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「え?何、それ?俺らの班は決まってんの?」
日本史選択の自由研究題材を唐突にグループメンバーから聞かされたのは昼休みを過ぎてからだ。
「あ、うん……先生がね?この班にはエキスパートがいるからって……」
ちょっとおどおど話すのは、山手君だ。地元史、伝承についての自由研究なのだが何故だか自由研究班は担当教師に決められてた。
「まぁね…蒼梧いるしね?」
山手、俺に、蒼梧の3名が組む事になっている。言わずもがな蒼梧は神主の息子だし、俺の家も大昔から関わってるしこの地元の伝承についてならこれ以上の適任メンバーはいない。で、山手君だが、おどおどしていて気は優しい彼、実は学年トップレベルの学力を誇っている。金銭的に苦学生なのは知っていたしバイトもしているのも知ってる。だけど学力の面では授業料を大幅にカットしてもらってるみたいだ。
その秀才君も使って地元の歴史について素晴らしいものを作り上げよ、と言うのが教諭の本音と見た。
「やっぱ…似てるな…」
夢で見たあの男…あの人はもっとほっそりとした精悍な顔つきだったか…?視線も鋭くて、振り向いた瞬間、射抜かれた様な視線にはゾクリとした寒気さえ感じたほどだった。
(人を…切ってるんだろうしな………)
嘘か誠か…夢の話でならばそうなのだから……
打って変わってこちらは平和。みんなギラギラしたところがない、どっちかと言うとほんわかとしているキャラが集まってるし…
「ん?宝利君?何に似てるって?え、と僕の聞き違いかな?」
(ほら、ほんわかオーラ全開。)
「いんや、勘違い……で~どうする?誰ん家でやる?」
はっきり言ってレポート量が学校で済ませられる量じゃない。放課後使って誰かの家でやった方が効率もいいし。
「あの…良ければ、僕の家でどう?」
「おや?」
「ん?山手君の家?」
「そう。家には僕一人だし…」
「へぇ~一人暮らし?かっこい~。」
蒼梧が尊敬の眼差しを向けるなんて珍しい。
「いや、そんなに格好良くないよ?僕、親を亡くしてるからね。一人でやってくしかないんだ。」
「え?」
「あら…?」
ちょっとびっくりした事実だ。俺も蒼梧も目を大きく開いてしまうほど。
「あ、ほら…皆んなそうやって気を使うだろ?だからあんまり言ってないんだ。そんなんだからさ、二人とも黙っててくれると嬉しいんだけど?」
「お、おう…!」
「いいよ~だから、苦学生、ね…」
理事の親戚である蒼梧だって全生徒のあれこれを把握しているわけじゃないだろうから初耳だったようだ。
こんな重大な現実を背負ってても山手は優等生をキープしてる。俺の中で苦学生から凄いやつに昇格したわ…
取り留めない事を話しながら昇降口で、何を買っていくだのと相談中。
「せ~んぱい!宝利先輩!」
見なくてもぴょんぴょんと声だけで跳ねているのがわかる。
(女子ってすげぇ……)
「あ?」
靴を変えようと屈んでる俺の前に1年を示す上履きを履いている女子が立っているのが見えた。
(誰だっけ?)
素直な感想ならばこれ。きっと怪訝そうに顰めっ面をしてたんだと思う。
「あ~~私の事忘れてません?」
「え?いや、えっと~~~?」
(顔は見たことある。そう、図書室であったよな?で、名前、何だっけ?)
「あ!やっぱり忘れてる~~!麻耶です!上条麻耶!お友達になってくれるって言ってたじゃないですか!もぅ~」
少し頬を膨らませた様に怒ってるんだぞ、アピールをする女子って可愛いな……
(そう、自分と関わらなかったならば!)
「へ~~~~~え?お友達?麻耶ちゃん?」
(蒼梧、へぇが長くね?)
