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37 レーン
しおりを挟むブワリと、体を熱が包む。
つい最近見知った感覚が深い眠りから強制的に引きずり上げる。
「ふぁぁ!」
ガバ!と体に走る感覚に跳ね起きてみれば、何時もの自分の部屋の中…
「旦那様?」
ですよね?あの石を押すのは、今は彼の方だけで…
でも、でも……
この熱、暖かさ……!
考えるよりも速く、目から涙がこぼれ落ちて来る。体が思考よりも速く反応するくらいあの方の気配に飢えている…
「そこに、居られるのですか?」
「出ておいで、シェインリーフ…」
声は旦那様の物…けれどこの名を知るのはただ一人!扉を開ける迄は夢中で…おずおずと外を覗いてみれば、部屋の中にはあの方の光…
「レーン様!!」
堪らず名前を呼びながら飛び出した。
ポフッと受け止めてくれたのは、よく知った旦那様の香りで…
「旦那様?レーン様?」
もうシェインの頭は混乱状態。ポロポロと泣きながら、どこに誰の姿を求めて良いのか分からなくなっている。
「フフフ、落ち着きなさい。シェインリーフ。どちらも私だよ。」
手の中に包み込んだシェインを、ギュウッと抱きしめながら耳元で優しく囁いた。
「ど、どちらも?」
「そう、私は君の主人ガラットであり、君が求めてくれていた精霊レーンでもある。」
更にギュウッと抱きしめてくれる。
「レーン様が、どうして?……人間?なんで?」
ガラットがレーンである事は理解できた様だがなぜここに居るのか、シェインの頭の中はついて来れない。
「あぁ、シェインリーフ。やっと私の名を呼んだ……」
極嬉しそうに光を放ちながら笑顔を綻ばせる姿は紛れもなくレーンのもの。
……いい加減になさいませね…………
感動の再会を冷んやりとした声で止めてくれるのはメアリーだ。が、頭の中に聴こえて来る?
「まさか、メアリーさんも?」
ポカンとした顔がレーンを仰ぎ見る。
「そうだ。メアリーは私の精霊石だよ。」
「ええ!!!そこまで、そこまで……気がつかないなんて………」
ショックだ、やっと想い精霊に出会えたのも束の間、こんなに側に居たのにその精霊石の気配すら感じ取れなかったなんて…
……仕方ないわよ。シェインリーフ、勝ち目が無かったあの場で貴方自分の精霊石の力を出し切ろうとしたでしょ?………
もう、助かる見込みは無かったあの大寒波の中で、尚も力を使い続けたのだから。
……もっと早く離れていれば、こんなに弱ることもなかったのよ?………
慣れ親しんだ、精霊の声…
ホッとするのと、罪悪感と…護れなかったこの思いは、未だに深く深くシェインの心に刺さっているのだ…
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