4 / 9
ごはんにする?お風呂にする?それとも、び・い・え・る?
しおりを挟む
「さて勇者よ。そういう訳だから見張りは我に任せて安眠に更けるがよい」
「出来るか!?俺はお前を倒す為にここにいるんだ!くそっこんな闇魔法なぞっ、食い込む!?」
折角我が気を利かせているのに勇者と来たらまだ無茶をしようとする。
今だってジタバタ藻掻いて闇の触手君がどんどん絡んでいくし。それBL用に開発した奴だからジッとしてないとエロ展開起きるよ。でも今はお相手いないからサービスショットの持ち腐れだよねー。
「それじゃあ勇者はお休み☆」
これ以上暴れられたらスチルの無駄遣いだから強制的にねんねしようね。
「ふざっ……」
それ以上の言葉はない。どうやらお眠りのようだ。
「さて、と」
勇者が寝た所で絡みに絡んだ触手君を消す。我の魔法だからね。消すのも一瞬ポロリはないよ。
と思ったら、わぁお。絡んだ触手君で衣服が乱れてたね。なんならプレートアーマーだっけ?中の服まで浸食されて融けてたや。うーん乳首が眩しいね☆君には受けの素質レベル1を進呈しよう。
でも我は勇者には攻めでいて欲しいからこれからに期待。
とか考えつつも勇者はテントに押し込んどく。不可抗力で見た武闘家×魔導士は、今日も安定の仲良し振りでありがとうございます!出来れば武闘家にはそこで寝ている魔導士の胸元に手を這わせ、身じろぎをした勇者にビビる所まで見せて欲しい。
我、すみっこで見守っているからな。
という一夜を終え、期待を裏切り朝まで爆睡をする武闘家を睨みつつ、ご飯の支度をしよう。
良質なエチチは良質なご飯から摂取されるのだ。
朝からすっぽんは胃が凭れちゃうかなぁ。大丈夫か。勇者一行だし。一応我の天敵を名乗るならばこれ位は起っきして元気溌剌を繰り出すのだ!
てことでご飯ご飯♪マムシは前菜の方が良いかな?でもあからさまだと食べてくれなさそうだし、ここは秘儀☆お母さんのこっそりレシピでいこう♪嫌いな人参ペーストにしてハンバーグに混ぜたみたいなやつね。
「何をしている」
チャキリとした音が我の首筋から聞こえる。
「朝食の準備は済んでいるぞ勇者よ!」
視界に剣の柄とそれを握る勇者の手が見えたけどそれより今はご飯である。ドヤ顔で鍋の中身を見せようね。
「そんな得体のしれないもの食べる訳がないだろう」
「え……?食べて、くれないの?我、一生懸命栄養を考えて作ったのに……」
すっぽんのエキス染み出すスープに、マムシをスライスして混ぜ込んだサラダ。パンにはマカを混ぜ込んだライ麦パン。全部健康に良いのに。
「な。何も、泣くことは無いだろう。魔王のくせに」
我の心の栄養補給の元なのに。
ムラムラしようよ!
ってわー!?切って来た!?
「今。何か邪悪な気配がした」
「邪悪とは何事だ!腐男子活動は健全だぞ!?」
「魔王が何を言っている」
「待て!早まるな勇者よ!折角の食材が零れるではないか!」
「そんなものはこの世から消し去ってやる」
「大丈夫!美味しいから!」
言って聞かないなら食わせてしまえ!
勇者の剣戟の隙間を縫い、我は左手に持った鍋から匙でスープを掬い、そして口を開いた瞬間に突っ込んだ。
「!?」
零さない様に匙を持った手ですかさず口を塞げば勇者は目を白黒させた。ちゃんと火傷しない様に冷まして入れたけど、まだちょっと熱かったかな?
暫くもごもごさせて剣で我を切ろうとしてるけど、これだけ密着しちゃうと勇者の長剣は扱い辛いだろ。それでも確実に我に攻撃を入れてくるのは流石と褒めておいてやろう。全て鍋で防いだけど。
「うーん。強情だな。ここは王道の口で口を塞いで嚥下を促す」
のは推しカプでやって欲しいから却下だなと続けようとしたが、それより先に勇者が自分で嚥下した。
「おお。良い食べっぷりではないか」
手を離しつつ感心した目を向ければ勇者が茫然としている。
「……美味い……」
「そうだろう。我すっごく長生きだからな。炊事洗濯何でも出来るぞ」
「いや部下にでもやらせろよ」
「いや我部下いないし」
「は?」
ん?
