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「楓矢…」
「ん?何?」
「神主の所に行く前に、楓矢には見せて………嫌……」
腫れた顔を晒して出かけるのも憚られたから、あのまま2人とも公のお泊まり理由である映画鑑賞などをしてゴロゴロして過ごしていたのだ。ほやほやしながら映画を見てる時に刀貴が言いにくそうにポツリと呟いたのを聞き逃さなかったさ。
「んん?何を見せるって?」
代々山手家に伝わる家宝とか?ずっと生きてきたんだもんな。今では物珍しいものくらい何かありそうだしな…?
何だ何だと、ただ単に興味が勝って刀貴に擦り寄る。
「………」
なのに刀貴ときたら今までにない位、ムッとした様な考え込んでいる様な硬い表情をし出した。
「え、何?何か、聞いちゃいけないやつ?」
自分から言い出したんだから聞いちゃいけないも何もないもんだが、あまりにも刀貴の顔が真剣で……
「ん?いや、楓矢が悪いんじゃない……明日、挨拶に行こうって話していただろ?」
「あ、うん。蒼梧んとこな?」
「そう……俺には返さなくてはいけない物がある。が、お前を連れて行くべきかどうかまだ迷っている。」
「何で?蒼梧んとこなら赤ん坊の時から行ってんぞ?何を今更?」
なんなら刀貴と付き合い出すつい最近まで泊まりにも行っていた。
「楓矢、恨み言なら頼むからちゃんと俺に言え…」
優しく、本当に壊れ物みたいに撫でながら抱きしめられてキスまでされて…何も言えなくなる様な状況を作り出されたけど…本当なら聞かないでいた方が優しさなのかもしれないけど…
「2人で生きて行くんだろ?俺には背負わせてくんないの?」
ちょっと拗ねちゃうぞ?ここまできて出し惜しみはNGだ。もう言うことがないかさっきも確認しただろ、俺。
「楓矢………お前にはもう背負わせたくないんだ…本当はね……」
あぁ~~もう!
「言って良い?」
「うん?」
「妖刀…紫、だろ?」
あ、ちょっとびっくりした様な顔してやんの…人の顔を鳩まめって笑っただろ?フフフ…今度は俺の番…!
しめしめと思っていたところで思いがけないほど強い力で刀貴に抱きしめられた。
「知っていたのか…?」
「ん…知ってるって言うかさ…刀貴、生きてこれたの妖刀のおかげって言ってただろ?妖刀紫ったら神社の御神体じゃん?そんでお前が神社に返しに行くって言ったら、それしかねぇだろ?」
「そう…紫を返す……それが約束だ…」
「でもなんで紫、刀貴が持ってんの?ん?嫌、神社にあるんじゃねぇの?」
毎年祭事の時にその姿を公にしていなかったっけ?見るのも嫌だったからちゃんとしっかり見たことないんだけども………
「そう言う事にはなっている。」
「なってる?じゃ…」
「社にあるのはレプリカだ。」
「えぇぇ………俺、嫌だったんだけど?あの夢見始めてから神社に行くことがさ…祭事の時だって刀なんて見たくもなかったし…けど、偽物だったのかよ……ずっと?」
「そう、ずっと。これは神主にしか伝えられていないことだ。今では俺と神主と楓矢しか知らない。怖かったのだろう?済まなかった…」
「いいけど…なんだよ、拍子抜けしたわ……で、今、紫どこにあんの?」
「ん、2階に安置している。」
ゾワッ………
やっぱり、お世辞にも大丈夫じゃなかった……何回も自分が刺された刀だと思うと背筋に寒気が走る。
「ほら、やっぱり怖いだろう?俺とて悪戯に恐怖を煽りたくはないんだ…」
「でも、返さなきゃなんだろ?」
「そうだ…じゃなきゃ俺の時間が進まない。」
「あ……」
刀貴の時間…何年も何年も止まったままの………
「俺はな楓矢。お前と生きて、お前と死にたい。もう置いていかれるのも、待っているのも懲り懲りなんだ…」
「そっか……そうだよな……」
俺なんかじゃ想像も付かないくらいの長い時なんだろ?ずっと死なないとかワクワクする様なもんじゃなかったんだろ?
「なぁ、俺も一緒に行くからな?」
勝って知ったる蒼梧の家だ。第2の我が家みたいなもん。妖刀紫がそこにないなら今更行く事に抵抗なんてないしな。刀貴の永い永い時間を進める為の瞬間じゃねえか。付き合わないなんてことありえねぇ。
「楓矢…?」
刀貴が俺を呼ぶ。労わる様に確かめる様に…わかってる。手は繋がなくても隣にいたいんだろう?人前では絶対に手を出すなって固く注意したからかこの頃は、ん?て思われる様な触れ方とかされてないと思う。だからなんの心配もしないで隣を歩いてきた…
(が、すまん刀貴よ…今日は勝手が違いすぎるぞ。)
刀貴の右の手には細長い布に包まれた包みがしっかりと握られている……それが何であるか分かるだけに、山手家を出る前から両手に嫌な汗をかいてて……
待て、刀貴!左手を手を繋ごうと伸ばすんじゃない!家の中なら、なんなら今も喜んで繋ぎたくなるっていう誘惑が襲ってくるじゃないか…!が、今日は無理だ……夕方を過ぎ暗くなりつつあるので人目はそんなに気にならなくなる時間帯で人目も物凄く気になるんだが、1番はお前が手に持ってる物が問題….!!そいつをじっくり見た事なんて無いし金輪際ないと思いたい。
妖刀紫………!!
