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46、竜騎士カーリスの宝 12
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苦しい……?くる………
何となく胸がモヤモヤすると思ったら、グッと本格的に喉が詰まる苦しさと、一気に喉から内臓まで焼ける様な熱に襲われる。
「グッ…………」
サリャーナは胸を押さえて苦しみ出す。
「サリャーナ!!!」
「きゃあ!!」
「……!?」
室内にいる者達はサリャーナの様を見て皆騒然としだした。
知っている……この、苦しみを………
この、焼ける様な痛みに苦しみは、幼い頃にエルイーシャが受けた……
竜騎士カーリスの腕の中にいたサリャーナが突然に苦しみ出した。そして、口からは血を吐いて……
竜騎士カーリスは、唐突にあの日を思い出す。幼い自分の番が血を吐いて冷たい地面の上に倒れていたあの時の光景を………!!
「サリャーナ!!サリャーナ!!!」
竜騎士カーリスの絶叫が室内に響き渡る中、一人ロデアンネだけは冷静に感情の揺れない瞳でその光景を見つめている。
「いい気味ですわ!ロデアンネお嬢様を差し置いて、どこの馬の骨かもわからないような下女の身で竜騎士様を誑かすからこんな事になるのです!竜騎士様も目を覚まされて、お嬢様のお手をお取りくださいませ!!」
竜騎士カーリスの絶叫に被せて、侍女長スーリーの声が狂った様に響いてくる。
「おのれ……お前が、サリャーナを!!!」
気が動転している竜騎士カーリスは一気に半竜化し、恐ろしい程の殺気の籠った鋭い眼光を侍女長スーリーに叩きつけた。
「グゥッ……………!」
たったのそれだけで、弱い人間は命を落とす……
人間は何と愚かなのだろうか…
一気に竜の力を放出する竜カーリスの周囲は風が渦巻きの様に室内で嵐を呼び、家具をただの紙の様に舞ちらし、屋敷の屋根や壁諸共吹き飛ばしていく。勿論ここに住んでいるだろう人間も容赦なく吹き飛ばされた。
「サリャーナ…サリャーナ!!」
煩わしい者達がいなくなり竜カーリスは全神経をサリャーナに向ける。そして自らの鱗を砕き光の粉を作り出す。
腕の中のサリャーナの意識はないが、血を流しつつもまだ息をしてくれていた。
何としても助ける……!!
同じ手で、それも竜に嫉妬する人間の手によって竜から番を2度も奪おうとするとは…人間は愚かすぎる……
竜カーリスは作り出した竜の粉を自らの口に含み、愛しい番の口に移した。
「サリャーナ……サリャーナ…………」
何度も何度も、竜カーリスは愛しい者の名前を呼ぶ。エルイーシャの時には間に合わなかった事実と番を奪われた衝撃に、一瞬で我を忘れてしまったが、まだ腕の中のサリャーナは暖かい…まだ息をしている…まだ生きている…………
必死に言い聞かせて、暖かく柔らかなサリャーナの身体をこれ以上ない程、竜カーリスは優しく抱きしめ続けた……
何となく胸がモヤモヤすると思ったら、グッと本格的に喉が詰まる苦しさと、一気に喉から内臓まで焼ける様な熱に襲われる。
「グッ…………」
サリャーナは胸を押さえて苦しみ出す。
「サリャーナ!!!」
「きゃあ!!」
「……!?」
室内にいる者達はサリャーナの様を見て皆騒然としだした。
知っている……この、苦しみを………
この、焼ける様な痛みに苦しみは、幼い頃にエルイーシャが受けた……
竜騎士カーリスの腕の中にいたサリャーナが突然に苦しみ出した。そして、口からは血を吐いて……
竜騎士カーリスは、唐突にあの日を思い出す。幼い自分の番が血を吐いて冷たい地面の上に倒れていたあの時の光景を………!!
「サリャーナ!!サリャーナ!!!」
竜騎士カーリスの絶叫が室内に響き渡る中、一人ロデアンネだけは冷静に感情の揺れない瞳でその光景を見つめている。
「いい気味ですわ!ロデアンネお嬢様を差し置いて、どこの馬の骨かもわからないような下女の身で竜騎士様を誑かすからこんな事になるのです!竜騎士様も目を覚まされて、お嬢様のお手をお取りくださいませ!!」
竜騎士カーリスの絶叫に被せて、侍女長スーリーの声が狂った様に響いてくる。
「おのれ……お前が、サリャーナを!!!」
気が動転している竜騎士カーリスは一気に半竜化し、恐ろしい程の殺気の籠った鋭い眼光を侍女長スーリーに叩きつけた。
「グゥッ……………!」
たったのそれだけで、弱い人間は命を落とす……
人間は何と愚かなのだろうか…
一気に竜の力を放出する竜カーリスの周囲は風が渦巻きの様に室内で嵐を呼び、家具をただの紙の様に舞ちらし、屋敷の屋根や壁諸共吹き飛ばしていく。勿論ここに住んでいるだろう人間も容赦なく吹き飛ばされた。
「サリャーナ…サリャーナ!!」
煩わしい者達がいなくなり竜カーリスは全神経をサリャーナに向ける。そして自らの鱗を砕き光の粉を作り出す。
腕の中のサリャーナの意識はないが、血を流しつつもまだ息をしてくれていた。
何としても助ける……!!
同じ手で、それも竜に嫉妬する人間の手によって竜から番を2度も奪おうとするとは…人間は愚かすぎる……
竜カーリスは作り出した竜の粉を自らの口に含み、愛しい番の口に移した。
「サリャーナ……サリャーナ…………」
何度も何度も、竜カーリスは愛しい者の名前を呼ぶ。エルイーシャの時には間に合わなかった事実と番を奪われた衝撃に、一瞬で我を忘れてしまったが、まだ腕の中のサリャーナは暖かい…まだ息をしている…まだ生きている…………
必死に言い聞かせて、暖かく柔らかなサリャーナの身体をこれ以上ない程、竜カーリスは優しく抱きしめ続けた……
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