護衛君は格上マフィアに捕まる

亀吉

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玩具なんて……ねぇ?

あ………そうですか……。

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 男は一通り俺の頭をなで終わると、俺のことを抱き締めてきた。男の顔を恐る恐る覗いてみると、なんだか満足したようなスッキリした顔をしていた。
 ………どうやら、俺の処女は無理矢理奪われることは無いみたいだ。うん。良かった良かった。一時はどうなることかと思って、心臓がドッキンドッキンうるさかった。でも、これでひと安心できる。
 男はそのまま、俺のとなりに寝そべった。見るからにかなりリラックスしているみたいだった。そうして、俺の肩に向かってするすると男の手が伸びてきた。俺はそれを拒もうとして身を捩ってみたが、手錠のせいで全く効果は無かった。それに気がついた男は俺をそのまま抱き寄せた。
 「手の掛かる奴だな。………安心しろよ、今日は抱かねぇからさ。」
 口から出た言葉はデタラメなのか、本当なのかよく分からないが、その言葉に少なからず俺は戸惑った。
 「だ、抱かないのか……??」
 戸惑いながら口から出た言葉は正直な今の気持ちだった。
 が、男の言ったことはデタラメなんかではなかったようだ。
 「あん??もしかして期待してたのか??今からでも犯してやろうか??」
 「…………ソンナワケナイジャナイデスカー」
 確かに期待なんかしてないし、つーかここに連れてこられるなんて思ってもいなかったし、目覚めるまではなんとなく死んでいたような気さえしていたし。
 でも、ここで殺さないのなら普通は性処理の奴隷にするんじゃないのか?ましてや、ドラッグを撒いてる奴の護衛なんかしていたんだし。
 俺は男の行動の意図が全くわからず、男の隣で首をかしげていた。すると、クスクス笑ってまた、俺の頭を撫で始めた。
 ゆっくりゆっくり、まるで壊れかけの大事な物を扱うような手で。
 そして、男は口を開いた。

 「安心しろよ。俺はお前に一目惚れしたからな……。」



 …………………わっつドゥユーミィーン?
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