近くて親しき仲こそ、、、

邪代夜叉(ヤシロヤシャ)

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第六章 実妹 ―杉本 渚―

【2】

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新月の夜、杉本家の広大な敷地の隅に佇む古い蔵。

閉ざされていた重厚な観音開きの扉が、低く呻くような音を立てて開いた。止まっていた空気が、夜の冷気と混ざり合い、不気味に渦巻く。

拓海はスマートフォンの心細い光で足元を照らしながら、前を行く凛の背中を追って中へと足を踏み入れた。


「凛、おい……。こんな夜中に、なんでこんなところで……」


拓海の声は、自分でも驚くほど掠れていた。
凛は振り返り、悪戯っぽく、それでいて艶然とした微笑を浮かべる。


「いいから。ここなら誰にも邪魔されないでしょ? 『面白い遊び』をしようって言ったじゃない」


困惑を装いつつも、拓海は身体の奥底で疼く熱を隠せなかった。
代々続く旧家の古い蔵。埃と木の匂いが充満するこの密室で、男女がすることなど一つしかない。
普段とは違う場所と背徳感がスパイスとなり、彼の理性をじわじわと侵食していく。

凛は一筋の長い黒布を取り出し、それをゆっくりと広げた。


「今日は特別。拓海くん、これして。――目隠しプレイ」

「目隠し……?」

「そう。……いい? 私が合図するまで、何があっても絶対に外さないでね。約束だよ」


有無を言わせぬ凛の声音に、拓海は促されるまま椅子に腰を下ろした。
ただでさえ暗い蔵の中で、視界を完全に遮断される。
闇がより深い闇に塗りつぶされた瞬間、他の感覚が異様に研ぎ澄まされた。

古い柱が鳴る音。凛の衣擦れの音。そして、自分の荒い鼓動。


(……よし。おいで、渚ちゃん)


凛が暗がりに向かって、音もなく手招きをする。
すると、大きな葛籠つづらの陰に隠れていた妹の渚が、今にも折れそうな足取りで姿を現した。
その背後には、共犯者としての罪悪感に顔を歪めた咲も立っている。

渚の目の前には、上半身を露わにし、無防備に晒された実の兄がいた。
そして、その股間には――。
薄いスラックス越しでもはっきりと分かるほど、禍々しく猛り狂った「雄」の象徴が、今か今かと解放を待っている。


「……っ!」


渚は思わず口元を押さえ、悲鳴を飲み込んだ。
普段、家で見る優しくて頼もしい兄とは別人のような、圧倒的な野生の質量。

そこへ、凛が背後から渚の肩を抱き、耳元で悪魔のように甘く囁いた。

(大丈夫。目隠しをしてるんだから、拓海兄には目の前にいるのが渚ちゃんだなんて、逆立ちしたってバレないわよ。これから彼氏ができた時のための『練習』、始めましょう)

(でも……そんな、お兄ちゃん相手に……)

(お兄ちゃんだからこそ、いいんじゃない。さあ……ほら、触ってみて。女の子のその柔らかい指で、優しく、ね?)


促され、渚の指先が震えながら、兄の熱塊へと伸びていく――。




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