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5.夢②
しおりを挟むおれは目を覚ますと、自分のベッドの上で仰向けになっていた。部屋は真っ暗で電気がついていない。今が何時か分からなかった。部屋の中には自分以外の気配は感じなかった。
「……はは、なんだ。やっぱり夢オチじゃないか」
おれは安堵と共に、全身から緊張感が抜けていく。
「いつから寝ていたんだ?まったく、とんでもない夢だった」
やけに独り言が激しい。いくら一人暮らしが長いからといって、ここまでベラベラと口に出してしまうのは恥ずかしい。でも、安心した。自分は眠っていたのだ。おかしな夢を見ていた。夢の中で気になっていた女子高生とやってしまうなんて、我ながらどうかしてる。
電気をつけようとして、ベッドから起き上がり、ローテーブルの上に置いてある照明のリモコンに手を伸ばす。
「あっ、ぐっ」
変な声を出して、後に倒れてしまった。ベッドにまたも仰向けで倒れ込む。首に違和感を感じて、首を触ってみた。
「……これ、なんだ?」
周りが暗くてよく分からないが、首に何かついている。
「……首輪?」
犬につける様な首輪が首に装着されていて、ちょうど首の真後ろのあたりがジャラジャラと音がする。鎖の様なものがついていて、その鎖はベッドの方に伸びていた。
次の瞬間、部屋の灯りがついて、自分の置かれている状況が把握出来た。自分は全裸で、首輪がついていて、ベッドと首輪の間に鎖が連結されていた。
「……な、なんだよこれ!」
「……おはよぉ、しゅういちせんぱぁい」
声がする方にゆっくりと振り向くと、薄いピンク色の髪をした少女がいつの間にかおれのパソコンデスクのチェアーに座っていた。
「う、麗良……?」
「せいかいでーす」
それまで背を向けていた少女は、おれの方にクルッと回転して、足を組み直した。薄いピンクに染めた髪をツインテールにしていて、少し幼く見えた麗良は、引きつった笑みを浮かべていた。
「わんわん、お手ぇ~」
「……は、何言って」
ビリっという衝撃が首に走った。
「ぐあっ!」
「おかわりぃ」
「は、はぁ?」
またもや首に衝撃が走る。次は一回じゃなく数回連続で。
「ぎゃあぁッ!」
「きゃはははははははははッ」
おれは息ができず、その場にうずくまる。口からよだれがダラダラと溢れてきて、眼球がびくびくと震えている。
「しゅういちせんぱい、めっちゃかわいい」
麗良はスカートから生える生足をおれの頭の上に乗せてから、ゆっくりと口の近くにまで降ろしてきた。
「……ねぇ、せんぱぁい、なまあしすきでしょ?」
「……」
「……なめてぇ」
おれは麗良の足の指を咥えて、ペロペロと舐めた。
「はは、くすぐったぁい。……よくできましたぁ」
おれは痛みから解放されたくて、麗良の言うがままに足を舐め続けた。
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