ああ、そういえば武闘家達と話してたな。魔王軍が国を攻めるとかなんとか。
「我、部下を必要としないから特に雇ってないぞ。だって雇用って面倒ではないか。やれ労働者の権利だとか騒いでおいて勝手して我の許可なく暴れて責任問題押し付けるから、今はもう誰もいない」
昔は一時雇ってた時期もあったがな。あまりにも我の言う事を聞かぬ故、滅ぼしてやったわ。
以来我はずっと独りな訳だが、何故か勇者はポカンとしていた。
「は?」
また呆けた言葉漏らしてる。
「出来るか!?俺はお前を倒す為にここにいるんだ!くそっこんな闇魔法なぞっ、食い込む!?」
折角我が気を利かせているのに勇者と来たらまだ無茶をしようとする。
今だってジタバタ藻掻いて闇の触手君がどんどん絡んでいくし。それBL用に開発した奴だからジッとしてないとエロ展開起きるよ。でも今はお相手いないからサービスショットの持ち腐れだよねー。
「それじゃあ勇者はお休み☆」
これ以上暴れられたらスチルの無駄遣いだから強制的にねんねしようね。
「ふざっ……」
それ以上の言葉はない。どうやらお眠りのようだ。
「さて、と」
勇者が寝た所で絡みに絡んだ触手君を消す。我の魔法だからね。消すのも一瞬ポロリはないよ。
と思ったら、わぁお。絡んだ触手君で衣服が乱れてたね。なんならプレートアーマーだっけ?中の服まで浸食されて融けてたや。うーん乳首が眩しいね☆君には受けの素質レベル1を進呈しよう。
でも我は勇者には攻めでいて欲しいからこれからに期待。
とか考えつつも勇者はテントに押し込んどく。不可抗力で見た武闘家×魔導士は、今日も安定の仲良し振りでありがとうございます!出来れば武闘家にはそこで寝ている魔導士の胸元に手を這わせ、身じろぎをした勇者にビビる所まで見せて欲しい。
我、すみっこで見守っているからな。
という一夜を終え、期待を裏切り朝まで爆睡をする武闘家を睨みつつ、ご飯の支度をしよう。
良質なエチチは良質なご飯から摂取されるのだ。
朝からすっぽんは胃が凭れちゃうかなぁ。大丈夫か。勇者一行だし。一応我の天敵を名乗るならばこれ位は起っきして元気溌剌を繰り出すのだ!
てことでご飯ご飯♪マムシは前菜の方が良いかな?でもあからさまだと食べてくれなさそうだし、ここは秘儀☆お母さんのこっそりレシピでいこう♪嫌いな人参ペーストにしてハンバーグに混ぜたみたいなやつね。
「何をしている」
チャキリとした音が我の首筋から聞こえる。
「朝食の準備は済んでいるぞ勇者よ!」
視界に剣の柄とそれを握る勇者の手が見えたけどそれより今はご飯である。ドヤ顔で鍋の中身を見せようね。
「そんな得体のしれないもの食べる訳がないだろう」
「え……?食べて、くれないの?我、一生懸命栄養を考えて作ったのに……」
すっぽんのエキス染み出すスープに、マムシをスライスして混ぜ込んだサラダ。パンにはマカを混ぜ込んだライ麦パン。全部健康に良いのに。
「な。何も、泣くことは無いだろう。魔王のくせに」
我の心の栄養補給の元なのに。
ムラムラしようよ!
ってわー!?切って来た!?
「今。何か邪悪な気配がした」
「邪悪とは何事だ!腐男子活動は健全だぞ!?」
「魔王が何を言っている」
「待て!早まるな勇者よ!折角の食材が零れるではないか!」
「そんなものはこの世から消し去ってやる」
「大丈夫!美味しいから!」
言って聞かないなら食わせてしまえ!
勇者の剣戟の隙間を縫い、我は左手に持った鍋から匙でスープを掬い、そして口を開いた瞬間に突っ込んだ。
「!?」
零さない様に匙を持った手ですかさず口を塞げば勇者は目を白黒させた。ちゃんと火傷しない様に冷まして入れたけど、まだちょっと熱かったかな?
暫くもごもごさせて剣で我を切ろうとしてるけど、これだけ密着しちゃうと勇者の長剣は扱い辛いだろ。それでも確実に我に攻撃を入れてくるのは流石と褒めておいてやろう。全て鍋で防いだけど。
「うーん。強情だな。ここは王道の口で口を塞いで嚥下を促す」
のは推しカプでやって欲しいから却下だなと続けようとしたが、それより先に勇者が自分で嚥下した。
「おお。良い食べっぷりではないか」
手を離しつつ感心した目を向ければ勇者が茫然としている。
「……美味い……」
「そうだろう。我すっごく長生きだからな。炊事洗濯何でも出来るぞ」
「いや部下にでもやらせろよ」
「いや我部下いないし」
「は?」
ん?
ああ、そういえば武闘家達と話してたな。魔王軍が国を攻めるとかなんとか。
「我、部下を必要としないから特に雇ってないぞ。だって雇用って面倒ではないか。やれ労働者の権利だとか騒いでおいて勝手して我の許可なく暴れて責任問題押し付けるから、今はもう誰もいない」
昔は一時雇ってた時期もあったがな。あまりにも我の言う事を聞かぬ故、滅ぼしてやったわ。
以来我はずっと独りな訳だが、何故か勇者はポカンとしていた。
「は?」
また呆けた言葉漏らしてる。
10
あなたにおすすめの小説
絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防
藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。
追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。
きっと追放されるのはオレだろう。
ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。
仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。
って、アレ?
なんか雲行きが怪しいんですけど……?
短編BLラブコメ。
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる