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我が家
我が家が近づいてくるとだんだんと周囲は暗くなってくる。
密集住宅地ではあるが、流石にこの時間帯はまだ会社員は仕事をしているみたいだ。8時半を越す辺りで、皆帰ってくるのだ。
そして私は、ようやく心も体も休まる我が家についた。
自分の自宅ほどくつろげる場所はないだろうな。と、実感する瞬間だ。
駐輪場でミストで濡れきった白の車体を無造作に駐車し、アパートの階段を駆け上った。
やっと自身たちの部屋につくとホッと、安心したため息が出る。
案の定部屋は明るく、もう既に私の可愛い同居人が帰ってきているのが分かる。
ドアノブを冷たくなった手で包み、回すと暖かい部屋の温度が私の体を包んだ。
その暖かいさに、さっきの不機嫌だった私はいつもどうりの私に戻ったのだった。
すると、私の帰宅に気がついたのだろう。リビングから顔をひょっこり出す可愛い同居人がそこにいた。
「おかえりなさい!」
その瞬間だ。
彼は魔法でも使ったのだろうか?
シンプルな家具しかない味気ない部屋に、檸檬の弾ける酸っぱさのような明るいオーラがふわりと花を咲かせたのだった。
しかし、次の瞬間彼は目を点に来てタオルを片手に玄関にいる私を目掛けて、慌てて走ってきたのだった。
「あぁ!もう!びしょびしょじゃん!孝幸(たかゆき)さんニコニコしてないで早く拭いて暖まってください!」
私は目の前にいる、私の元へ走ってきたのだった可愛い私の番を自分の腕で包んたのだった。
すると、番はわっと声をあげて私に素直によりかかったのだった。そして耳元でただいまと囁くと、彼は少し頬を赤らめて一言。
「待ってたんですからね」
そう言って、2人で暖かい部屋で今日の終わりも幸せに過ごしたのだった。
「んーーー!!終わったァーー!」
珈琲の匂いが漂う年期が入ったアンティークな静かなカフェに、一人の作家の爽快な一声が響いた。
すると、そこのマスターと思われる人物がタイミングを見計らったかのように作家のパソコンの隣に珈琲を差し出したのだった。
「鏡先生、今日の仕事は終わったのですか?」
鏡と呼ばれたその男はさっきの爽快な声を溢したとは思えない無愛想な態度で答えたのだった。
「んー……そうだな。今回はそれなりに面白くなったんじゃねぇかなぁ……?」
そうして、さっきまで展開されていαとΩ高校男子の甘いラブストーリーがつまったUSBをパソコンから引き抜いたのだった。
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