「ん?何?」
「神主の所に行く前に、楓矢には見せて………嫌……」
腫れた顔を晒して出かけるのも憚られたから、あのまま2人とも公のお泊まり理由である映画鑑賞などをしてゴロゴロして過ごしていたのだ。ほやほやしながら映画を見てる時に刀貴が言いにくそうにポツリと呟いたのを聞き逃さなかったさ。
「んん?何を見せるって?」
代々山手家に伝わる家宝とか?ずっと生きてきたんだもんな。今では物珍しいものくらい何かありそうだしな…?
何だ何だと、ただ単に興味が勝って刀貴に擦り寄る。
「………」
なのに刀貴ときたら今までにない位、ムッとした様な考え込んでいる様な硬い表情をし出した。
「え、何?何か、聞いちゃいけないやつ?」
自分から言い出したんだから聞いちゃいけないも何もないもんだが、あまりにも刀貴の顔が真剣で……
「ん?いや、楓矢が悪いんじゃない……明日、挨拶に行こうって話していただろ?」
「あ、うん。蒼梧んとこな?」
「そう……俺には返さなくてはいけない物がある。が、お前を連れて行くべきかどうかまだ迷っている。」
「何で?蒼梧んとこなら赤ん坊の時から行ってんぞ?何を今更?」
なんなら刀貴と付き合い出すつい最近まで泊まりにも行っていた。
「楓矢、恨み言なら頼むからちゃんと俺に言え…」
優しく、本当に壊れ物みたいに撫でながら抱きしめられてキスまでされて…何も言えなくなる様な状況を作り出されたけど…本当なら聞かないでいた方が優しさなのかもしれないけど…
「2人で生きて行くんだろ?俺には背負わせてくんないの?」
ちょっと拗ねちゃうぞ?ここまできて出し惜しみはNGだ。もう言うことがないかさっきも確認しただろ、俺。
「楓矢………お前にはもう背負わせたくないんだ…本当はね……」
あぁ~~もう!
「言って良い?」
「うん?」
「妖刀…紫、だろ?」
あ、ちょっとびっくりした様な顔してやんの…人の顔を鳩まめって笑っただろ?フフフ…今度は俺の番…!
しめしめと思っていたところで思いがけないほど強い力で刀貴に抱きしめられた。
「知っていたのか…?」
「ん…知ってるって言うかさ…刀貴、生きてこれたの妖刀のおかげって言ってただろ?妖刀紫ったら神社の御神体じゃん?そんでお前が神社に返しに行くって言ったら、それしかねぇだろ?」
「そう…紫を返す……それが約束だ…」
「でもなんで紫、刀貴が持ってんの?ん?嫌、神社にあるんじゃねぇの?」
毎年祭事の時にその姿を公にしていなかったっけ?見るのも嫌だったからちゃんとしっかり見たことないんだけども………
「そう言う事にはなっている。」
「なってる?じゃ…」
「社にあるのはレプリカだ。」
「えぇぇ………俺、嫌だったんだけど?あの夢見始めてから神社に行くことがさ…祭事の時だって刀なんて見たくもなかったし…けど、偽物だったのかよ……ずっと?」
「そう、ずっと。これは神主にしか伝えられていないことだ。今では俺と神主と楓矢しか知らない。怖かったのだろう?済まなかった…」
「いいけど…なんだよ、拍子抜けしたわ……で、今、紫どこにあんの?」
「ん、2階に安置している。」
ゾワッ………
やっぱり、お世辞にも大丈夫じゃなかった……何回も自分が刺された刀だと思うと背筋に寒気が走る。
「ほら、やっぱり怖いだろう?俺とて悪戯に恐怖を煽りたくはないんだ…」
「でも、返さなきゃなんだろ?」
「そうだ…じゃなきゃ俺の時間が進まない。」
「あ……」
刀貴の時間…何年も何年も止まったままの………
「俺はな楓矢。お前と生きて、お前と死にたい。もう置いていかれるのも、待っているのも懲り懲りなんだ…」
「そっか……そうだよな……」
俺なんかじゃ想像も付かないくらいの長い時なんだろ?ずっと死なないとかワクワクする様なもんじゃなかったんだろ?
「なぁ、俺も一緒に行くからな?」
勝って知ったる蒼梧の家だ。第2の我が家みたいなもん。妖刀紫がそこにないなら今更行く事に抵抗なんてないしな。刀貴の永い永い時間を進める為の瞬間じゃねえか。付き合わないなんてことありえねぇ。
「楓矢…?」
刀貴が俺を呼ぶ。労わる様に確かめる様に…わかってる。手は繋がなくても隣にいたいんだろう?人前では絶対に手を出すなって固く注意したからかこの頃は、ん?て思われる様な触れ方とかされてないと思う。だからなんの心配もしないで隣を歩いてきた…
(が、すまん刀貴よ…今日は勝手が違いすぎるぞ。)
刀貴の右の手には細長い布に包まれた包みがしっかりと握られている……それが何であるか分かるだけに、山手家を出る前から両手に嫌な汗をかいてて……
待て、刀貴!左手を手を繋ごうと伸ばすんじゃない!家の中なら、なんなら今も喜んで繋ぎたくなるっていう誘惑が襲ってくるじゃないか…!が、今日は無理だ……夕方を過ぎ暗くなりつつあるので人目はそんなに気にならなくなる時間帯で人目も物凄く気になるんだが、1番はお前が手に持ってる物が問題….!!そいつをじっくり見た事なんて無いし金輪際ないと思いたい。
妖刀紫………!!
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