護衛君は格上マフィアに捕まる

亀吉

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玩具なんて……ねぇ?

疑われて

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 俺の中に居る男の少しごつごつした長い指に俺はされるがまま。他人から初めてされることに戸惑いを隠せるわけない。が、その感覚に脳がしびれて、全神経が弄られている場所に集中してしまう。
 そんななか、俺は完全に思考回路が停止してしまった。
 男の指の動きに合わせて体が反応していく。
 着ていた俺の体の一回り程大きいシャツは乱れきって、ほとんどシャツの役割を果たしていなくなっていた……。
 認めたくはなかったが、少なからず俺は男の指から与えられるエッチな刺激によがり、体は素直に期待して、悦んでいた。
 また、抑えが効かなくなって出てくる厭らしい自分の盛大な喘ぎ声を添えて。

 が、ここで男は今まで気にしていなかったのだろうがある違和感を覚えたんだろう。なぜ、処女である俺が、こんなに初めてであるはずの後ろの刺激で反応しているのかを。
 それに気がついて男の眼はギラギラとしていた。
 「なぁ、なんで処女がここでよがれんの?もしかして演じて詐欺ってた?」
 その眼は苛立ちを少し含めてあるようにも見えるし、哀れむような感情も感じられる。

 なぜ、処女である俺がこの刺激で喘いでいるのか…………。
 まぁ、幹部様に調教されていたって言うのが真相なんだが………。言えるわけがないし。自分でもあまり認知したくない。
 実は俺は物凄いヘタレなんだ。
 いつか、幹部様の恋人になりたいと本気で願っていた。そして、ずっと傍にいたいとも考えていた。
 幹部様に初めてあったあの日、俺は恋に落ちた。また、幹部様も良くしてくれた。
 これまでに抱かれたことは一度もなかったし、多分これからも抱かれることはないと思うけど、俺の容姿はそこそこよくて男色がある変態につけるスパイや、色仕掛けで落とせる奴を落とそうとして色々調教を受けていた。
 抱いて欲しいとは思った。が、言えなかった。いつかを夢見て待っていた。なのに、一度も誘ってはくれなかった。
 そして、きっともういつかは来ないんだろうな……。

 何故か俺はその時、幹部様との思い出を思い出してしまっていた。すると、突然涙が頬を伝った。
 それは快感による生理的な涙じゃなく、感情的な涙が。
 そして、俺はすすり泣きながら目の前の男にせがむように抱きついた。

 「ゆ……ぅぁ。なまっ………え、よぉんでくっ…よ!……。ゆうあってぇ……。」
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