面白そうに楓矢の肩にガッチリと腕を組んでくる蒼梧。ぎっちりと離さないぞオーラが凄い…
「あ、ここ、こんにちは………」
「はい、こんにちは~~1年?」
「は、はい!1年3組上条麻耶です!」
「ふふ。1年生は元気があるねぇ。で、楓の友達なの?」
「あ、はい!」
「いつから?」
「えっと……この間、図書室で会いまして………」
俺に対してはグイグイくるのに麻耶は蒼梧を前にするとどんどん態度が小さくなってくる。ま、蒼梧が気になるって言ってたしな……
図書室で会った。そうそう、思い出した。蒼梧に近付きたくてまず何故だか俺に慣れようとしてたんだっけ?
「ふ~~~ん。楓、何にも言ってなかったじゃん?」
楓矢が図書室で寝入ってしまった日。一限終わってから案の定蒼梧が起こしにきた。積もっていた睡眠不足が少し解消されて、さっぱりとしていた俺はすっかりそんな事忘れてたけど。
「あん?何で全部蒼梧に報告するの?蒼梧だって俺に全部を言ってる訳じゃないだろ?」
(付き合っているんだか、付き合っていないんだかよく分からない女子のあれこれそれこれ………幼馴染の俺だってよく知らんよ?)
「だってさ~水臭いじゃん?相談してくれればアドバイスしたのに~」
「何のだよ………」
(全くそういう雰囲気になり得ない関係なのに?)
「ここで言ってもいいの?」
ニヤリ、蒼梧が意地悪く笑う。
(くっそ!こういう事にかけてはこいつの方が経験豊富だからな。何か変なこと口走って墓穴を掘りたくはない。)
「何をだよ?」
ニヤニヤ笑う蒼梧に対し、徐々に険悪な表情に変わってくる俺。
「あの~~先輩達って、本当に仲良しですね?いいなぁ……」
「でしょ~~?ちっさい時から一緒だからね?兄弟みたいなもんよ~」
「はぁ……で?上条はどうしたのよ?」
何の為に呼び止められたのか知らんままだし…
日本史選択の自由研究題材を唐突にグループメンバーから聞かされたのは昼休みを過ぎてからだ。
「あ、うん……先生がね?この班にはエキスパートがいるからって……」
ちょっとおどおど話すのは、山手君だ。地元史、伝承についての自由研究なのだが何故だか自由研究班は担当教師に決められてた。
「まぁね…蒼梧いるしね?」
山手、俺に、蒼梧の3名が組む事になっている。言わずもがな蒼梧は神主の息子だし、俺の家も大昔から関わってるしこの地元の伝承についてならこれ以上の適任メンバーはいない。で、山手君だが、おどおどしていて気は優しい彼、実は学年トップレベルの学力を誇っている。金銭的に苦学生なのは知っていたしバイトもしているのも知ってる。だけど学力の面では授業料を大幅にカットしてもらってるみたいだ。
その秀才君も使って地元の歴史について素晴らしいものを作り上げよ、と言うのが教諭の本音と見た。
「やっぱ…似てるな…」
夢で見たあの男…あの人はもっとほっそりとした精悍な顔つきだったか…?視線も鋭くて、振り向いた瞬間、射抜かれた様な視線にはゾクリとした寒気さえ感じたほどだった。
(人を…切ってるんだろうしな………)
嘘か誠か…夢の話でならばそうなのだから……
打って変わってこちらは平和。みんなギラギラしたところがない、どっちかと言うとほんわかとしているキャラが集まってるし…
「ん?宝利君?何に似てるって?え、と僕の聞き違いかな?」
(ほら、ほんわかオーラ全開。)
「いんや、勘違い……で~どうする?誰ん家でやる?」
はっきり言ってレポート量が学校で済ませられる量じゃない。放課後使って誰かの家でやった方が効率もいいし。
「あの…良ければ、僕の家でどう?」
