた。
そうか。それって好きだからか。って。
自覚した途端、俺は茹る様に全身が紅潮した。
「ああ、もう!ホントお前ってもう!」
語呂力が壊死した俺は、真っ赤な顔を俯かせて誤魔化した。とは言っても姫抱っこ持続中な為隠れてないけどなっ。
「ふふ。アレク可愛い」
「それもな!言っとくけど俺は絶対抱く側になるからな!」
「うん。僕も抱かれても良いって思って貰う様に頑張るよ」
どこかデジャヴを感じるその言葉に、俺の方が折れる日が来そうだと思った。こいつには言ってやらないけどなっ!
「それよか、ドレスも綺麗になったし会場戻んねえと」
「うん。今日の主役はアレクだからね。
17歳の誕生日おめでとう。アレク」
「おう。サンキュ」
王子な微笑みでキラキラエフェクトを飛ばすデイヴィッド。
そのエフェクトを全身で浴びながら、俺は照れたようにニカッと笑った。
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