「おや?」
「ん?山手君の家?」
「そう。家には僕一人だし…」
「へぇ~一人暮らし?かっこい~。」
蒼梧が尊敬の眼差しを向けるなんて珍しい。
「いや、そんなに格好良くないよ?僕、親を亡くしてるからね。一人でやってくしかないんだ。」
「え?」
「あら…?」
ちょっとびっくりした事実だ。俺も蒼梧も目を大きく開いてしまうほど。
「あ、ほら…皆んなそうやって気を使うだろ?だからあんまり言ってないんだ。そんなんだからさ、二人とも黙っててくれると嬉しいんだけど?」
「お、おう…!」
「いいよ~だから、苦学生、ね…」
理事の親戚である蒼梧だって全生徒のあれこれを把握しているわけじゃないだろうから初耳だったようだ。
こんな重大な現実を背負ってても山手は優等生をキープしてる。俺の中で苦学生から凄いやつに昇格したわ…
取り留めない事を話しながら昇降口で、何を買っていくだのと相談中。
「せ~んぱい!宝利先輩!」
見なくてもぴょんぴょんと声だけで跳ねているのがわかる。
(女子ってすげぇ……)
「あ?」
靴を変えようと屈んでる俺の前に1年を示す上履きを履いている女子が立っているのが見えた。
(誰だっけ?)
素直な感想ならばこれ。きっと怪訝そうに顰めっ面をしてたんだと思う。
「あ~~私の事忘れてません?」
「え?いや、えっと~~~?」
(顔は見たことある。そう、図書室であったよな?で、名前、何だっけ?)
「あ!やっぱり忘れてる~~!麻耶です!上条麻耶!お友達になってくれるって言ってたじゃないですか!もぅ~」
少し頬を膨らませた様に怒ってるんだぞ、アピールをする女子って可愛いな……
(そう、自分と関わらなかったならば!)
「へ~~~~~え?お友達?麻耶ちゃん?」
(蒼梧、へぇが長くね?)
面白そうに楓矢の肩にガッチリと腕を組んでくる蒼梧。ぎっちりと離さないぞオーラが凄い…
「あ、ここ、こんにちは………」
「はい、こんにちは~~1年?」
「は、はい!1年3組上条麻耶です!」
「ふふ。1年生は元気があるねぇ。で、楓の友達なの?」
「あ、はい!」
「いつから?」
「えっと……この間、図書室で会いまして………」
俺に対してはグイグイくるのに麻耶は蒼梧を前にするとどんどん態度が小さくなってくる。ま、蒼梧が気になるって言ってたしな……
図書室で会った。そうそう、思い出した。蒼梧に近付きたくてまず何故だか俺に慣れようとしてたんだっけ?
「ふ~~~ん。楓、何にも言ってなかったじゃん?」
楓矢が図書室で寝入ってしまった日。一限終わってから案の定蒼梧が起こしにきた。積もっていた睡眠不足が少し解消されて、さっぱりとしていた俺はすっかりそんな事忘れてたけど。
「あん?何で全部蒼梧に報告するの?蒼梧だって俺に全部を言ってる訳じゃないだろ?」
(付き合っているんだか、付き合っていないんだかよく分からない女子のあれこれそれこれ………幼馴染の俺だってよく知らんよ?)
「だってさ~水臭いじゃん?相談してくれればアドバイスしたのに~」
「何のだよ………」
(全くそういう雰囲気になり得ない関係なのに?)
「ここで言ってもいいの?」
ニヤリ、蒼梧が意地悪く笑う。
(くっそ!こういう事にかけてはこいつの方が経験豊富だからな。何か変なこと口走って墓穴を掘りたくはない。)
「何をだよ?」
ニヤニヤ笑う蒼梧に対し、徐々に険悪な表情に変わってくる俺。
「あの~~先輩達って、本当に仲良しですね?いいなぁ……」
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